トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

異界への入り口/絵本『漂流物』

2009-09-27 10:41:18 | 絵本・児童文学
漂流物
デイヴィッド ウィーズナー
BL出版

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 漂流物(flotsam)とは「海上や水上に浮かんでいて流れのままにただようもの」。それが浜辺に打ち上げられた時に漂着物となる。どこか遠くの世界からのメッセージ。海岸を歩いて、そうした漂着物を採集してコレクションしている人たちもいる。きっと、その漂着物に対する様々なイメージを膨らませて、空想の世界に浸っているのであろう。

 さて、この絵本には、全く言葉がない。絵だけでストーリーが展開していく。

 浜辺で遊ぶアメリカ人の少年。彼は、流れ着いた箱型の水中カメラを拾う。波が運んできたものである。中をのぞくと、現像されていないフィルムが入っていた。

 少年がカメラ店で現像してもらった写真に写っていたものは!
 見たこともない海の異界の風景であった。
 本当のそんな世界が実在するのであろうか。

 最後の1枚の写真には、日本人かも知れない東洋人の少女の写真が写っていた。良く見ると、少女は写真を持っていた。その写真には、ラップランドかどこか北の方に住む少年の写真が写っていた。その少年も写真を持っている。ブロンドの髪の少女の写真。その彼女も……。
 少年は、肉眼では良く見えない写真をルーペを使ってみる。そこにも同じような写真を持つ子どもの写真。際限なく続く予感がする。ついには、顕微鏡で観てみることにする。倍率を挙げるにつれて、見える写真は年代が古くなっていくようだ。カラー写真から白黒写真への変化。そして70倍で一人の少年の写真にたどり着く。昔の服装を着た浜辺に立つ少年の姿。

 不思議な写真を見てしまった少年が思いついたことは……。

 不思議なカメラをめぐるお話は、素敵な絵によって表現されている。カメラの旅は今も続いているのであろう。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつもそれを夢みてる (shell blanc)
2009-09-27 22:06:49
・・・トッペイさん。。この本

わたしのために探してくれたの?。。。な~んて*ウフッ

おもしろそうな本ですね。

わたしがビーチコーミングしている時、よく

何かとんでもないものを、みつけてしまうかも・・・

なんて思ったりします。ワクワクするんですよね。




でもトッペイさんが紹介して下さる絵本は、いつもどんなところで

みつけていらっしゃるんですか??
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宝探し (トッペイ)
2009-09-28 02:08:25
 楽しそうなビーチコーミングですね。珍しいもの、見つかると良いですね。
 絵本は、図書館や本屋さんで出会いを求めています。
 題名とか、テーマとか絵の表現の好みですね。第一印象も大事です。
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私も! (まちぅ)
2009-09-28 22:44:58
本屋さんで手にしました。
面白い視点ですよね。
絵本は、奥が深くて
つい子供をさしおいて、自分が
熟読してしまいます。
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大人にも (トッペイ)
2009-10-01 01:26:20
 絵本は、大人が観ても、得るところが多い世界ですね。
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