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神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] SFマガジン2014年12月号

2014-12-15 23:15:13 | SF

『SFマガジン2014年12月号』

 

メイン記事はR・A・ラファティ生誕100年記念特集。

ラファティの未訳短編からインタビュー、エッセイ、さらには、浅倉久志の英文エッセイの逆翻訳と、いつも以上にバラエティに富み、質も量もすばらしい特集になっている。

惜しむらくは、俺がラファティのファンじゃないというところだ。

とにかく、ラファティの文章が良くわからない。おもしろいとか、おもしろくないとかいう前に、何が書いてあるのか理解できない。なので、新しい視点に慣れてないとか、そういう内容以前に、文章の問題なんじゃないかと思う。

今回掲載の3作品は、後に行くほどわかりやすいが、その反面、面白味も薄れているような気がする。いや、まぁ、俺なりの解釈ではあるのだけれど。

最初の「聖ポリアンダー祭前夜」は単語をランダムに並べただけかと思うくらいに、まったくわからないレベル。次の「その曲しか吹けない」は結末だけわかって、それによって何が書かれているのかがわかるレベル。最後の「カブリート」はそれなりにわかりやすいホラ話。

ラファティのインタビューに出てくる宗教観のあたりを読むと、キリスト教的な考え方が理解できないと、ラファティの小説は読めないような気もするが、それじゃ、これだけいるファティファンはキリスト教的考え方が染みついているのかというと、それも考えづらいんだけどな。


「聖ポリアンダー祭前夜」 R・A・ラファティ
何が何やらさっぱりわからない。文章が頭に入ってこないし、基礎知識も足りていない気がする。

「その曲しか吹けない――あるいは、えーと欠けてる要素っていったい全体何だったわけ?」 R・A・ラファティ
結末一文によって小説の全体像をひっくり返すタイプの面白さ。

「カブリート」 R・A・ラファティ
ただのホラ話に読めるのだが、解釈の余地があるくすぐりがあるのはわかる。

「About a Girl〈後篇〉」 吉上 亮
あいかわらず、読んでいるだけで、いろいろな意味で色相が濁りそう。社会がひとを助けるのではなく、ひとがひとを助けるのだという思想は諸刃の剣のような気もする。そもそも、社会がシステムと同一化されているというところが、SYCO-PASS的ディストピアの根源なのじゃないか。

 


[SF] 2312 ─太陽系動乱─

2014-11-06 23:01:13 | SF

『2312 ─太陽系動乱─ (上下)』 キム・スタンリー・ロビンスン (創元SF文庫)

 

本質は断片である。

メインとなるストーリーはあるものの、ミステリとしてはクズと言えるレベルであるし、ラブストーリーとしては陳腐すぎる。

しかし、西暦2312年という混沌とした太陽系社会における“何かの前夜”を、主人公のスワンを中心に切り取った断片としてみれば、非常に興味深いし、未来予測の示唆に富んでいる。

その時代の社会情勢や科学技術を説明するための「リスト」や「抜粋」と称する断章がいたるところに埋め込まれており、これが作品本体と言っても言い過ぎではない。どこかに、注釈が本体という作品があったかと思うが、まさにそんな感じ。

スワンが水星から冥王星まで太陽系を縦横無尽に駆け巡るのも、2312年の太陽系社会をまんべんなく紹介するための設定に思えてしまう。

水星の自転に合わせて軌道上を動く都市、テラフォーミングと中国化が進む金星、気象変動により荒廃した地球、さらには木星や土星の衛星、外惑星、そして、それらを結ぶ交通機関は、なんと、内部をくり抜かれ、スペースコロニーと宇宙船の機能を併せ持ち、なおかつ、失われた地球の生態系を再現したテラリウムだった。

