『天冥の標2 救世群』 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)
全10巻を予定している小川一水のライフワーク、第2巻。
地球外の植民地らしき惑星を舞台とした『天冥の標1 メニー・メニー・シープ』とはうって変わって、現代地球を舞台にしたアウトブレイク小説。1巻の続きは6巻以降だったりして(笑)
映画『感染列島』があり、リアルパンデミックの新型インフルエンザがあり、日本のアウトブレイクに対するお粗末さが暴露された昨今、日本人全員が読んで備えておくべき小説といったら言い過ぎか。
この小説では、人々の知恵と勇気が致死率100%近い未知のウィルスの封じ込めに、ある程度成功する。現実はこんなに上手くはいかないだろう。恐怖と無知、無理解は罪となる場合があることを、人々はもっと知るべきだ。そして、自衛隊がどこまで何ができるのかを、あらかじめ議論しておくべきだ。これは軍靴の音がどうこうとか言っている問題ではない。
自分は、この手のアウトブレイク小説に弱いのか、映画『アウトブレイク』でも泣いたし、『感染列島』ですら国仲涼子の死に泣いた(笑)
この小説では、フェオの勇気、千茅のけなげさ、青葉の友情に泣かされっぱなしだった。
異星人の侵略よりも、核戦争よりも、未知のウィルスの感染は、すぐそこの身近にある危機に感じられるのだろう。
そして、その危機に対する人々の勇気に感動するのだ。そのようにありたいと願い、そのようにできなかったらと怯える。
『復活の地』にしても、『天涯の砦』にしても、ぎりぎりの危機に瀕した登場人物たちが、生死の究極の選択をするシーンは本当に心が痛む。非実在なんとやらが立法化したら、小川一水は大悪人だ(笑)
そこで選択をする勇気があるかどうか。それこそが、自分が怯え、感動するポイントなんじゃないだろうか、とか自己分析してみたり。
ラストで「ちょっおまっ!」って叫ばされた1巻の行方はわからないまま、さらに「えっ!なにこれ!」と叫ばされた今回。
まだまだシリーズとしての繋がりが、意味ありげな単語の一致のみにとどまる中、物語はいったいどこへ転がっていくのか。
3巻は今年の夏だそうだが、ここまで続きを読みたくなるシリーズは久しぶりだ。
全10巻を予定している小川一水のライフワーク、第2巻。
地球外の植民地らしき惑星を舞台とした『天冥の標1 メニー・メニー・シープ』とはうって変わって、現代地球を舞台にしたアウトブレイク小説。1巻の続きは6巻以降だったりして(笑)
映画『感染列島』があり、リアルパンデミックの新型インフルエンザがあり、日本のアウトブレイクに対するお粗末さが暴露された昨今、日本人全員が読んで備えておくべき小説といったら言い過ぎか。
この小説では、人々の知恵と勇気が致死率100%近い未知のウィルスの封じ込めに、ある程度成功する。現実はこんなに上手くはいかないだろう。恐怖と無知、無理解は罪となる場合があることを、人々はもっと知るべきだ。そして、自衛隊がどこまで何ができるのかを、あらかじめ議論しておくべきだ。これは軍靴の音がどうこうとか言っている問題ではない。
自分は、この手のアウトブレイク小説に弱いのか、映画『アウトブレイク』でも泣いたし、『感染列島』ですら国仲涼子の死に泣いた(笑)
この小説では、フェオの勇気、千茅のけなげさ、青葉の友情に泣かされっぱなしだった。
異星人の侵略よりも、核戦争よりも、未知のウィルスの感染は、すぐそこの身近にある危機に感じられるのだろう。
そして、その危機に対する人々の勇気に感動するのだ。そのようにありたいと願い、そのようにできなかったらと怯える。
『復活の地』にしても、『天涯の砦』にしても、ぎりぎりの危機に瀕した登場人物たちが、生死の究極の選択をするシーンは本当に心が痛む。非実在なんとやらが立法化したら、小川一水は大悪人だ(笑)
そこで選択をする勇気があるかどうか。それこそが、自分が怯え、感動するポイントなんじゃないだろうか、とか自己分析してみたり。
ラストで「ちょっおまっ!」って叫ばされた1巻の行方はわからないまま、さらに「えっ!なにこれ!」と叫ばされた今回。
まだまだシリーズとしての繋がりが、意味ありげな単語の一致のみにとどまる中、物語はいったいどこへ転がっていくのか。
3巻は今年の夏だそうだが、ここまで続きを読みたくなるシリーズは久しぶりだ。