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神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ

2012-10-15 22:31:29 | 映画

 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語 - goo 映画

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語 - goo 映画

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

 

後編の公開初日に、前篇からハシゴで見に行ってきた。合計4時間。濃密な時間だった。

ストーリーはTV版と変更なし。演出も目立った変化はなく、新カット追加だけですかね。

自分は画像系(?)な人ではないので、そのあたりの変更とか、天使の羽根の演出とかは、2chなり、まとめサイトなりに譲りたい。

TVで見てから、ほとんど見直してないので、実質2回目の視聴になるわけなのだが、やっぱりほむらの表情、とりわけ、一瞬上を向いて涙をこらえるシーンが心に響く。真相を、結末を知っていると、このあたりは本当につらい。

そういった意味では、TV版そのままでも映画化というのは悪くないんじゃないかと思った。もともと二回見るのが前提というつくりでもないのだろうけれど、これは二回見る価値がある。いや、映画を劇場で二度見ろというつもりは全くないけれど。

作品のテーマや、メッセージについてはネット上でいろいろ議論は見られるけれども希望と絶望とか、他人のために願うとはどういうことかとか、意地の悪sすぎる運命(脚本家)とか……。

いろいろ考えることもあるけれど、そんなことはどうでもいいと思うくらい、少女たちの戦いが報われないことは哀しくて、なんとも言えない。

まどかが神のごとき存在となり、過去から未来のすべての魔女の存在を消し去っても少女たちの戦いは続き、宇宙のエントロピーは増大を続ける。

ひどい現実はちょっとだけましになった。たったそれだけの物語というところがまた悲しくて、俺は涙を流す。

 

なお、来場者プレゼントのフィルムはスポットライトに立つ上条くんでした。



[映画] トータル・リコール

2012-09-08 19:12:51 | 映画

トータル・リコール - goo 映画

 

まことに残念な出来だった。まぁ、映画の日に¥1000で見たので、あんまり文句を言うなという感じではあるけれど。

トータル・リコールに限らず、この手の物語の面白いところは、主人公が記憶を操作されてしまっているために、何が本当なのか主人公にも観客にもわからないというところだ。

そのためには、主人公はもっと迷わなければならない。あるいは、もっと記憶に裏切られなければならない。そうでなければ、全然面白みがない。

ところが、この映画では、一度よみがえった記憶に主人公は迷いもしないし、最後まで裏切られない。

なんでそんなに簡単に、一度失った記憶を信じられるのか、まったくわかりません。

ここはリコール社の夢の中だと説得しに来た友人も見るからに嘘くさいし、主人公がそれを信じる気配もない。それで何を楽しめというのか。

ラストのダメ押しのシーンだって、どうして「あなた、悪い夢を見てたのね」じゃないのだ? 記憶の改変というネタを全く生かし切れていない。

ブリテン帝国からコロニーが独立のシーンも、感動というより陳腐すぎ。前作の火星復活より、もなんじゃこりゃな感じだ。

そんなわけで、ただのアクション映画にしかなっていなかった。リメイク前の『トータル・リコール』とはまったく同じストーリーながら、面白いところをそっくり削ぎ落としてしまった感じ。

アクション好きの人にはこれで良いんだろうけどね。

 

 


[映画] ダークナイト ライジング

2012-08-26 09:39:30 | 映画

ダークナイト ライジング - goo 映画

(C)2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC

 

ネットでは「前作に比べて……」という酷評も見るのだけれど、それはヒース・レジャーのジョーカーに引っ張られすぎなんじゃないかと思う。『ダークナイト』は確かに傑出した作品ではあったけれど、それが『バットマン』すべてではない。

たしかに、ヒースが演じたジョーカーは映画史上、屈指の狂気と恐怖を与える存在だったけれども、ダークナイト・ライジングで描かれるのはジョーカーの復活ではなく、バットマンの復活であることは実際問題として変えられはしないのだ。

今回の敵役、べインは肉体的にも頭脳的にも強大でバットマンを追い詰めるのだが、その動機がいまひとつつかめない。いったい、こいつは何をしようとしているのか。

真の黒幕が明らかになったとき、『バットマン ビギンズ』の記憶と相まって、べインの行動がストンと腑に落ちる感じがいい。まったくもってベタだけど、それで動くことこそ人間の証。


『ビギンズ』から見直してもらえばわかるけれど、すべての話は最初からつながっている。たとえば、蝙蝠とともにブルース・ウェインのトラウマとなった、下から見上げる井戸の口がこのような形で登場するとは。そして、すべて伏線はブルースの人生の中に、最初から『ライジング』の結末を予見していたかのようにちりばめられている。