このあたりはまさに2312年の太陽系観光案内でもあるわけだ。

そして、2312年の太陽系社会は激変のさなかにあり、ひとつの時代の始まりをまさに迎えようとしていた。

“ヨーロッパの火薬庫”と言われた時代のバルカン半島を示す“バルカン化”という単語が登場するように、この時代は更なる混乱の前夜であることが強く示唆されるが、これから起こることは明示どころか暗示もされない。

しかし、それと同時に多用される“アッチェレランド(次第に速く)”という言葉が指し示すように、あるいは、人工知能による反乱と追放というメインラインの物語が指し示すように、SFファンならばその先の世界を幻視できるのじゃないか。

 

ところで、両性具有関連をアーシュラって呼ぶのは、阿修羅じゃなってSFヲタネタだよね。

 


[SF] ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト

2014-11-06 22:53:52 | SF

『ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト』 上遠野浩平 (電撃文庫)

 

積読消化。古本じゃなくて、新刊で買ってるので、かなりの塩漬け。ちなみに、『ヴァルプルギスの後悔』も4冊まとめて積読中。

相変わらずな感じで何より、というのが感想。古い友人に会ったような。

テーマは、ひとが心の奥底に持っている願いなんてろくなもんじゃないかもねということでありながら、それを上回る感情としての恋心といったところか。

しかし、この街は人造人間やら改造人間やら世界の敵やら世界の敵の敵ばかりしか住んでないのかよ。さすが、セカイ系の元祖ではあるよな。

 


[SF] 星界の断章 3

2014-11-06 22:49:17 | SF

『星界の断章 3』 森岡浩之 (ハヤカワ文庫 JA)

 

いろいろ忙しかったのがひと段落したので、積読消化しようと取り出したのがこれ。

SFマガジン掲載で既読のエピソードも、はるか昔過ぎて記憶にないかと思ったが、割と覚えていた。

この短編集では、アーヴという種族を理解するための様々なエピソードが語られるが、単純なステレオタイプにとどまらず、架空の種族をここまで細かく作り込んだのかという驚きがある。

しかしながら、いかんせん、記憶力の減退とともに、その価値がよくわからなくなりつつあり……。

登場人物も本編の『星界の紋章』や『星界の戦旗』につながる人々なのだろうが、すでに誰が誰やら。

こういうのは、本編にドップリ嵌っていたころに読みたかったよ。というか、これから本編を読む若者がうらやましい。

とはいっても、『星界の戦旗』が終わっていない以上、いずれ、若者も我々と同じ目に合うのは必然なんじゃないか。

 

今回は短編個別の感想は省略。一番好みなのは「海嘯」かな。

 

 


[SF] 火星の人

2014-11-06 22:40:15 | SF

『火星の人』 アンディ・ウィアー (ハヤカワ文庫 SF)

 

「火星のロビンソン・クルーソー」として宣伝されていたけれど、自分が想像していたのとはちょっと違った。

というか、想像以上に凄かった。

というのも、ロビンソン・クルーソーというと、通りがかりの船に救出されるまで無人島で一人で生き抜いた(フライデイもいたけど)というお話だけれど、この『火星の人』では、火星に取り残された宇宙飛行士がいかにして火星で生き抜いたかだけではなく、火星からの脱出のために彼自身のとてつもない努力と、それだけにとどまらず、地球のスタッフや、彼を火星に置き去りにしてしまった着陸船スタッフをも巻き込んだ果敢なチャレンジが感動的に描かれている。

特に、著者が言及したと解説に記載されているように、火星の人である主人公を襲うトラブルはことごとく必然的なものであり、偶然に頼った天災でも、神のごとき著者が無理矢理に起こしたトラブルではないということは強調しておくべきだと思う。

それらは着陸船訓練のトラブルミッションとは違って、仕組まれたトラブルではない。仕組まれたトラブルなしに、これだけの物語が生み出されるというのは凄いことだ。それだけ、火星という環境が過酷なのだということなのだろう。

