皮膚の感覚に違和感はあるものの,体温計で計った数値は36℃を超えない。
おかしい。微熱があるような気がするのだが。
ラノベというものがある。
それが何かいまいちよくわかっていないのだが,売れるとアニメ化されたりして一世を風靡することができるらしい。
作風は,たぶん,ファンタジー物が多いのだろうが,読者層にあわせた学園物もあるだろう。
そこで,学園モノのラノベのプロットを作ってみたので公開する。
◆◆◆◆
第1話「古典の時間の点呼」
夕焼けによる金色の輪郭に縁取られた窓辺にたたずんだ男が振り返りもせずにつぶやいた。
「では,よろしくお願いしますよ,中里先生,小里先生。」
中里先生と呼ばれた中年の女性は,となりのなよっとした青年の手をひっそりと握ると,返事をした。
「お任せ下さい。大里校長先生。」
このやり取りは,すべて twitt○r 上で行われた。
中里と小里は手を繋いでスキップをしながら教室へ向かった。
「いいこと,小里先生。何か問題が起こったら副担任であるわたくしに相談して頂戴。」
「あい。」
小里は頼りなげに返事をした。
中里の手は震えていた。
それは,あるいは,これからこの学園で起こるであろう数々の騒動を思い,武者震いしていただけなのかもしれない。
しかし,小里は,ガクガクブルブルと小動物のように体を震わせる中里のそばで,ボクが守ってあげなければ,と遠い目をして「フッ」とあざ笑うのであった。
「じゃ,出席取るぞ~。」
サングラスにジャージ姿と,ばっちりキメた小里はお土産物の木刀をかついで出席簿を読み上げ始めた。
「大川,大澤,大島,大谷,大貫,大畑,大林,大原,大村,大森,大山,・・・」
と,ここで,手を挙げてさえぎった生徒がいる。
「なんだ,中林。」
「あのう,大変申し上げにくいのですが,中里先生,ハモるのはやめていただけないでしょうか・・・?」
「あら,そうぉお~?」
中里は口にチャックをした。
点呼は再開された。
しかし今度はフォーミー(モンゴルの草原によく似合う歌唱法)の歌声が聞こえてきた。
今度は中林はじっと堪えた。
「小川,小澤,小貫,小原,小島,小谷,小畑,小林,小村,小森,小山,
え~っと,それから,中川,中澤,中島,中谷,中貫,中畑,中原,中村,中森,中山。」
ほとんどの生徒が返事をしなかった。
「どうした,みんな,なんで今日はこんなに少ないんだ?鳥フルでも流行っているとでもいうのか?」
ピシャリと竹刀を教卓にたたきつけ,周囲を威嚇しながらダメ教師っぷりを発揮しつつ,小里は中林に尋ねた。
「先生,それは・・・。」
「それは,何だ?中林。言ってみろぉ!」
「朝のホームルームの一時間前だからです。」
なんのことはない。教師たちが時計を読み違えていただけのことであった。
このとき,その場にいた全員(教師二名+生徒一名+金魚五十ニ匹)は,このようなありきたりの日常がもはや二度と繰り返されることがないとは知る由もなかった―。
◆◆◆◆
タイトルと内容が微妙にずれている,などという苦情は受け付けません。
夕焼けなのになぜ朝のホームルーム前なのか,などという時間のねじれに関する指摘も却下です。
木刀がいつのまにか竹刀にすりかわった,などということはよくあることです。
おかしい。微熱があるような気がするのだが。
ラノベというものがある。
それが何かいまいちよくわかっていないのだが,売れるとアニメ化されたりして一世を風靡することができるらしい。
作風は,たぶん,ファンタジー物が多いのだろうが,読者層にあわせた学園物もあるだろう。
そこで,学園モノのラノベのプロットを作ってみたので公開する。
◆◆◆◆
第1話「古典の時間の点呼」
夕焼けによる金色の輪郭に縁取られた窓辺にたたずんだ男が振り返りもせずにつぶやいた。
「では,よろしくお願いしますよ,中里先生,小里先生。」
中里先生と呼ばれた中年の女性は,となりのなよっとした青年の手をひっそりと握ると,返事をした。
「お任せ下さい。大里校長先生。」
このやり取りは,すべて twitt○r 上で行われた。
中里と小里は手を繋いでスキップをしながら教室へ向かった。
「いいこと,小里先生。何か問題が起こったら副担任であるわたくしに相談して頂戴。」
「あい。」
小里は頼りなげに返事をした。
中里の手は震えていた。
それは,あるいは,これからこの学園で起こるであろう数々の騒動を思い,武者震いしていただけなのかもしれない。
しかし,小里は,ガクガクブルブルと小動物のように体を震わせる中里のそばで,ボクが守ってあげなければ,と遠い目をして「フッ」とあざ笑うのであった。
「じゃ,出席取るぞ~。」
サングラスにジャージ姿と,ばっちりキメた小里はお土産物の木刀をかついで出席簿を読み上げ始めた。
「大川,大澤,大島,大谷,大貫,大畑,大林,大原,大村,大森,大山,・・・」
と,ここで,手を挙げてさえぎった生徒がいる。
「なんだ,中林。」
「あのう,大変申し上げにくいのですが,中里先生,ハモるのはやめていただけないでしょうか・・・?」
「あら,そうぉお~?」
中里は口にチャックをした。
点呼は再開された。
しかし今度はフォーミー(モンゴルの草原によく似合う歌唱法)の歌声が聞こえてきた。
今度は中林はじっと堪えた。
「小川,小澤,小貫,小原,小島,小谷,小畑,小林,小村,小森,小山,
え~っと,それから,中川,中澤,中島,中谷,中貫,中畑,中原,中村,中森,中山。」
ほとんどの生徒が返事をしなかった。
「どうした,みんな,なんで今日はこんなに少ないんだ?鳥フルでも流行っているとでもいうのか?」
ピシャリと竹刀を教卓にたたきつけ,周囲を威嚇しながらダメ教師っぷりを発揮しつつ,小里は中林に尋ねた。
「先生,それは・・・。」
「それは,何だ?中林。言ってみろぉ!」
「朝のホームルームの一時間前だからです。」
なんのことはない。教師たちが時計を読み違えていただけのことであった。
このとき,その場にいた全員(教師二名+生徒一名+金魚五十ニ匹)は,このようなありきたりの日常がもはや二度と繰り返されることがないとは知る由もなかった―。
◆◆◆◆
タイトルと内容が微妙にずれている,などという苦情は受け付けません。
夕焼けなのになぜ朝のホームルーム前なのか,などという時間のねじれに関する指摘も却下です。
木刀がいつのまにか竹刀にすりかわった,などということはよくあることです。