あけましておめでとうございます。
新年早々ですが、この1月より仕事の関係で日本へ本帰国することになりました。
1月のお正月明けから東京都内での生活がスタートします。
約6年間のドイツ生活を振り返ってみると、長いようであっという間だった気もします。
現在の日本経済をとりまく情勢の中では、日本人はこの先さらに世界へとその活躍の場を広げざるをえない状況にあり、また自分もいつか海外で生活する日が来るかもしれませんが、まずは日本に戻って、日本で自分ができることを1つずつやっていきたいと思っています。
2012年のこのブログですが、まだ欧州生活での旅の写真等が残っており、少しずつアップロードしていこうと思っていますが、実は海外で仕事しながらでは書くことができなかった、海外生活の中で自分が感じていたこと、これから世界へと日本人がより出ていく状況の中で、新たな仕組みづくりが必要と思われることが沢山ありました。
世界に出て戦うには"自分達の強み"という武器が必須ですが、日本の強みは間違いなく"製品やサービスのクオリティ"であり、そして弱みは、うまくいって当たり前、失敗すればマイナスという減点方式からくる、民間でも役人気質が増えているのではないかとさえ感じる"事なかれ主義"と、石橋を叩きすぎる"圧倒的なスピード感のなさ"、そして視野の狭さからくる"島国気質"です。
また日本では大企業の会社でも、海外では名前が知られておらず人・モノ・金すべてがたりないベンチャー企業と同じ状況下で、"最前線で篭城して孤軍奮闘"している日本人が沢山います。
高いクオリティを維持する為に、個が身を削らなくてはいけない局面は多々でてきますが、個のふんばりだけでそれを維持し続けることは容易ではなく、やはりそれを継続し続ける為の「新しい仕組みづくり」が必須なのだと強く感じることがよくありました。
そして今や世界で日本が戦う上で、大きなライバルとなっているのが韓国です。
関税の仕組みの問題もあって、欧州では韓国製品と日本製品の間では2割以上のコスト差があり、スピード感・決定感でも日本は大きく遅れをとっています。
2ヶ月前にエジプトでタクシーの運転手と話をしていた際も、以前は安くてすぐ壊れる中国製品と、高いけれども殆ど壊れない日本製品との間で我々は日本製を選んできたが、もちろん日本製品はすごく良いけれども、最近はそこそこの品質でそこそこの値段の韓国製品が入ってきて、金持ちは日本製を選ぶが、多くの人々は皆韓国製品で充分だと感じているという言葉を投げかけられました。(実際にエジプトではヒュンダイ製のタクシーが増えています)
それを象徴するように、国内メーカー同士で削りあって疲弊し、政府からの支援も殆ど無い日本製品が、サムソンやヒュンダイ等国内での競争が少なく官民一体で攻勢をかける韓国製品にことごとく市場競争で負け続け、ソニーや松下電器といった一流の日系企業さえ事業撤退の危機に直面している現実があります。
他にも現地企業担当者の話で、韓国・中国・インドといった国々の担当者が、海外の地方都市でも現地に根を張って商売をし、やってきた担当者と話せば即ビジネスが成立するのに対して、日本の担当者は出張ベースでやってきて名刺交換するだけで、大きなビジネスの話をすると、稟議や役員決済が必要な為、すぐ話が持ち帰りになるとこぼされたこともあります。
日本で国際化を語る際には、「言葉の問題」ばかりがクローズアップされますが、本質的な問題はそこではなく、「いかに異なる文化・習慣に溶け込んで、どんな場面でも日本の強みを発揮し続け、結果につなげられるか」だと思います。
これから日本が世界で戦い、より大きな成果を収める為には、「新しい仕組み」が必要になっています。
そしてそれは現地ではなく、日本でその仕組みを再構築して現地に持ち込むことが必要です。
しかし海外で日本側と一緒に仕事していると、現地と日本側では大きくその温度感の差を感じることが多々あり、日本側は「日本の感覚」でモノを言われるものの、現地の状況・文化を無視しては物事が進まないという現実があります。
実体験から言えば、海外に出て日本人が真っ先に捨てなくてはいけない言葉、でもなかなか捨てられない言葉が「日本だったら~」です。
日本では当たり前に思える些細なことが、一歩この島国を飛び出すと、それがものすごくスペシャルな事だと気付かされます。
そういう意味で海外に出てその現状を知る、自分達のような"現場の日本人"が、その新しい仕組みづくりの為に、現地で感じたことを声を大にして、"現場の生の声"を伝える必要があるのだと感じています。
2012年は現地で感じていた"現場の生の声"をベースに、フィクション形式(生々し過ぎると多方面にご迷惑をかけますので。苦笑)で、世界と日本をつなぐインターネットを生かし、"アラブの春"にも使われたグローバル・デファクト・スタンダードになりつつある"Facebook"と連動する形で、1つの読み物をこのブログで連載したいと考えています。
今年もよろしくお願い致します。
※写真:東海道新幹線の車窓からみた富士山