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Jリーグの話題210

2022-04-24 00:24:24 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 先日の村井前チェアマン退任の記事に続いて、野々村新チェアマン就任のリスペクト記事ですが、FOOT×BRAINに続いてやべスタでも出演され、概ね就任に絡むメディア出演は落ち着いたのかなと思います。では、という事でまずはFOOT×BRAINとやべスタを中心にリスペクトしていこうと思いましたが、FOOT×BRAINで情報が満載だったため、FOOT×BRAINだけで「尺」が埋まった印象です。2日続けての野々村新チェアマン特集という事で、まずは前編です。明日、残りをお届けします。
   
【FOOT×BRAIN「初の元Jリーガ-チェアマン!野々村芳和が目指す未来】
 2022年3月15日、村井満(前チェアマン)からバトンタッチ。
〔経歴〕
・1995年 慶應義塾大学からジェフユナイテッド市原に入団
・2000年 コンサドーレ札幌に移籍
・2001年 29歳で現役引退
・2013年 ㈱コンサドーレ 代表取締役に就任
   
〔フットボールを基軸に〕
 J1札幌の売上は10.7億円(2013年)から36億円(2019年)に、6年で3倍にまで押し上げた。その戦略の一つが「アジア戦略」。Jクラブの中でいち早くアジア戦略を掲げている。
野々村チェアマン(野)サッカーが一番重要だが、ビジネスも重要という考え方がJリーグにあった。お金が無いと伸びないという事も実としてあるが、2ステージ制(騒動)の時は、サッカーの部分を少し我慢してもらって、ビジネスの部分をという事があった。その中で、俺たちやはりサッカーが一番大切だよなという考えがあった上でビジネスに行けばいいが、そうならなくなる可能性が、このまま続けて行くとあると思ったりもする。一回「フットボールが一番原則として大事だよね」という事をみんなで認識しなければいけない時期かな、ざっくりした「フットボールを基軸に」というポリシーの一つ。
   
〔①サッカーを作品に〕 
ビジネスでJリーグを飛躍させた前チェアマンを継承しつつも、フットボールに基軸を置く。そんな新チェアマンが掲げる改革のキーワードが「サッカーを作品に」。サッカーの魅力は、ピッチのレベルとスタジアムのスペックとか、週末はあそこに行きたいと思わせるような場所と、サポーターの声。それが一つでサッカーという作品と思っている。素晴らしいマーケティングができても、サッカーという作品がしょぼかったら対して売れないと思う。
 Jリーグが高みを目指したいのであれば、本来の作品をもっといいものにしようよ、みんなで。という事をもう一回やらなければいけない時期じゃないかと思う。サポーターと一緒になって熱狂的な空気を作る事で新しいファンが増えて、それを見たいファンが増えてビジネスも上手くいくという循環ももう1回見直さないといけない。

〔元日本代表4人の理事〕
 ともに魅力的な作品を作り上げるべく、新たに(Jリーグ)理事に就任したのが元日本代表の4人で、レジェンド級のOBが名前を連ねる。J1・C大阪社長の森島理事、宮本恒靖理事、中村憲剛特任理事、内田篤人特任理事。
(この4人は)フットボール面からの自分の絶対的意見を持っていると思う。ビジネス的にこれが大事だという人も執行部には多くいる。しっかり意見を同じくらいの量で対立させる事ができれば、いい結論を出せると思っている。
 内田理事はJリーグで育って世界を上り詰めた人だし、中村理事はJ1川崎をあのサイズのクラブで、あれだけ地域と密着させたクラブになった事を体感している人。Jリーグって何が大事って事を、サッカー面でもある種ビジネス面でも、地域貢献面でも感じている事を、様々思っている人がいっぱいいる。それを生かしていきたい。森島理事はキャラで来てもらっている。
   
〔トップ自ら広告塔〕
 もちろん、理事に任せっきりにする気はなく、札幌時代は社長という立場ながら自ら広告塔となり、TVやラジオに出演。いくつものイベントを立ち上げ、率先してチームの魅力を伝えてきた。
(自ら広告塔になるというスタンスは)チェアマンになっても変わらないと思う。なるべくそこはサポーターには話をしたいと思っている。サポーターは一緒にサッカーを大きくし、盛り上げ、価値を高めるための仲間なので、こうやって一緒にやっていこうよという目標を共有できなかったら、上手くいかないと思う。一緒にファンを増やしていくために、いい作品を作ってくださいよと言いたい。自分はどんどん(情報)発信していきたいが、Jリーグの広報からいろいろ制限をかけられそうなので、数カ月かけて何とかしたいと思っている。

