マトリョーシカの日展に向けてまた作ってみました。
(以前のセロ弾きのゴーシュはこちら ですが、ほぼ同じ。今回ニスをつやつやのにしてみました。)
とくに宮沢賢治のファンだったわけではないですが…。
有名な『雨ニモマケズ 風ニモマケズ…』 を初めて読んだとき、最後に「ソウイウモノニワタシハナリタイ」とあるのですが、偉い人だと思うと同時に、私はそういう人になりたいとは思いませんでした。
今もそういう人にはなれないと思います…。(^^;)
「…欲はなく けっしていからず …中略… 一日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ あらゆることを自分を勘定に入れずに …」 です。
…無理!と思いました。
このセロ弾きのゴーシュも初めの方でゴーシュが猫やカッコウにひどいことを言ったりするので、子供心には好きになれなかったのですが、そのうちだんだん優しくなってネズミにはパンまでやって帰したり、最後には空をながめながら「ああカッコウ、あの時はすまなかったなあ…」と 言ったりするので、まあ、よかったなあと思うのです。
その他のお話も結構きつかったりするのですが、言葉の使い方が好きで、たとえばこのゴーシュが楽長から怒鳴られたとき、
「みんなは気の毒そうにして、わざと自分の譜をのぞきこんだり、自分の楽器をはじいてみたりしています。…」
「ねこの事務所」では 「かま猫はもうかなしくて、かなしくてほおのあたりが酸っぱくなり、そこらがきいんと鳴ったりするのを、じっとこらえてうつむいておりました。…」 とか…。
その他 言い回しの面白さで引きこまれてたのかもしれません。
それから、「やまなし」 というよくわからない詩の「クラムボン」とか…今でも不明ですが、
ショパンのピアノ協奏曲第1番 第2楽章の 途中で二度ほど出てくる「レ・ファ・♭ミ・♭ラ~」みたいな繰り返しが、いつ聞いてもどうしても「クラムボン~♪」に聞こえます。
あ、クラムボンだ…と。
あー、ファンじゃないと言いながら、だいぶ毒されてます。