そして、みんな忘れていないか。『バットマン』はヒーロー物なんだっていうことを。

ヒーローとは何か。いったいどういう存在なのか。そして、バットマンは本当にヒーローだったのか。

彼は最初からヒーローたりえず、正義ではなく、復讐のために生きた男だった。『ダークナイト』においてすべての罪をかぶり、闇に葬られた存在だからダークナイトになったのではない。彼は最初から“ダークナイト”だった。その男がいかにして生き、いかにして最期を迎えたか。そういう形のヒーロー物であり、そういう映画だ。

そして、真のヒーローと言えばゴードン警部だろう。唯一、バットマンの無実を知っているがゆえに葛藤に苦しむ男。バットマンの復活を信じ続け、特殊訓練など受けた超人でもないのに、べインたちと渡り合う。デント法によって存在意義を失った警官隊を組織して規律の乱れを押さえ込み、数か月間にわたる幽閉の間、士気を保ち続けて逆襲の時を待ったりと、彼こそが影の立役者だ。

彼もまた、ブルースとの出会いの瞬間から、すべてのエピソードは『ライジング』の結末に至る伏線である。彼に感情移入して見てしまったせいで、バットマンサインを見上げた時には本当に涙が出そうになった。

さらに、ゴードン警部、執事のアルフレッド、フォックス社長といったオッサンたちの役どころがなかなか泣かせてくれる。ブルースの墓の前でアルフレッドが流す涙の重たさは計り知れない。


記憶が曖昧だったので、『ビギンズ』を見直してみたけれど、彼らが今後にどうなるかを知っていながら見ると、またいろいろ発見があって感慨深かった。『ライジング』があんまりおもしろくなかったという人は『ビギンズ』を見直してみるべきだと思うよ。

 


[映画] スノーホワイト

2012-07-14 17:31:06 | 映画

スノーホワイト - goo 映画

(C)2012 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

言わずと知れた『白雪姫』の映画化。

上映前にジュリア・ロバーツの『白雪姫と鏡の女王』の予告編が流れたのには笑った。

男子向けのアメコミ・リメイクブームに対抗して、女子向けは童話リメイクがブームなんだろうか。この前は『赤ずきん』の映画もあったし。

しかし、この白雪姫はかなりハード。童話的なほんわかした感じはなく、SFXでおどろおどろしさと、美しさの奇妙にまじりあう独特な世界が繰り広げられる。イメージは、ほんとは怖いグリム童話的な感じ。

 

継母の女王に閉じ込められていたスノーホワイトは女王の弟を傷つけて城を脱出。魔の黒い森へ逃げ込む。弟は森の案内人として飲んだくれのハンターを雇い、スノーホワイトを追う。

寝返ったハンターや7人の小人に助けられ、スノーホワイトはサンクチュアリへ。このサンクチュアリが、思いっきり『もののけ姫』のパロディで場内失笑。

そこへも迫る女王の追手。そして、毒りんご。

キスで目覚めたスノーホワイトはついに、女王と直接対峙し、城を取り戻すことを決心する。

 

女王役のシャーリーズ・セロンがなかなかの怪演。CGで若くなったり、年老いたり。彼女が悪の魔女になった経緯が走馬灯のようにフラッシュバックするあたりも謎に満ちていて魅力的だ。

思わせぶりなシーンをつなぎ合わせることで、観客に謎解きの魅力も与えつつ、答えは出さないなんて、まるでヱヴァンゲリヲンのようじゃないか(笑)

そして、スノーホワイトを目覚めさせたキスの相手が、幼馴染の王子ではなく、飲んだくれのハンターだったというのも一興。最期はスノーホワイトの戴冠式でハッピーエンドっぽく終わるけれど、この後、相当揉めそうだよね。この三角関係。

 

さらに、実は3部作といううわさが。もしかして、中途半端な三角関係の行方や、女王の過去が明らかに?

そして、3滴の血によって受け継がれる魔力によって、スノーホワイトが次の魔女に!(それなんて、まどマギ)

 


[映画] MIB3

2012-07-14 17:23:07 | 映画

メン・イン・ブラック3 - goo 映画

Photo by WILSON WEBB -(C)2011 Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

 

ああ面白かったという以上に、まったく何も付け加えることの無い映画。

3Dで見たのだけれど、相変わらず3Dで見なきゃいけない理由もなく、2Dで十分だと思ったけど。

最後のシーンで、二人にそんな過去が……という、悲しいけれどもちょっといい話で終わるところもいい。

しかし、1969年7月16日という日付を見ても、何も気づかなかった自分には絶望した。そうだよ、あの日じゃないか。

 