〔プレーヤーファースト〕
 サッカーを魅力ある作品にするためには、ピッチでの主役である選手の声も忘れてはならない。
選手ファースト、フットボールファーストという観点からすると、夏季に試合をたくさんやらなくてもいいようなスケジューリングが絶対に必要になってくると思う。夏の試合と1月の天皇杯決勝とどっちがいいと選手に聞くと、ほぼ100%、1月1日(天皇杯)と言う。真夏の試合の強度は落ちるし、サッカーといういい作品という観点からすると、(夏は)質が落ちる。じゃあどうするといろいろな方向から考えていかなければならない問題だと思う。秋春制というよりは、試合をどこでやるのが日本にとって一番ベストなのかという事を考えなければいけないのと、12月から2月にサッカーができないとか、サッカーが観れない地域が100年後、200年後もそれでいいのかという(考え方)があると思う。

 選手ファーストの観点からすると、真夏の炎天下での試合は極力避けたい。だが、北海道や東北等の雪国のチームは違う。J2仙台の監督経験がある都並氏はこう語る。
都:(準備期間で)真冬にサッカーをやる事は本当に大変な事。大きなグラウンドで(練習が)できないので、体育館でずっとやるし、お金が無いと外も行けない。そういう狭いスペースでやっていると、けが人が出やすい。
それが本当に全部クリアできないのかどうか。例えば札幌ドームのような施設があれば試合はできる。同じようにそういうものを作る資金を捻出できるのか、降雪時期でもできる練習環境を造れるのか。お客さんは寒くて大変。大雪が降ったらお客さんは行けないという事は札幌時代に体感しているが、温かい環境で観戦できるスタジアムになればいいんじゃないと思う。将来的にそうなった方がいいという思いがある。

〔サポーターの応援〕
 選手が気持ちよくプレーし、サポーターは気持ちよく応援できる。それを実現するためには気候の問題だけでなく、コロナ対策も重要となる。3月22日に感染ガイドラインが変更された。全国的にまん延防止処置が解除され、観客数の制限は無くなったが、未だに声を出しての応援は認められていない。
サッカーの作品というものをどれだけ魅力的なものにする中で最も大事な事だと思っている。多くのサポーターが今一番望んでいるのは、どうやって声を出して応援する環境になるのかだと思っている。もし自分だったら、30%のお客さんでマスクをして間隔を空けて声を出して応援する。黙って4万人が観るより1万人が熱狂している方が良いと思う。次のステップに進みたいというのはある。Jリーグに関わる事は幸せな事をわかってもらった人はすごく増えたと思うが、もっと増やす事はできると思う。

〔②サッカー脳で考えるビジネス:アジア戦略〕
 J1札幌の売上を3倍に押し上げた功績の裏には、元日本代表の小野、稲本選手の獲得、積極的な新規スポンサーの開拓があった。その経験をチェアマンとして、フットボールを基軸に置くビジネスとしてどう生かすのか。その2つ目の改革キーワードがアジア戦略。かつて札幌時代に進めていたアジア戦略では、主に東南アジアの代表クラスの選手に目を付け、チャナティップ選手を獲得すると、タイ国内でも大きな話題を生んだ。札幌の試合会場にタイからの観光客が増加。クラブだけでなく、街も潤った。タイでは試合中継が流れて、日本製品の売上が増えるなど相乗効果が生まれた。
意欲とかスピードはもう少し上げた方がいいと思う。世界を意識しないというのはサッカーではありえないと思うので、まずはアジアでの影響力をどのくらい持てるか、10年後20年後に外を目指していなかったら、たぶん相当遅れると思う。(札幌では)練習場には100人くらいのタイ人が毎日いるような環境になり、お金を使ってくれる事から、クラブだけでなく地域の人達にとって良かった。そんな事が全国各地で起こって欲しい。そのためにリーグでサポートしたい。

 このチャナティップ効果からJリーグでは、Jリーグと提携する8か国(東南アジア等)の選手は外国籍選手としてカウントされない規則を作った。すると、その後もアジアの人気選手がJクラブに加入。そうなると重要になってくるのが実力を見極めるカウティング能力。
目利きの部分で、強化部長やGMがどのくらい育っていくかが日本サッカーにとってすごく重要。クラブの時はこれはという時は他クラブより多く払おうと思っていた。そんな世界になっていかないと、そのポジションの人も競争にならないから育たないのではないかと思っている。お金の話ばかりしているなあいつって、札幌でやっていた最初の頃ずっと言われていた。(Jクラブの上場解禁は)ハードルは高いが、クラブを成長させようと思った時に、取れる方法の一つだと思う。上場という選択肢が持てるようになった事は良かったと思う。
   
