韓国映画は好きでよく観るが、あまりにも残酷なシーンが多く、
神経がくったくたになることがある。
何日にも分けて観たり、残酷なシーンを早回しするのはざらだ。
だが、この「冬の小鳥」は安心して観ることができた。(2009年公開)
映画初出演となる、ジニを演じる9歳のキム・セロンはなんという役者だろう。
2か月ほど前に観たのだが、今でも、いつでも、彼女が私の心に蘇ってくる。
先日、拒食症と思われるほど痩せた母親と、7歳くらいの女の子がコンビニから出てきた。
歩きながら、一個の菓子パンを二人でちぎって食べている。
今日、初めての食事なのかもしれない。キム・セロンを思い出していた。
この映画は、脚本・監督であるウニー・ルコントの幼い頃の体験がもとになっている。
ジニは父親の再婚で、何も知らされないまま孤児院で暮らすことになる。
父親が迎えに来るのを毎日、毎日、待ちつづける。
9歳の子ができる精一杯の知恵をしぼって、父親を探し出そうとする。
映画の最初のシーンで、父親と自転車に乗っているキム・セロンのとびっきりの笑顔。
死んだ小鳥を埋めたように穴を掘り、その中に自らが入り落葉で覆いつくす。
息苦しさに耐え切れず、落葉をかき分けて顔を出す鬼気迫るシーン。
孤児院から脱走を試みるが、果たせず、自らの意志で門を入っていく時の
哀しみが貼り付いた、キム・セロンのほそい手と脚。
顔も知らない養親の待つフランスへ、ひとり空港をゆくキム・セロンのくすぐったそうな顔。
映画はここで終わる。
キム・セロンは、この映画のどのシーンでも生きている!
キム・セロンは自分のブログに、次のように書いているという。
「俳優になろうとするなら、数千回倒れ、泣かなければならない」
キム・セロンに夢中になり、「バービー」、「アジョシ」、「天上の花園」と観たが、
「冬の小鳥」が一番よかった。
ウニー・ルコント監督が、9歳でフランス人の養女となり、映画監督になるまでの
その後の人生を想った。
※お節介・・・DMM.comでも、楽天レンタルでも借りられます。
追記1
5月に「私の少女」を観た。
キム・セロンとペ・ドゥナが共演している。
ペ・ドゥナは「空気人形」を観て以来、好きな女優である。
2人の好きな女優が出ていて、映画の主題もはっきりしている。
それなりに楽しむことができる。
キム・セロンは女の子から少女に成長して、綺麗になっていた。
演技もうまい。でも何だろう、この違和感は。
キム・セロンにこの映画のオファーが来た時は、断ったそうだ。
オーディションを何度してもふさわしい女優が見つからず、最終的に引き受けた。
きわどい演技も要求され、少女としては汚れ役と言っていいだろう。
「冬の小鳥」では、映画のどのシーンでもキム・セロンは生きていた!
「私の少女」では、どのシーンにも女優キム・セロンがいた。
女優として難しい年頃なのだろう。
才能がある人なので、機が熟すのを待ってもよいのではと、老婆心ながら思った。
(2015年7月15日 記)
神経がくったくたになることがある。
何日にも分けて観たり、残酷なシーンを早回しするのはざらだ。
だが、この「冬の小鳥」は安心して観ることができた。(2009年公開)
映画初出演となる、ジニを演じる9歳のキム・セロンはなんという役者だろう。
2か月ほど前に観たのだが、今でも、いつでも、彼女が私の心に蘇ってくる。
先日、拒食症と思われるほど痩せた母親と、7歳くらいの女の子がコンビニから出てきた。
歩きながら、一個の菓子パンを二人でちぎって食べている。
今日、初めての食事なのかもしれない。キム・セロンを思い出していた。
この映画は、脚本・監督であるウニー・ルコントの幼い頃の体験がもとになっている。
ジニは父親の再婚で、何も知らされないまま孤児院で暮らすことになる。
父親が迎えに来るのを毎日、毎日、待ちつづける。
9歳の子ができる精一杯の知恵をしぼって、父親を探し出そうとする。
映画の最初のシーンで、父親と自転車に乗っているキム・セロンのとびっきりの笑顔。
死んだ小鳥を埋めたように穴を掘り、その中に自らが入り落葉で覆いつくす。
息苦しさに耐え切れず、落葉をかき分けて顔を出す鬼気迫るシーン。
孤児院から脱走を試みるが、果たせず、自らの意志で門を入っていく時の
哀しみが貼り付いた、キム・セロンのほそい手と脚。
顔も知らない養親の待つフランスへ、ひとり空港をゆくキム・セロンのくすぐったそうな顔。
映画はここで終わる。
キム・セロンは、この映画のどのシーンでも生きている!
キム・セロンは自分のブログに、次のように書いているという。
「俳優になろうとするなら、数千回倒れ、泣かなければならない」
キム・セロンに夢中になり、「バービー」、「アジョシ」、「天上の花園」と観たが、
「冬の小鳥」が一番よかった。
ウニー・ルコント監督が、9歳でフランス人の養女となり、映画監督になるまでの
その後の人生を想った。
※お節介・・・DMM.comでも、楽天レンタルでも借りられます。
追記1
5月に「私の少女」を観た。
キム・セロンとペ・ドゥナが共演している。
ペ・ドゥナは「空気人形」を観て以来、好きな女優である。
2人の好きな女優が出ていて、映画の主題もはっきりしている。
それなりに楽しむことができる。
キム・セロンは女の子から少女に成長して、綺麗になっていた。
演技もうまい。でも何だろう、この違和感は。
キム・セロンにこの映画のオファーが来た時は、断ったそうだ。
オーディションを何度してもふさわしい女優が見つからず、最終的に引き受けた。
きわどい演技も要求され、少女としては汚れ役と言っていいだろう。
「冬の小鳥」では、映画のどのシーンでもキム・セロンは生きていた!
「私の少女」では、どのシーンにも女優キム・セロンがいた。
女優として難しい年頃なのだろう。
才能がある人なので、機が熟すのを待ってもよいのではと、老婆心ながら思った。
(2015年7月15日 記)