最近はメン・イン・ブラックの元ネタとなった都市伝説もすっかり聞かなくなってしまったが、地球はとっくに宇宙たちに乗っ取られてしまっているのかもね。ほら、隣の人がエイリアンってネタに、誰も驚かなくなってきたじゃない。

 


[映画] ダーク・シャドウ

2012-06-10 23:57:40 | 映画
『ダーク・シャドウ』 - goo 映画



(C)2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED


ティム・バートン監督、ジョニー・ディップ主演のホラーコメディ。

と思ったら、予想以上にラブストーリーな感じで、男一人で行くには場違いだったかも。実際、周りは女子グループとカップルばっかりだったよ。

とにかく、主人公のバーナバスを憎みながらも愛する魔女アンジェリークのひねくれた愛情と、それにこたえられないバーナバスの葛藤が悲しい。


しかしながら、1960年代のTVドラマをリメイクしたとあって、エピソードがかなり割愛されているためか、ストーリーはとっ散らかった感じでいまいち。ちゃんとストーリーを描き切るには、あと3倍くらいの時間が必要じゃないのか。

肝心のヴィクトリアの物語がばっさり切られていて、精神病院の回想は如何にも唐突で、さらには最後のシーンでどうして岬から身を投げようとしたのかもさっぱりわからない。

他にも、娘のキャロリンにもびっくりだ。

都会にあこがれる反抗期の田舎娘というウザイけれども、ある意味ちょっといじらしいキャラクターで、エロかわいくてちょっといいかと思ったのだけれど、そんな秘密を持っていたとは。そりゃ、グレるわ。

そんな感じで、200年の眠りから目覚めたバーナバスを迎える家族4人はすべていろいろな物語を持っているにもかかわらず、すべてアンジェリークに喰われて霞んでしまっているうえに、最初っから薄くしか描かれていない。これならば、バーナバスの家族の物語というよりは、アンジェリークとの愛の物語としてちゃんと語り直した方が良かったんじゃなかろうか。


もうひとつ触れなければならないのは、物語の舞台となる1972年という文化、風俗。狙ったのか、ドラマのリメイクとして必然なのか、60年代から70年代のファッションや音楽が前面に押し出されている。これが懐かしいような新鮮な感じでおもしろい。

きっと、70年代ファッションが一周回ってファッショナブルな感じに受け入れられている現状にうまくマッチしているのだろう。そういった意味では、これは音楽とファッションを楽しみつつ、ジョニー・ディップにキャーキャー言いながら観るのが正しい映画なのだね。


[映画] ロボット

2012-05-27 17:31:23 | 映画
ロボット - goo 映画


(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.


スーパーエキセントリックSF超大作マサラムービーとの触れ込みで日本上陸を果たしたインド映画。キワモノかと思いきや、これがものすごく面白かった。

マサラムービーの特徴である、脈絡なく突然始まるダンスシーンは大幅カットされているとはいうものの、思っていたよりもまともな映画でびっくり。というと失礼か。すみません。

冒頭の3Dはなかなかの力の入れようで、日本やアメリカの映画と大差ない。それどころか、それ以上かもしれない。しかし、冒頭の博士の研究室のシーンでは、香港映画みたいなわざとらしい演技や、見え見えのロープアクションに失笑。やっぱりそういう映画なのかと思っていたら……。

『ムトゥ 踊るマハラジャ』で日本でも有名なインドのスーパースター、ラジニも50過ぎのおっさんになってしまっていて、ロボット役にはちょっとどうか。なんて、そんなことはない。このロボット、石黒博士のジェミノイドじゃないか。見た目おっさんで、生みの親の博士のコピーだ。この映画のスタッフ、絶対にyoutubeとかでジェミノイドを見ているだろう。

で、このロボットのチティ、フレーム問題に苦しんだり、人間の感情を理解しようと悩んだりと、正統派なロボットSFのテーマをちゃんと取り入れている。

ロボット3原則がなんだ、あんなの邪魔なだけだ、的な言説はSFファンには賛否分かれるだろうが、そこにちゃんと言及していることだけで好感が持てる。

さらに、ロボットが感情を持つなんて、奇跡でもなければ起こるわけないよとばかりに、雷が落ちたことによって感情を持つにいたるのだ。いやー、この展開は、どう考えてもスタッフにロボットSFオタクがいるだろうと思わせる程度に、お約束にはまりすぎ。

