トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

神話プラス科学

2008-05-28 00:53:04 | 科学
先日は、日本の国生み神話について書いてみましたが、あの話ではイザナギとイザナミの神様が日本を作ったことになっていますが、その前はどうなっていたかが問題になります。古事記では、その前にも神様が登場します。初めの神がアメのミナカヌシ、次がタカミムスビの神と続いて行きます。

 江戸時代の学者に、平田篤胤と佐藤信淵がいました。板倉聖宜先生が本の中で、この二人が考え出した宇宙開闢物語を紹介しています。この二人は、日本古来の神話をそのまま信じる一方で、その当時長崎から入って来たオランダの新しい科学知識を取り入れて、この二つを合体させようと試みたそうです。
 『天地鎔造化育論』は、佐藤信淵の著作ですが、その中で「天地開闢の説は、どこの国のものも皆デタラメデで、全く”痴人の夢”のようだ。我が国の伝説だけが実際の事実と良く合って、疑わしい所が少ない。そこで、これを受け継いで科学研究のもととすることにしたい」と述べています。こんな内容になったそうです。

 この世のはじめ、天と地が分離していなかった頃、一つのものが空虚な空間の中に雲のように浮いていた。そこにタカミムスビの神が現れ、アマノヌホコという玉飾りの付いた長い剣で、これを突き刺した。そしてこれをかき回して渦を作り、西から東へと回転させた。この運動の不思議な働きにより、渦の中の重くて濁っている成分が渦の外に飛び出して、宇宙のはるかかなたに飛び散って止まった。その重くて濁っている成分のうち、最初に最も遠くまで飛びだしたものが、たくさんの恒星や彗星となった。その次に土星、木星、火星、地球、金星、水星の順に惑星が出来た。そして重くて濁ったものが皆飛び散ってしまった後に残った、澄んで清らかなものが太陽となった。こうして重く濁っているものほど太陽から遠く離れて恒星となり、水星のように軽くて清らかなものほど、後で別れて太陽近くに残った。他の惑星は、それぞれの軽重清濁に従って、渦から分かれた時期が違う。だから、太陽からの距離も、その動く速さも違ってくるのだ。最後に太陽が出来上がった時、タカミムスビの神は、そのホコを、その回転の真ん中に突き刺して天の柱とした。これ以来、宇宙の全ての星は皆太陽を中心に西から東へと永久に回転することとなった。(地動説の考え方がとられている)。
 ここで、例のイザナギ、イザナミの命の登場となる。やはり、玉飾りの付いたホコで、浮雲のような船に乗って(UFO?)、まだ固まりきらない地球をかき回した。そして海の塩と、ホコの鉄分を基にして、大地を固まらせて陸地を造り出した。二人は大地が既に固まった時に、最後にそのホコを地中に突き刺し、これを地球の自転の軸とした。だから地球はこのホコを軸として西から東へちょうど24時間に1回転するようになった。その頃の地球は、オノゴロ島を一つの軸として自転していた。北極にあったことになる。鉄でできたホコはその後段々と地中に沈みこんで、長い年月のうちに、そのあとに小山が残るだけとなった。ところが、北極の地は人間によって住みにくい所なので、二人の神はある時、日本を気候温暖の地に移そうと考えた。そこで、北緯30度から40度あたりの所を目指して国土を引っ張って移動させた。これが”国引き”だ。地中深く突き刺したホコは鉄製だ。地球上の各地から掘り出される鉄鉱石はもともとはこのホコの精が分かれて出来たものだ。磁石はもともと鉄鉱石の一種だから、磁石や鉄を磁石でこすったものは、元のホコに従って同じ方向を向くのは当然である。磁石が何故南北の方向を指すのかの説明である。

 不思議だが、科学的視点も入った面白い話でした。


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2 コメント

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へぇ~(^-^) (くるみ)
2008-05-28 08:08:35
江戸時代から神話を科学研究してたんですね~知らなかったです(^o^;

そう考えれば、なるほどな~って思える不思議なお話ですね(*^∇^*)
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おもしろいですね。 (まろん)
2008-05-28 12:35:25
>重く濁っているものほど太陽から遠く離れて・・・
 
地球はちょうど真ん中? だから、善も悪も存在するので
しょうか?

鉄を磁石でこすって『方位版』にする実験、小学生の時、
やったことがあります。

不思議なような、何故か当然のような気がしました。
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