ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

昨日の兼題は〝星月夜〟

2017年09月27日 | 俳句

 今日は朝から一日中雨でした。

 本当は午後から健康体操の日なんですが、原稿書きの仕上げが残っていて、今日が締切ですので、体操は休んで一日中机でした。今、メールで原稿を送りましたので、ホッとしているんです。それでブログでも…という気になって書いてます。

 昨日の句会の兼題は〝星月夜〟で、秋の季語です。初心者で時々この季語を間違って使うことがあります。要するに、星と月が出ているきれいな夜という意味に。星月夜とは、月のない夜空が、星明りで月夜のように明るいことをいうのですが、今時の、特に都会ではめったに経験できることではないんですよ。余程高い山か人家の灯のないところで、それも晴天でなければ見られないでしょう。私が本当に、これが〝星月夜〟だと実感したのは、ネパールのエベレスト街道トレッキングツアーでのこと。タンボチェ(3860m)の山小屋に泊った夜でした。でも、秋じゃあないんですよ。行ったのは2月の終りから3月の初めでしたから。しかし、星とか月とかは寒いときの方がかえってよく見えますよね。光が冴えわたっているからでしょうか。もう10年以上も昔のことになりましたが、本当に忘れられない旅でした。

   ちちははの国に寝惜しみ星月夜   鷹羽狩行

 作者鷹羽狩行氏は、山形県新庄市生れ。ということは、この「ちちははの国」は、その新庄市でしょう。最上川中流域の周りを山に囲まれた雪深い盆地だそうです。だとすれば、都会で見る星月夜とは違って、そりゃきっと美しいに違いない。私も初めて蔵王に行ったとき、本当に空気が違うと思いましたもの。まして故郷なら何をか況んやですね。「寝惜しみ」に実感があります。

 句会では、〈天を突く槍の穂先や星月夜〉という句がありました。ご夫婦で山登りの会に入り、いろんな山へ行かれていますので、お二人揃って山の句が多いんです。この時もそうでした。この句、槍ヶ岳を詠んだもの。だとすれば、確かに星月夜はきれいに見えることでしょう。そこはよしとして、もったいない!上五中七すべてをその山の説明で終ってしまってる。「天を突く」も「穂先」も不要です。ここは槍ヶ岳の近くの山小屋に泊って、明日はあの山頂に立つのだという昂揚感、それを見守るごとくに静かに輝く星空…と、こんな具合に詠んでみましょうか。〈槍岳へ明日は立たんと星月夜〉と、いかがでしょうか。

 今日は、先日参加した〝夕焼けウォーク〟の海岸に咲いていた「浜栲(はまごう)」です。花はもう終わりかけで、沢山実がなっていました。この実は生薬になるんですよ。

 

 

   

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする