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コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] 星を追う子ども

2011-05-19 21:25:13 | 映画
星を追う子ども - goo 映画



(C)Makoto Shinkai/CMMMY


うーん。ジブリっぽいよね。GAINAXっぽいよね。

新海誠の映画を見るのは、たぶん始めてだと思うんだけど、一番、新海誠らしくないものを見ちゃったようだ。ネットに旧来の新海誠ファンからの批判が溢れていて、それらは見終わった後でもうなずける。ファンの裏切られた逆切れみたいなものじゃない。正当な批判だと思う。


SF的な見方で見れば、地球空洞説とアガルタ伝説を描いた、いきてかえりし物語。しかし、いろいろつじつまが合わないうえに説明不足なので、特にどうでもいい(笑)

タイトルの「星を追う」については、SFマガジンのインタビューでかっこいいことを言っているものの、それって映画の中で本当に表現できているのか。地下世界では星が見えない(でも夜明けがある)とか、アガルタでは星が見えるとか、いくつかモチーフにはなっているんだけれど、星というモチーフでテーマを描ききれているのかというと、かなり疑問。

いきてかえりし物語といえば、やはり主人公の成長がテーマになるわけだけれど、アスナの成長って見えたか? 大切な人の死を受け入れるって、それはシュンのことなのか? あの泣いたシーンがそうなのか?

正直なところ、物語の中でアスナが果たした役割がよくわからないのだ。モリサキ先生が死んだ妻を呼び戻すための依代として偶然そこにいただけか? アスナはアガルタの話を聞いたとき、シュンを呼び戻そうと考えたのか? その葛藤はあったのか?

結局のところ、モリサキの物語が強烈過ぎて、アスナの物語やシンの物語が断片化されてかき消されているのではないか。そうであるならば、モリサキを主人公にして、最初から語り直した方がいいような気がする。


映像は綺麗だったけど、それだけのアニメだった。