そして、さらに特筆すべきは、主人公がトラブルを解決するときの冷静な思考だ。彼の独白は日記のようなログエントリでしかないので、その時に本当はどう思ったかは、まったく異なるのかもしれない。しかし、最終的に解決策を考えだす科学的知見と態度は、まったくもって尊敬に値する。

正直言って、こんな自分が理系であることが恥ずかしくなるくらいだ。

酸素の量、水の量、電力、食糧、それらの必要量はどれほどか。そして、それを確保するためにはどうしたらいいのか。その解決策はどれも驚きだが、計算による裏付けがしっかり小説中に表現されている。

間に合わせの部品や創意工夫で作り出した間に合わせの仕掛けに対しては、必ず試験を行ってから慎重に使い始める。

物語の主人公は得てして危険に飛び込むことあるが、彼が飛び込む危険はわずか数パーセントだ。それでもなめちゃいけない。スパロボ大戦だって命中率5%でも落ちるときは落ちるものだ。

彼は繰り返す試験によって仕掛けを改良し、リスクを最小限に抑えていく、本当に、爪の垢でも煎じて飲ませたい。っていうか、飲みたいくらい。

真の理系小説というのはこういうものなんだろうなと感心した。そして、計算結果がエンターテイメントになるという事実に、新しい可能性を見た。

 


[SF] SFマガジン2014年11月号

2014-11-06 22:22:41 | SF

『SFマガジン2014年11月号』


「特集・30年目のサイバーパンク」は、タイトル通り、『ニューロマンサー』の刊行から30年目となった現在からサイバーパンクを見直す特集。

特集記事としての出来は高く、楽しんで読んだ(ジェームス怒々山とか、ぜんぜん覚えてないぞ!)けれど、逆にサイバーパンクとは何なのかがわからなくなってしまった。

たとえば、「パパの楽園」をサイバーパンクとはどうしても思えないわけですよ。ARやVRや仮想人格が出てくればなんでもサイバーパンクなのかというのが疑問。確かに、著者のウイリアムズはサイバーパンクの一派として有名なのだけれど。

現在のサイバーパンクとしてリストアップされた作品の多くにもサイバーパンクのイメージが無いな。神林の『機械たちの時間』も当時からサイバーパンクとは別の文脈で評価されていたような気が。

まぁ、よく言われる話ではあるが、サイバーパンクというサブジャンルはSF界にまさに“浸透と拡散”し、姿が見えなくなったというのが俺的感覚。さらに言えば、サイバーパンクとはウィリアム・ギブスンと黒丸尚であって、それ以上でもそれ以下でもないという感じか。


「パパの楽園」 ウォルター・ジョン・ウイリアムズ/酒井昭伸訳
ある程度予想通りの展開で進むのではあるが、最後の最後に胸糞悪い結末。親のエゴというのはいつの時代も、傍から見るとおぞましいものだ。

「水」 ラメズ・ナム/中原尚哉訳
これを現在の広告のデフォルメと見るべきか。いつも商業主義の行きつく先はディストピアでしかないのか。

「戦争3.01」 キース・ブルック/鳴庭真人訳
猿が木の枝で猿の頭をかち割った時から、戦争が何度バージョンアップしてきたのか知らないけれども、インターネットによって生み出された“なんとか2.0”の先の、とあるバージョン。ディストピア的に見えてしまうのは、どうしてそうなったのかがわからないために理不尽に思えるからなのかな。

「と、ある日のお弁当」 宮崎夏次系
最後のセリフが多層的な意味を持って解釈できるので、背筋がぞわぞわする。

「About a Girl〈前篇〉」 吉上亮
後篇読むまで評価は保留なのだけれど、なんだかえらいことになっているのできちんと収集がつくのか。またちょっとグロ入ってますが、人間の性質を突き詰めていくと、嗜虐性は外せないものなのか。

