トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

回転寿司を食べるほほえましい家族の情景―絵本『まわるおすし』

2013-06-12 16:34:32 | 絵本・児童文学
まわるおすし
クリエーター情報なし
ブロンズ新社


 回転寿司がすっかり寿司の世界の覇者となった感がする昨今、子どもたちは「ぐるぐる寿司」とかこの本のタイトルのように「まわるおすし」などという言葉を使っている。家族で、回転寿司店に行く上での、マニュアルのようなこの絵本の「現実感」は素直に笑える。家計も関係しているこの現実感の中で、父親のサインを交えた指示のもと、色違いのお皿に立ち向かう姿からは、父親不在と呼ばれる社会の風潮の中で、父親への子どもたちの信頼感とともに、まるで西部開拓史のマッチョな父親像を感じさせながら、家族の団結心も描いている。この絵本、回転寿司愛好家族なら、家族みんなとよむと、身に覚えがあるような場面にでっくわして大笑いできるかもしれない。志賀直哉の「小僧の神様」からずいぶんと世の中の状況も変わってしまったものである。なお、この絵本も文章も絵も同じ作者によるもので、その絵ほタッチの強さとユーモアはこの本の魅力となっている。
「まわるおすし」に父親も交えた家族全員で行ったことのない読者の子どもも、きっと絵本のような家族の時間を過ごしたいと思うに違いないだろう。


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