ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

防災の日

2017年09月01日 | 俳句

 今日は9月1日、「防災の日」です。大正12年(1923)のこの日、相模灘一帯を震源とする大地震が発生し、東京・横浜を中心に静岡・山梨など、関東一円に甚大な被害をもたらしました。死傷者20万人。惨害最大の東京本所被服廠跡に東京都慰霊堂が建てられ、犠牲者に対する慰霊祭が営まれているそうです。初秋の季語で、「震災記念日」「震災忌」などとも言い、防災の意識を喚起する日となっています。

   万巻の書のひそかなり震災忌   中村草田男

 中村草田男の第一句集『長子』に所収。1936年刊だから関東大震災から10年以上後のもの。そもそもこの震災の時、草田男はまだ松山高等学校の学生だったので詳しいことは知らないはず。しかし、1925年に一家で上京し、その年に東京帝国大学に入学し、高浜虚子や水原秋櫻子の指導を受けたりして、本格的な作家となっていきます。だから、この句も震災は体験していなくとも、まだ2年後ぐらいですからいろいろなところでその惨状は目にしたり耳にしたりしたでしょうからね。〝この多くの書物も今日はひそやかであることよ。まるで震災で亡くなった多くの人々を偲び、冥福を祈っているようだ〟と、詠んだのでしょう。もしかしたら大学の図書館での所産でしょうか。

 ところで、このところ阪神・淡路大震災を皮切りにして東北大震災、熊本地震…と、大きな地震が日本列島を襲い、地震王国という名をほしいままにしていますが、前述の地震などを「震災忌」と詠むのは間違いです。だって、阪神・淡路大震災は1月17日、東北大震災は3月11日、熊本地震は4月16日なんですからね。あくまでも「震災忌」を季語として使うときは、関東大震災の起った9月1日、初秋として用いるべきでしょう。

 以前、〝牡丹臭木〟を書いたときに、〝臭木の花〟は、秋なので、その時期になったら…などと書いたのですが、やっと写真を撮ることができました。しかし、時期が遅れて花は殆ど散って、赤色の顎だけが残りその中に実を育てています。実が熟すとこの顎が星の形に開いて、紅紫色になり、まるで花が咲いているように見えますよ。

   

コメント
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