ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

第28回〝UBEビエンナーレ〟へおいでませ!

2019年11月18日 | 俳句

 今日は久し振りに朝からしとしとと…でもそんなに寒くはありません。却って生暖かいという感じです。

 昨日の二俣瀬の文化祭が済んだ後、常盤公園で9月29日~11月24日まで開催中の「第28回UBEビエンナーレ」(現代日本彫刻展)を見て帰りました。

 実はこのビエンナーレが2年毎の開催なので、それに合わせて宇部市芸術祭〝俳句の集い〟でも、「ときわ公園の部」の句を募集しているのです。それで投句された作品をみると野外彫刻などを詠み込んだものがたくさんありましたので、選句のために今年の受賞作を見に行ったのです。やはり彫刻などは説明だけでは分かりませんし、また実物を見ずに選句するのは作者の方々に失礼ですものね。

 句に登場していたのは、「夢枕(石の枕)」や「虹色の椅子」、「くらげ」などが多かったんですが、実際に作品を見て、手で触れてみたり、座わってみたりと…。やはり吟行と同じですよ。テレビや写真で眺めていても、それは視覚だけですもの。気温や風や太陽の光…水や土の匂い、人の声も…子供たちが彫刻に乗ったり、潜ったりする姿も…ああ、赤ちゃんの泣き声や乳母車、車椅子など、などと…、ほら、み~んな頭で考えただけではダメでしょう。やっぱり出かけないと!

 俳句というものは基本的には現場での実感を詠む方がいいと、私は思っていますが、でもそれが出来ないときも多いですよね。そういう時のために、行ける時にはあちらこちらへ行って、その見聞や体験、思い出などをい~っぱい詩囊(しのう・詩人が詩を作るもととなる詩想や感情をたくわえておく袋)に蓄えておくことです。そうすれば、もし動けなくなったとしてもそこから詩を紡いで作ることもできるんですからね。

 まあ、人はそれぞれですから好きなように作っていいのですが、たくさん選句していると、これ何となく匂う??ので聞いてみますと、〝実はテレビで観ました〟と。そんなに上手に詠めなくってもいいから実感の籠った句の方に私は惹かれます。

 では今年の〝UBEビエンナーレ〟の受賞作品をご紹介しましょうか。説明は省きますので、見て感じて下さ~い!

 ①「ク・ラ・ゲ・だぞー」  仲田 守     毎日新聞社賞

 ②「collecting view in the well」  四方謙一     山口銀行賞

 ③「Plantronica Ube」  岡田健太郎     宇部興産グループ賞

 ③「曲率のシンフォニー」  加藤 淳     宇部商工会議所賞

 ④「風路」  川村秀彦     島根県吉賀町賞

 ⑤「みんなで微笑む(虹色の椅子)」  志賀政夫     島根県立石見美術館賞

 ⑥「夢枕」  平田 茂     ※俳句に一番よく詠まれていましたが、残念ながら受賞作ではありませんでした。

 ⑦「森の掟 The law of the forest」  伊藤嘉英  ※これは「第27回UBEビエンナーレ」での宇部興産株式会社賞でした。子供たちが出たり入ったりしていましたので、私も中へ…まるで〝天の川〟を見るようでした。先日の吉部の彫刻、これも以前に賞をもらったものでしたが、〝じいちゃんの鼻の穴に宇宙があった〟を思い出してしまいました。

 ⑦「はじまりのはじまり」  三宅之功     大賞(宇部市賞)

 この作品も見上げるほどに大きいですよ。高さは3メートル50センチ、重さ4トン。卵型の彫刻にステンレスのプレートとコケをあしらい、「生命の誕生とその始まり」を表現したものだと。作者の三宅さんは、「この会場に作品を設置してから、コケに飛来した植物の種が付き、もう育ち始めている。枯れてしまうのも成長するのも運命。今日から宇部の地で命が込められて作品が成長していけば」とも。

 以上、受賞作品と私が気になった作品を載せましたが、撮り忘れているものがありました。山口県立美術館賞の「雲の上にあるもの」という関 玄達さんの作品です。ゴメンナサ~イ!また行った時に撮りますね。

 でも彫刻というのは、見る角度によって全く違って見えたりしますし、大きさが分からないとその作品のメッセージも伝わらなかったりと…。私の下手な写真では作品の良さを十分伝えられていないと思います。やっぱり実物を見ることですね。是非興味のある方はおいで下さいませ。もうすぐ終りますが…、でもまた再来年もありますからね。入場無料ですよ。

 ちなみに今年の「現代日本彫刻展」では、日本を含む42ヶ国318点(国内229点/海外89点)の応募の中から選ばれた15点が野外彫刻として展示され、入選の40点は「入選作品プラン展」として、ときわミュージアムに展示されています。やはりプランの模型だけでは作品の本当の価値は分からないような気がします。でも実作するとなると大変な作業になるんでしょうし、費用もかなり掛かるのでしょうからね。展覧会終了後、上位受賞作品はまちなかや公園・学校等に移設され、市内では常時200点の歴代出品作品を鑑賞することができるんですよ。

 夕方まで日が照っていたのが急に翳って来て、風も冷たくなりましたので、早々に帰途につきました。出口への路の電線に、きっと鳩でしょうね…群れて止まっていました。人も疎らになって何だか寒そう…!

 

 

コメント (2)
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