今週はJリーグ開幕20周年ということで、関連記事がメディア等を賑わしていました。
開幕戦は1993年の5月15日。
Jリーグの前の日本サッカーリーグ(JSL)時代に強豪だったヴェルディ川崎(当時読売)と、横浜マリノス(当時日産)の対決で、三浦知選手(FW)やラモス選手(OMF)、柱谷選手(CB)や武田選手(FW)、北澤選手(OMF)、都並選手(LSB)等のヴェルディ勢、井原選手(CB)や松永選手(GK)といった両チームの主力選手が、当時の日本代表レギュラーの中心となっていました。
日本サッカーリーグ(JSL)は前年の1992年3月に廃止となり、同年5月に参加10チーム名とユニフォームが発表されメディアを賑わし、実質的には準備期間である1992年からJリーグの歴史は始まっています。
当時日本国内ではバブルが弾け、世界のサッカーとしてはイングランドの1部リーグ(トップディヴィジョン)が低迷期で、プレミアリーグとして再スタートを切り(当時のプレミアのレベルは欧州の中ではかなり酷かったです)、欧州サッカーの頂点はオランダトリオ(ファンバステン、フリット、ライカールト)やバレージ等のスター選手が所属し、ファビオ・カペッロ監督率いるACミラン、Rバッジョやペルッツイ等が所属するユヴェントス等のセリアA勢。
(91年までナポリ所属だったマラドーナがコカイン使用容疑で逮捕され、イタリアサッカー界から15ヶ月出場停止を食らって浪人状態でもありました。苦笑)。
前年チャンピオンズリーグ(当時ヨーロピアン・カップ)で初優勝したヨハン・クライフ監督率いるFCバルセロナが、1992年12月にサンパウロFCと共に、国立競技上で開催されたトヨタカップで来日もしました。
(当時のバルサのメンバーはMラウドルップやRクーマン、前バルサ監督のグラディオラもカンテラ上りの期待の若手としてボランチのレギュラーを獲得していました。またサンパウロは当時ブラジル代表のライーがスター選手で、鹿島監督のトニーニョ・セレーゾが37歳でボランチとしてプレイしていました)
あれから20年。
開幕時10チームだったJリーグは、今やJ1/J2の2部制(来年からJ3が追加)となり40チームまで増え、開幕当時のスター選手である三浦知選手はキング・カズとして46歳で現役を続け、当時「ワールドカップ初出場」がJリーグ発足の大きな目標の1つだった日本代表は、ワールドカップ出場常連国となり、欧州のビッククラブや中堅チームで日本人選手がプレイするのが当たり前の時代になりました。
また今週行われた記念式典では初代チェアマンの川淵三郎氏が、Jリーグは世界トップ10入りを目指すという談話を発表しました。
2013年1月時点でJリーグは27位。韓国のKリーグが15位。(※下の参考情報を参照)
これはJリーグ勢のACL等での結果が思わしくない事が理由です。
Jリーグ100年構想の5分の1が過ぎ、ここまでは予想を大幅に上回る成果をあげているJリーグ。
世界トップ10入りするためには、外国人枠見直しや、入場者数増加の為の仕組み作り、上位チームがスター選手に高額年棒を払っても黒字化できるような収支構造の改革等、大きな変革が必要だと思います。
トップレベルの選手が皆欧州の上位リーグに行ってしまうのは何もJリーグに限った話ではなく、南米や欧州の中堅国でも同じで、最近好景気で高い給与が払えるようになってきたブラジルは別としても、南米各国から期待の若手を獲得し育てているアルゼンチン・リーグ(プリメーラ・ディビシオン)等は1つのモデルケースになりうると思います。
(アルゼンチン・リーグは自分も首都ブエノス・アイレスで2000年にスタジアムで試合観戦しましたが、かなり盛り上がっていました)
しかし日本代表の人気や、日本人選手のレベルはあがっているのに、「Jリーグはつまらないから欧州サッカーをみる」という言葉に違和感が無くなって久しい状況でもあります。
(自分も最近はJリーグの試合観戦に足を運んでいません)
この状況は代表強化や、日本サッカー界の未来にとって、決して望ましいものではないはずです。
そういう意味で、この後の10年は、Jリーグにとってさらなる進化への、大きなチャレンジになるのでしょう。
「最近Jリーグってすごく面白いよね。今度試合一緒にみにいかない?」という言葉を、多くの人達が自然に言える時代が1日も早く来ることを、強く強く願っています。
※参考情報(2013年1月発表):
The strongest National League in the World 2012 (IFFHS)
1位 スペイン 1283ポイント
2位 ブラジル 1057ポイント
3位 ドイツ 1037ポイント
4位 イタリア 1034ポイント
5位 イングランド 1007ポイント
6位 アルゼンチン 919ポイント
7位 フランス 880ポイント
8位 オランダ 738ポイント
9位 パラグアイ 712.5ポイント
10位 チリ 711.5ポイント
11位 ウクライナ 701ポイント
12位 ベルギー 694ポイント
13位 エクアドル 688ポイント
14位 ルーマニア 657ポイント
15位 韓国 653ポイント
15位 トルコ 653ポイント
17位 ギリシャ 645ポイント
18位 ポルトガル 633.5ポイント
19位 ロシア 626ポイント
20位 メキシコ 614.5ポイント
21位 コロンビア 589ポイント
21位 チェコ 589ポイント
23位 スイス 560ポイント
24位 スコットランド 523ポイント
25位 ウルグアイ 493ポイント
26位 デンマーク 487.5ポイント
27位 日本 481.5ポイント
28位 サウジアラビア 475.5ポイント
29位 キプロス 470ポイント
30位 ノルウェー 456ポイント