そして、博士の恋人に愛情を向けるものの、やっぱりフレーム問題と共感の問題を解決できずにあえなく廃棄処分に。

後半は悪の科学者によって廃棄物処理場から回収され、復活した悪のロボットが悪の科学者を殺し、博士の恋人をさらい、傍若無人に動き出す。

そこから先は、どちらかというとSF映画のパロディ連発。『ターミネーター』に『スターウォーズ』に、もちろん、『アイ,ロボット』も。

カーアクションシーンでは、車体に空いた穴がどう見てもステッカーだったり怪しいシーンもあるのだけれど、完全にハリウッド張りのアクションシーンが続く。

そして圧巻なのが、ロボットたちが組体操のように組み合わさって巨大なロボットや蛇になって襲ってくるシーン。その発想はなかったわ(笑)

後発であるが故の発想の斜め上加減が、しっかりしたSFX技術に支えられて映像化されたという、このヘンテコで素晴らしい戦闘シーンは必見だ。

最後は悪魔チップを抜かれたチティが正気に戻り、犯した罪の大きさを認め、自分自身を解体していく。このシーンもなかなか泣ける。

マサラムービーということで、ダンスシーンやぶっ飛びのストーリーを楽しみに見に行ったのだけれど、驚くほどまじめなSF映画だった。スタッフにSF好きがいたんだろうな。日本ではSF映画と言えば、大作になればなるほど、まったくもって、噴飯物の映画が多いのに、インド映画はすごい。

大笑いしようと見に行ったのに、ほんと、すみませんでした!



[映画] ミッション:8ミニッツ

2012-05-04 23:16:26 | 映画
ミッション:8ミニッツ - goo 映画



(C)2011 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.



最近、映画を観まくっていたので、あんまりレンタルで見るもの無いなーと思ってたら、見忘れてたのを思い出してTSUTAYAの会員更新でレンタル。

しかし、始まってからすぐに失敗したと思った。なんだこの糞で無理矢理な設定。突っ込みどころ満載というか、突っ込みどころしかない。突っ込むのは野暮とかいうレベルじゃない。阿呆らし過ぎて見てられない。

犯人探しの件だって、爆発する列車から降りた奴が怪しいに決まってるだろうに、頭悪すぎる。

とか思って見ていたのだけれど……。



終わってみたら、なんだかいい話のファンタジーだった。

そう、あんたは世界を救ったし、すべてはうまくいくんだよ。



ただ、世界をいくら分岐させたって、列車を救えなかった世界がなくなるわけじゃないんだ。残念だったね。

本人も自己満足だと知っていたし、世界が終わらなかったのはボーナストラックだということを理解できているみたいだったけど。

だからこそ、脚本上もすべてわかった上でのご都合主義のファンタジーだったということなんだろうね。



あー、あと、アメリカ人は、そろそろ父と息子の和解がテーマに入っていない映画を作ってくれないかね。



[映画] タイタンの逆襲

2012-05-04 00:24:25 | 映画
タイタンの逆襲 - goo 映画



(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC



ギリシャ神話に名を借りた怪獣映画、『タイタンの戦い』の続編。ところが、今回は怪獣映画というにはヒト型の敵が多かったか。

最初に出てきたキメラぐらいですかね、狩りたくなったのは(笑)

後は、一つ目巨人のサイクロプスに、牛頭のミノタウロス。最後の戦いに出てくる二人羽織みたいなのはマカイという名前らしいけれど、何かと思ったらマケーかよ。戦いの女神の名前じゃないか。

そして、タイタン族クロノス。巨大な溶岩巨人で、明らかに火山の擬人化といった感じ。地下に封印されていたのが、ゼウスの力を奪って徐々に覚醒し大噴火というのも、いかにも火山っぽい。クロノスが遂に地上に登場するシーンはなかなかの迫力だった。

とりあえず、ド迫力の映像を大画面で見るにはうってつけの映画でありました。



ストーリーはといえば、ギリシア神話はほとんど無関係。ギリシャ神話を知っていると、キャラ設定にクスリとするぐらい。ヘパイストスがアンドロメダ女王に向かって、アフロディーテに似ているというシーンとか。あの神様、美人とみると誰にでもアフロディーテに似ていると言いそうだからな。

結局のところ、物語はどこかからの借り物風で、オリジナリティーに欠ける。なんというか、日本のゲームでよくある「お使いRPG」な感じ。クロノスを閉じ込めた迷宮は石造りの仕掛けが動くところなど、ちょっとインディージョーズ風。ただ、スケールはやたらと大きかったけれどもね。

祖父クロノス、父ゼウス、息子ペルセウス、孫ヘレイオスの代々続く親子関係のドラマもなんというか中途半端。孫は息子より可愛い的な部分があったりすると良かったのかもしれないけれど。アメリカ人的には、父親を越えるとか、父親と和解するとかのドラマが好きなんだよね。なので、無理やりくっつけてみましたっていう感じかな。

一方で、完全に敵役だった伯父のハデスは、実はペルセウスに嫉妬した兄アレスにそそのかされていたとか。さすが、ギリシャの神々は嫉妬深いからな(笑)

しかし、そのせいで、ハデスとゼウスのおじいさん二人組の最期の戦いが生まれ、なかなか感動的だったかも。そういった意味では、親子の映画というより、兄弟の確執と和解の物語の方が強かったか。ペルセウスはアレスと和解せずに殺しちゃったけどさ!