「トーマス老の回顧 怨讐星域〈最終話〉」 梶尾真治
怨讐星域が遂に完結。前回から30年後に飛ぶので肩すかしな感じはあるが、回想で語られるがゆえに、最後にどちらに転ぶのかがわからない。この結末は、良くも悪くもカジシン的だなと思った。

 


[SF] 孤児たちの軍隊2 ―月軌道上の決戦―

2014-09-27 21:08:13 | SF

『孤児たちの軍隊2 ―月軌道上の決戦―』 ロバート・ブートナー (ハヤカワ文庫 SF)

 

『孤児たちの軍隊 ―ガニメデへの飛翔―』の続編。ガニメデで多大な犠牲のもとに異星人を撃退した主人公の地球帰還後を描く。

ヒーロー扱いされたり、政治の広告塔に使われたりする中で、主人公のジェイソン・ワンダーは戦争をめぐる欺瞞に嫌気がさし、退役しようと試みるが、危惧していた異星人の逆襲に巻き込まれ、再び勝ち目のない戦いへと赴くこととなる。

このところ、読書スピードが落ちていたのだけれど、それを一気に復活させる語り口。これだけ軽い読みやすさなのに、お手軽なだけのヒーローSFではない。歩兵の現実というのは重たいテーマだ。

著者のあとがきによれば、冷戦時代の『宇宙の戦士』、ベトナム戦争時代の『終わりなき戦い』を経て、湾岸戦争や911に代表される対テロ戦争時代の戦争SFを描きたかったとのこと。その試みは充分成功しているといえるだろう。

戦争は大義名分を失い、戦場で兵士は国家や思想のためではなく、家族や仲間のために死んでいく。ゆえに、この物語の主人公は孤児たちであり、戦場で部隊という家族を得て、そして再びそれを失っていく。それがまさしく、原題である“Orphan's Destiny”なのである。

ところがなんと、この物語はさらに続くのであった。これじゃ、戦場における一兵士というには昇格しすぎだ。主人公は異星人の超空間航法を奪い取り、次巻では遂に敵の母星へと赴く。今度は将軍から師団長まで格上げになって。

wikipediaによると、5巻まで出ているようなのだが、これじゃ本当にヒーローものになっちゃうかもね。それでも面白いことに変わりはないのだけれどさ。

 


[SF] オマル2 ―征服者たち―

2014-09-23 10:06:23 | SF

『オマル2 ―征服者たち―』 ロラン・ジュヌフォール (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

『オマル ―導きの惑星―』に続き、物語世界に没入するまで時間がかかった。何が起こっているのか良くわからないのに、惹きが弱いので推進力がない感じ。

ただ、列車が走り出すあたりからは急加速。『夜来る』とか『逆転世界』とか、過去の名作SFへのオマージュも織り交ぜつつ、陽光溢れるラストシーンへ突き進む。

今回も複数の物語が絡む群像劇なのだけれど、3つの物語が微妙に交差しそうで交差しないところは、いまいち感が募る。

実は大使たちの物語が発端で、“闇のプレート”が作りだされたということであれば、“闇のプレート”を通じて3つの物語がつながるのだけれど、そんな描写になってたっけ?

1巻からそうなのだけれど、舞台設定や小道具が魅力的な割に、物語としては単調でいまいちなのだよな。3種族の対立を現代フランスの移民問題に絡めたテーマも今回は背景に追いやられて、愚かな戦争を必死で続ける人々の英雄的行為ぐらいしか読み取れない。

オマル世界はダイソン球だというのがわかってしまっているから、SF的な壮大さも二番煎じ。しかも、そこで発生する現象や、オマル世界の成り立ちについても、Whyの部分が説明されないままなので、いろいろ消化不良。

というわけなので、いまひとつ読みどころのわからないまま、シリーズはさらに続く。

これがフランスSFの最高峰と言われても、本当にそうなのかと疑問に思う。これじゃ欧米SFの輸入による模造品のようだ。ジュール・ベルヌを生んだ国としては、ちょっと情けないんじゃないか。

