ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

女郎蜘蛛

2017年08月31日 | 俳句

 テンプレート変えました!と言ってももう二,三日経ってしまいましたが…。本当は9月になって変えるつもりが、あれこれ見ているうちにこれになってしまいました。秋ですからそれらしい物をと言うことで、やっぱり〝紅葉〟かなあ~と、でも本格的な紅葉にはまだ早いので〝初紅葉〟か〝薄紅葉〟ぐらいでと…どうでしょうか?

 〝初紅葉〟は、その秋の最初に見た楓などの紅葉のこと。高山地帯から低山地帯へ、また北方から南方へと錦色がゆっくりと降りてくる。その初めの紅葉はやはり印象深い。〝薄紅葉〟は、紅や黄がまだうっすらとした色合いの頃の紅葉をいう。錦繍の紅葉と違って、まだ緑を残しつつも染まり始めた頃の何とも言えない未完のやさしい風情は日本人の美意識にも通じるもの。

   振り返るこの世短し初紅葉    水原春郎

   薄紅葉して静かなる大樹かな   高浜虚子

 馬酔木の前主宰・水原春郎先生が去年の9月に亡くなられて、早いものでもうすぐ一周忌(水原家は神道なので、一年忌というのかしら?)がきます。この句がいつ頃詠まれたものかは分りませんが、〝過ぎてしまえば何でも短く感じる〟とか〝考えてみるとあっという間だった〟とか言われるように、本当に「この世は短し」なんですね。私だって昔20代の頃は先はまだまだ遠~いと思っていましたもの。なのにあっという間でした。もう残りがどれほど…などということは考えないことにしています。でも自然の運行や、運命とかには逆らえない、木でも人間でも。だから「静かなる」なんでしょうね。

 この写真は〝女郎蜘蛛〟、夏の季語です。蜘蛛は昆虫の仲間ではなく、ダニ、サソリ、カニムシなどに近い動物。脚が四対、頭と胸が一つのかたまりになっている点で、脚が三対、頭胸腹の三つの体からなる昆虫とはすぐに区別がつく。日本にいるものだけでも1000種を超え、生態もさまざま。多くは糸を分泌して巣を作り、これにかかった昆虫を捕食する。1995年ごろから日本各地で発見された外来種の〝セアカゴケグモ〟という毒蜘蛛がニュースで騒がれていましたが、今はどうなっているんでしょう。もうどこででも見られるようなものになってしまったの?コワイですね!そういえば、最近は毒蟻の〝ヒアリ〟が騒がれているようですが…。

 〝女郎蜘蛛〟は最も目に付く大型の蜘蛛で、鮮やかな黄色に黒や赤の混じった装いで、女郎(遊女)の字を当てますが、高級女官の意味の上臈(じょうろう)を当てることもあります。要するにこの大きいのは雌ということですが、では雄はどこに?雌に比べて大きさも半分以下、色も地味だそうです。面白いことに交尾は雌の食餌中にするらしい…なぜって?それは取って食われないために…ですよ。

   蜘蛛夜々に肥えゆき月にまたがりぬ   加藤楸邨

   巣を張つて日の暈に入る女郎蜘蛛    廣瀬直人

 夜と昼の蜘蛛、楸邨の句も言ってないけど女郎蜘蛛だと思うんですが…どちらもすごいですね。私もこんな句が詠みた~い!

 

 

コメント (2)
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