担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

試算。

2010-10-14 01:59:25 | chemistry
呼吸とは,簡単にいうと酸素取り込んで二酸化炭素を掃き出す行為である。
したがって,呼吸によって炭素原子が体外に排出される。
だから,

呼吸をするだけで体重は減少する!

これは実に素晴らしい着眼点ではなかろうか。

ヒトが呼吸をするとき,吸気よりも呼気の方に二酸化炭素が多く含まれる。
これはつまり,取り込んだ酸素分子 O2 に炭素原子をひとつ付け加えて CO2 に加工して体外に排出するということである。その差は炭素原子分の質量であり,それが体重の減少量になるというアイデアである。

では,呼吸によって一日に成人男性の体重はどれほど減るのだろうか?以下に試算してみよう。

試算に当たってはなんらかの仮説を立てる必要がある。今回使用したのは次の仮説である。ただし,僕の個人的な全くの思いつきに過ぎず,科学的・医学的な裏づけがあるかどうかは不明であることをお断りしておく。

仮説:細胞内における好気呼吸によって得られた熱量の一日あたりの総和が基礎代謝に等しい。

好気呼吸とは,グルコースの燃焼である。手元にあった「理解しやすい化学I・II 改訂版」という高校生向けの参考書によると,グルコースの燃焼熱は 2867 kJ とある。

グルコース 1mol から CO2 が6mol生成されるから,C を 1mol,二酸化炭素という形で体外に排出するとき,477.8 kJ の熱量が発生したことになる。

同書によると熱の仕事当量は 1cal=4.19J なので,カロリーに換算すると 114.0 kcal ということになる。

成人男性の一日の基礎代謝を1500kcalとすれば,一日に体外に排出される炭素の物質量は 1500÷114=13.16 mol ということになる。

炭素の原子量は1molあたり12gとすれば,一日あたり,成人男性の体重はじっとしているだけで実に158gほど減少することになる!


す,少ねぇぇぇぇ!


い,いや,待てよ。よくよく考えてみれば,呼吸だけでご飯一杯弱の重さ分が消費されると思えば,結構でかいんじゃね・・・?

一週間も経てば1kgちょっと体重が減る計算である。1ヵ月では5kg近くもやせられる!

なんだか,究極のダイエット,『横になって呼吸をしているだけでやせられる楽チンダイエット構想』が現実味を帯びてきたぞ。

もっとも,試算に使用した仮説が正しければ,の話だが。

それにもちろん,一切何も口にしないで横になって呼吸をしているだけで一ヵ月間生き続けられれば,の話でもあるが。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Contour. | トップ | 夢中になれること。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

chemistry」カテゴリの最新記事