 


[SF] SFマガジン2014年10月号

2014-09-15 22:11:22 | SF

『SFマガジン2014年10月号』

 

特集は「いまこそ、PKD。」。

アイドルが表紙に登場してびっくらこいたが、この人が“SFアイドル”として有名な西田藍。ああ、この人か、池澤春菜の座を脅かす新人というのは(笑)

特集の内容は、twitterでも流れていた「PKD総選挙」の結果発表。いまいちわかりずらいが、「AKB総選挙」のパクリということだな。

特集記事の開票分析by牧眞司はこの企画の意図を汲んだものだったにも関わらず、あまりにもアレなので、ネット上でも賛否両論で場外乱闘気味だったのがおもしろかった。

西田藍の原稿もちゃんとPKD愛にあふれるエッセイになっていて、これはやっぱり池澤春菜の座が危ういか。

個人的にPKDはあんまり思い入れがなくって、総選挙の投票にも参加していないんだけれど、これだけ熱狂的に支持されている作家というのはすごいなと素直に思う。

しかし、『アンドロ羊』とか、『高い城の男』とかのメジャー物はやっぱり面白いと思うんだけれど、今回上位に入った『ユービック』とか、『パーマー・エルドリッチ』はいまいち理解しきれなくて苦手なのだよな。


「地図にない町」 フィリップ・K・ディック (大森望 訳)
現実崩壊の悪夢が現実を侵食する話というのが俺的PKDの印象なのだけれど、これはまさしくそんな感じ。

「ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン』向きの、すべての物語の終わりとなる物語」 フィリップ・K・ディック (大森望 訳)
これだけの短さで、これだけふくらみのある物語を作れるのはすごい。


「レストラン・ド・カンパーニュ」 吉上 亮
アニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフ小説、縢秀星篇。そういえば、自宅で料理しているシーンがあったけど、こういう設定だったのか。5歳で潜在犯罪者となり、隔離されて育った縢が、料理に出会うことによって人生で初めて生きる実感を掴んでいくあたりが、ヘレン・ケラーの「ウォーター!」並みに感動する。

△ 「ジュピター・サーカス」 谷 甲州
読み切りとして載っているんだけど、これってやっぱり読み切りなのか?

「サイレンの呪文」 オキシタケヒコ
武佐音研に押し込み強盗が入るという物騒な始まり方をするが、武佐音研の二人の高校時代の回想がメイン。いつもの音響工学ではなく、ペルソナ(ネット上、リアル、どちらであれ)がテーマ。他人と違うことにより虐げられてきた人格が、社会(たとえそれが親友との二人だけの小さな社会であっても)と折り合いをつけていく葛藤に胸が痛くなる。

 


[SF] 魔聖の迷宮

2014-09-15 21:39:16 | SF

『グイン・サーガ133 魔聖の迷宮』

 

グインサーガを書き継ぐプロジェクトが、遂に栗本薫が筆を擱いたヤガ篇へ。

栗本薫は覚書のメモしか残さなかったとのことで、どこまで栗本薫の思い描いたストーリーなのかはわからないが、懐かしい面々が急に飛び出して来たり、外伝と直接つながったりと、驚きの連続だった。

天狼プロダクション監修による細かいチェックも入っているようなので、忘れ去られた伏線がうまく再利用され、回収されることも期待できそう。

さらに、ちょっと笑ってしまったのが、グインが記憶喪失になった意味について、あとがきで五代ゆうがばらしてしまっていること。ああ、そういえばそうだね、ということですごく納得。

パロ篇はグインの世界をぶっ潰す勢いでの暴走にも見えたが、ヤガ篇の展開を見ると、それもこれも栗本薫の想定通り、というか、栗本薫に呼びかけていたノスフェラスからの声が、遂に五代ゆうへ語りかけ始めたのかもしれないね。