ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

現の証拠

2017年08月28日 | 俳句

 昨日今日は、朝夕のちょっとひんやりした感じが気持ちいいですね。やっぱり秋だなあ~と思いきや、またまた高温注意報が出ています。案の定昼の暑いこと暑いこと…衰えてはいませんでした。

 今日は午後から句会でした。兼題は「稲妻」、勿論秋の季語です。しかし、同じ放電現象でも「雷」というと、夏の季語になってしまいます。雷の場合は「神鳴り」というように、音が中心で考えられたものですが、「稲妻」は光に注目した季語で、この現象が稲の出来に深い関わりがあると昔から農民たちは考えていました。それで「稲の夫」とか「稲の殿」「稲つるび」などとも言ったのです。

 先日恐ろしいほどの稲妻と雷鳴でビックリしました。テレビでもどこか外国の、もの凄い稲妻の映像をちらっと見たのですが、それはまあ、まるであの〝天網恢々疎にして漏らさず〟の言葉を連想するようなものでしたね。コワイ!

   稲妻のかきまぜて行く闇夜かな   向井去来

 去来の句、感じがよく出ていますね。教室でも〈稲妻や三つ数へて息をせる〉という面白い句が出ていました。結構点が入っていました。勿論私も頂きましたよ。はっきりとは分りませんが、何となく魅力的な句です。きっと何か子供の頃の言い伝えかおまじないのようなものがあるのでは…と思って、作者に聞いてみました。すると作者曰く「子供の頃から雷が鳴ると、三つ数えたら絶対大丈夫だよと言われていたんです」と。即ち1,2,3と数えてゴロゴロと鳴ったら雷とはそれだけ距離があるということだったんです。子供の時はそういうことは考えないので、ただ怖いのをとにかく三つ数えてやり過ごしていたんですね。昔から怖いものの順番に〝地震・雷・火事・親父〟と言われていましたもの。でも最初の三つは今でも同じだけれどねえ~最後の〝親父〟は…もう死語でしょうか???どう思います、お父さん!

 もう一句〈直会の夫待つ夜や稲光〉、今日の最高点句でした。直会とは、神事が終わって後、神酒・神饌をおろしていただく酒宴のことです。何と今日は稲光の激しいこと!そろそろ夫も帰ってくる頃だが、きっといつものように酔っ払っているだろう、とそんな夫の身を案じながら待っている妻(作者)なんですよね。と言うと、作者がすかさず、「主人はいつも大事なとき、例えば子供が生まれるときなど、どこかで酔っていていなかったんですよ、それも3人ともですよ!」「そりゃ恨めしいわよね」と慰めると、「その酒が好きなところが好きで結婚したんですけどね…」と。まあ~ごちそうさま!でも、ご主人は何年か前に亡くなられているんですけどね。そう言えば、以前介護をされていたとき、俳句が息抜きだと言って始められたんでしたっけ。 

 写真は、「現の証拠」で、夏の季語です。フウロソウ科の多年草で、山野に自生し、夏に梅の花に似た五弁の花をつけます。だからこれは咲き残りか、暑いのでまた狂い咲いたのか、どちらかでしょう。沢山はありませんでしたので。ただ、歳時記に西日本では紅紫色が、東日本では白が多いと書いてありましたが、西日本での白は珍しいのかな?我家では毎年両方が咲きますが、今日は紅紫色はどこを探しても見つかりませんでした。茎・葉は下痢止め、健胃に効きますと。

コメント
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