神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

「文字のないSF」、あるいは「言葉あれ」と神は言った

2010-05-07 23:49:55 | SF
文字、言語、言葉を抜きにSFは成り立つのかを考え続ける今日この頃。

で、今日一日、仕事の合間に、味覚、臭覚、触覚でSFを表現するのはできるのだろうかと考えていた。結局、面白いものは考え付かなかったので、どなたか、SF的な味、SF的な匂い、SF的な手触りの例を教えてください(笑)

そりゃ、「ハードSF風な味付け」とか、「ワイドスクリーンバロックの香り」とか、「フェミニズムSFの感触」とか、比喩的な意味ではいろいろ使われてはいるんだけど、それじゃぁ結局、SFの味ってどんな味なのよ、といわれてもわからないわけですよ。

バラエティ番組でマンガに出てくる料理を実際に作ってみようという「マンガ飯」というコーナーを見たことがあるが、有名な「SF飯」なんてのも、思い浮かばないしなぁ。

宇宙ツチノコをアルミラリア漬けにしたヘビトロロ(@絢爛舞踏祭)なんて、いったいどんな味なのか想像もつかないし、実際に味覚で味わえるとは思えん。

一方で、宇宙食パックなんてただの保存食だし、上野の科学博物館で売ってるNASAの乾燥プリンだって、味わいとしてはSFな味だとは到底思えない。

『地球はプレーンヨーグルト』みたく、味覚で会話するようなエイリアンがいたら、これがSFの味と教えてくれるんだろうか?

匂いを嗅いでSFだと思うものもあるのだろうかと考えてみても、そりゃ、ラベンダーの香りはタイムトラベルの香りだろうけどさ。それにしたって、『時をかける少女』のおかげだろう。

手触りもねぇ。恐竜の皮膚とか触ってみたいけど、「これが恐竜の皮膚だよ」と言われなければ絶対にわからない。これも最初に言葉ありき。

やっぱり、自分にとっては完全に言葉抜きのSFは無いってのが結論としてはあるんだよね。まず、「言葉あれ」と、神は言った。みたいな。


[SF] さよならのためだけに

2010-05-07 23:08:43 | SF
『さよならのためだけに』 我孫子武丸 (徳間書店)




『密閉都市のトリニティ』が性欲なき恋愛を描くのであれば、こちらのテーマは恋愛なき結婚、もしくは、恋愛なき繁殖。

世界的に加速する少子化への対策として、遺伝子マッチングを含めた相性診断による結婚相談システムが世界制覇した近未来。特A判定を受けたものの、どうにも気の合わない二人が巨大システムを相手に戦いを挑む。

システムの正体は予想どおりで、戦いの結末はも予定調和で終わるのだが、噛み合わない二人にイライラしながらも楽しく読める小説だった。

その中で、というか、常日頃から気になっていることがある。
「人は自分に足りないものを持っている相手を求める」
そうだっけ?

自分は低身長だが、別に高身長の女性を求めたことはない。逆に、同じような低身長の女性を求めている。一応頭脳労働者なのだが、別に肉体が屈強なアスリートを求めたりしたこともない。好きな女子プロレスラーだってキューティー鈴木や、“へなちょこ”さくらたんだったし(笑)

フェミニズム的に見れば、それは男性の社会的優位性を維持するために、自分よりも身長や能力に劣る相手を求めているのだということになるのかもしれないが、もっと動物的な嗜好だと個人的には思っている。証明しろと言われても、そりゃ困るけど。

確かに高身長の相手を望む低身長の女性とか、イケメンを望むブサイクとかの話は良く聞くが、実はあれも都市伝説の類で、本当にそんな女性はいないんじゃないだろうか。ベッキーなんか、低身長の男が好きと広言しているが、あれは男性恐怖症の一種か。

人は遺伝子で劣る部分を補完しようという相手を求めるという理論から見ても怪しい。遺伝子が相互補完するような相手を求めたところで、劣化部分同士がつぎはぎされた子供が生まれてくる確立も高いわけだし。馬鹿でノッポと天才でチビの子供が、天才でノッポである確率と、馬鹿でチビである確率は変わらない。

繁殖相手には、もうちょっと、自分に似た遺伝子を求めるんじゃないかな。恋愛的、類は友を呼ぶ仮説というか。基本的に同類なので安心できて、それでちょっとだけ違うところが魅力的、みたいな。

なんだか、ぜんぜん小説の感想じゃなくなっっちゃたよ。