〔③社会連携で強くなる〕
地域の協力をどれだけ大きくできるかが、クラブが強くなれる一番のポイントだと思う。今までも社会連携という事に対して、勝つためにどうつながっていくのかという事まで考えられていなかったかもしれない。地域の人のためにこんな活動をすると、こんなに人が集まってくれるんだ、その人達が作ってくれる空気でホームゲーム勝てるんだという事を、札幌で思っていた。

 地域貢献度10年連続1位のJ1川崎は、'20年'21年にJ1連覇している。様々な企画を通して地域社会との連携を深めて、サポーターも増加。街のシンボルとして愛され、Jリーグ最強とも言える強さを手に入れた。J2長崎から就任した髙田理事も「サッカーというものが色々な人達の生きがいになったり、家族の仲を取り持ったり、新しい仲間が増えたり、その仲間と一緒に色んな社会課題を解決していく事は、Jリーグは世の中に貢献していくという事につながっていくと思う」とコメント。
札幌時代、元選手でサポーターの存在感で彼らに勝たせてもらったなという思いがあるので、どんな空気を作りたいか、ずっとそんな事をやっていた。(J2の時に)資金が無かったので、この金額(J2上位とは強化費で10億円くらいの差)だったら勝つのは難しい、自分がここまで売上を持ってこれれば勝てると思って頑張る。10億円の差はホームゲームで作るサポーターの雰囲気で生まれるから、何とかして欲しいというやり取りを繰り返してきた。弱いかもしれないが、このクラブを応援したいという何かがあれば来てくれる。空気ができる。ちょっと強くなる。スポンサーが増えるとかいい選手が来るという循環が生まれる。強くなるために社会連携があるんだと思っている。
    
 社会連携が上手く循環すると、生まれてくるのが地元で愛されるスター選手達。そのプレーを一目見ようとスタジアムに訪れるサポーターもおのずと増える。
各クラブの58地域でそのクラブがシンボルになるような、カテゴリに関係無くその地域のヒーローみたいな、地域での露出をリーグでサポートできたらいいのかなと思っている。おらが町のあいつはすげぇんだみたいな感じでやっていくのがいい気がする。例えば500人しかコアサポがいなくても、1,000人になる。全国で倍にしていけば、それなりのものになる。そうなってくるとJリーグは本物になる感じ。
『サッカーを愛する皆様へ』
「自分でできる事は限られているので、どれだけ多くの人を仲間になってもらうかが大事だとずっと思っている。みんなでいいサッカー界を作っていけるようにぜひ協力してください。お願いします。」

 という事で、結構お腹いっぱいになりました。他のメディア取材でも同じように出てくるキーワードが「作品」。サポーターほか関わる人みんなで作品として仕上げていくという考え方。これは当ブログで時々出てくる「わしらだけでやればええんじゃ」という価値観に相反する素晴らしいもの。今回の新チェアマンの価値観をしっかりリスペクトさせていただきましたが、プレーシーズン(いわゆる秋春制)以外は概ね当ブログと同じ価値観だと思っています。秋春制も経営・運営によるものではなく、選手目線からの考え方で「なるほどなぁ」と再考させられました。
 あと、思ったのがもうJリーグでは「社会貢献」という言葉を使用せず、「社会連携」という言葉を常用している事。貢献するのではなく、連携するという素晴らしい姿勢です。まだ、連携ではなく「やっていただく」という価値観にこだわっているところもあるのかもしれませんが、自ら連携し、実践していくところが、いい「作品」を作り、チームが強くなり、100年残るのかなと。開幕前に完璧に補強できたつもりなのに、成績が低迷してもがいているところがあれば、その辺りも遠因なのではないでしょうか。偏った「作品」から抜け出せていないのかもしれませんね。当ブログの昔からの持論。J1からJ3までみんな、フロンターレみたいなクラブになれば素晴らしいJリーグになると。明日の後編に続く。
野々村チェアマン関連⑩:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220203
 〃        ⑨:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211208
 〃        ⑧:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200407
 〃        ⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180919
 〃        ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180118
 〃        ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170816
 〃        ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20161125
 〃        ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150923
 〃        ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150830
 〃        ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150218
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers 

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