トッペイのみんなちがってみんないい

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絵本セミ『神さまのお告げ―アイヌの昔話より』

2009-06-20 20:34:19 | 多様性
セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より (日本傑作絵本シリーズ)
宇梶 静江
福音館書店

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 最近、日本が朝鮮を侵略した時に、日朝同祖説なるものが出現したことを知った。
国家主義者が、侵略行為を認めさせるためには、例の日本単一民族説も捨てることがありうるという事実を知って、ある意味驚かされた。

 本書は、日本の先住民族アイヌの昔話を、宇梶静江さんが再話して、古布絵(こふえ)というアイヌ刺繍の文様と縫物の手作業から生まれた独自の手法で描かれたものです。とても、素晴らしい作品でお話を一緒にアイヌの世界を表現しています。
 昔話は好きです。アイヌのこのお話も、6代を生きたおばあさんが、津波を予言するけれども、信じた村と信じなかった村の運命などは、色々な民族のお話にも共通するものかもしれません。本当は、歌で語られるお話を聴ければ、独特のリズムも感じられると思いますが、この絵本を声を出して読んでみても、少しはリズム感を楽しむことができると思います。おばあさんは、海の神の怒りをかって、六つ地獄におとされますが、セミ神さまになって再生します。ここでも、セミが六年間土の中にいるという「六」という数字が関係しています。
 自然と共生してきた豊かなアイヌ文化に是非、触れてみてください。

 宇梶静江さんのプロフィールについては、本書の最後の方に書かれています。「
『1993年北海道浦河郡生まれ。20代で上京、働きながら苦学。その後結婚、2時の母親となる。次々に頼って上京してくる同胞のめんどうをみながら、1972年、朝日新聞の投書欄に「ウタリ(同胞)よ、手をつなごう」と呼びかける。これが反響を呼び、関東圏のアイヌ復権運動の草分けとなる。同時にアイヌであることを伏せて暮らす同胞の反感も呼び、古脳の日々の始まりでもあった。』以前、朝日新聞の夕刊のアイヌについての連載でも取り上げられています。なお、俳優の宇梶剛士さんは、静江さんの息子さんです。


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