今日は〝立秋〟で、二十四節気の一つ。暦の上ではこの日から秋に入りますが、実際にはまだまだ暑さが厳しい頃。しかし、朝夕などには、秋の気配がどことなく感じられるようになります。その様子を平安時代の歌人・藤原敏行が、〈秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる〉(『古今集』)と詠んで以後、立秋になるとこの歌がすぐに引き合いに出されるようになりました。なお、もしこの日以降の暑さを俳句に詠みたいときは、「残暑」として用いましょう。
みんみん蟬立秋吟じいでにけり 水原秋櫻子
この句について、「馬酔木」の德田千鶴子主宰が『秋櫻子俳句365日』に、次のように書いておられます。「みんみん蟬は、体も声もたくましく、油蟬のジイジイ暑苦しい声とも違って、爽やかにミーンミーンと鳴く。別名、深山蟬とも言われる由縁である。
八王子のように樹木の多い地では、蟬時雨を通り越す大合唱で、暑さも一段と増してしまう。立秋の朝、心なしか風も涼し気になったと思っていると、早速、桐の木で悠々と吟じるような、みんみんの鳴声が始まった。
蟬とり名人秋櫻子が、捕えた蟬に器用に糸を結んで、渡してくれた。遊び飽いて枝にゆわえておいたその油蟬が、目の前で尾長鳥に啄まれた時のショック。忘れられない。」と。
ところで、台風5号はここ山口を避けて四国沖を通り、今関西から関東へ向けて北上中…そちら方面の方はお気をつけ下さいね。今日の予定だった子供俳句教室は早々と延期しましたので、こんなに晴れた空を見てなんとも複雑な気持ちです。でも、風はまあまあ吹いたらしくて、朝見るとあちらこちらに柿の実や枝が折れて散らばっていました。もうこんなに大きくなっていたのに…勿体な~い!