ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝山吹〟

2019年04月22日 | 俳句

 今日のなんと暑かったこと…ニュースを見ると山口でも29度、大分では30度を超えるところがあったとか。もうビックリ!真夏に突入した感じですが、明日はまた20度過ぎぐらいに戻るそうで…

 今日の句会の兼題は「山吹」。晩春の季語です。私も作りましたが、結構難しい季語で、主人に難しいでしょうと聞くと、〝何を詠んだらいいのか、ワカラン!〟と。山吹の花は我家にも咲いているんですけどね~。

 句会場に行く道すがら、主人が〝太田道灌の話しか頭に浮かばんが…〟と。〝七重八重花は咲けども山吹の…でしょ。でも山吹って万葉の時代から詠まれているのよ〟と説明すると、〝ふ~うん。じゃああの歌は蓑を請われた娘が詠んで、花と一緒に差し出したんじゃないのか?今までてっきりそう思っていた〟と。

 そうなんです。あの歌は『後拾遺和歌集』にあって、兼明親王の詠んだ古歌。田舎の娘でも知っているその歌を知らなかった太田道灌が恥じいり、その後努力して立派な歌人になったという話、有名ですものね。

 句会にもやっぱり出ていました。〈教室の山吹古歌の謂れ説く〉という句ですが、作者はもちろん元小学校の先生。〝山吹と聞いたらすぐに昔学校で子供たちに教えていたことが浮かんで…〟と。俳句的に見るとこのままではちょっとぶっきらぼうすぎる詠み方ですが、意味はよく分かりますね。そこで、〝このままでは山吹が謂れを説いているようですよ〟と言って、〈山吹を活けつつ子らへ謂れ説く〉と直しました。すると今度は〝山吹は子供が持ってきたんです…〟と言うので、〈子の持ちてきし山吹や謂れ説く〉と、また直しました。

 作者は、〈教室の山吹(を見て)古歌の謂れ説く〉のつもりで、〈を見て〉を省略したのでしょうが、ちょっと強引でしたね。もちろん俳句は省略が大事なんですが、でもしていところと悪いところは見極めてしてほしものです。特に初心者は、五七五という制約のために強引にくっつけて〝これでどうだ〟と、力んで詠むことがありますので、先ずは素直に詠むことを心掛けましょう。それが上達する一番の近道ですよ。

 写真は〝山吹〟の八重。今年は刈り込みすぎて花が少ないです。白いのもありますが、これは白山吹。この山吹のことは、いろいろと調べて一年前のブログに書きましたので、もし興味がありましたら読んでみて下さいね。

  

 

 

 

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