新キャラのアゲノールはポセイドンの息子。ここでも親子の何かがあるかと思ったが、ポセイドンは死んじゃってるので、特に何もなく。ヘタレ男が“ナビゲーター”として成長する様子は描かれていたけど、あんまり感情移入するようなキャラじゃなかったな。でも最後の戦場で先頭に立って戦ったのは恰好良かった。



実は個人的にこの映画でジーンと来たのは「人々が祈らなくなったので神々の力が衰えた」というところ。すっかりと荒れ果ててしまった神殿が物悲しい。そして、神々は力を失い、死んでいく。ハデスのクロノス復活計画は、いわばこの苦境に対する一発逆転の奇策だったわけだけれど、直前で弟を犠牲にすることを思いとどまり、後始末を付けに行くわけだよ。

この「神の死」を戦いのための設定ではなく、メインテーマにすればよかったのにと思う。

ギリシャの神殿は観光地として残ってはいるけれど、誰も神様になんて祈りやしないし。ギリシャの神々を奉じる宗教なんて、キリスト教が一掃してしまったからな。そういった意味では、神社やお稲荷さんが残って、未だに宗教的にも続いている日本は珍しい国なんだろうか。



[映画] バトルシップ

2012-04-22 23:44:17 | 映画
バトルシップ - goo 映画


(C) 2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.



なんとなく地雷っぽかったので躊躇していたのだけれど、『ジョン・カーター』が不完全燃焼っぽかったので、勢いで梯子。

いや、この映画は面白かった(笑)


劇場に入ったら、客層がDQNばっかりでどうしようかと思った。何あれ、リアーナのせい? 浅野忠信のせい? 上映中も友達としゃべってるし、スナック菓子ばりばり食いまくるし、ケータイをパカパカするし。あいつら、映画館から追放しろ。

しかし、映画自体はそんなことを忘れさせる程のいい出来だったよ。


いや、映画も最初は駄作だと思った。宇宙空間にシグナル投げて、何日後に来たんだお前ら。どこの超空間通信だとか、いろいろおかしい。

しかし、最後の駆逐艦1隻になって絶望的な戦いを挑もうとする兵士たちが泣かせる。あの手この手の大逆襲。しかし、成功一歩手前で撃沈する駆逐艦。だが待て、我々には、まだあれがあった!

海上とは離れた山の中の物語もなかなか。両足を失って気力も失くした古参兵、戦い嫌いの技術者、そして提督の娘の3人組の活躍にも大注目だ。


なんというか、男の子のための映画。すべてがありがち、お約束なんだけれど、いわば戦争ごっこの集大成みたいな感じ。

原作としてクレジットされているのは古典的なゲーム「BATTLESHIP」。今でもFlashゲームでネットに転がっているし、テレビゲームが出てくる前にはアナログ版もあった。実はとっても欲しかった記憶が(笑)

このゲームもシステムは重要なシーンで使われているのだけれど、こういうゲーム感覚で生命を懸けた勝負をやってしまうのも戦争ごっこ風。

そして、本当のBATTLESHIPが出陣するシーンの老兵たちが泣かせる。戦争ごっこをやっていた若造たちに本当の戦争を教えてやるといった趣。あのシーンは痺れたね。


SFファンとしては、どうしても科学的におかしいところが粗に見えてしまうのでアレなんだけれど。たとえば、宇宙からの飛来物が周期表に載っていない物質って何よ。どんだけ重たい元素だそれ。そこは同位体の割合が地球のものとはまったく違うとかなんとか、どうにでももっともらしく言えるだろうに。

こういう些細ないい加減さがそこら中にあっては嘘臭さが倍増してしまう。どうせ最初から嘘臭いからどうでもいと思っているんだろう、お前ら。ちゃんとした科学考証担当をつけるだけで随分変わったろうにと思うんだけど。

しかし、そういう粗を差し引いても、笑って泣いて、ハラハラドキドキの楽しい映画だった。


あ、エンドロール終わる前に出て行ったDQNたち、お前らいいシーンを見逃してるぜ(笑)