「夏休み(といっても既に9月ですが)にやりたかったこと」の一つだったジブリの『風立ちぬ』をようやく見に行くことができました!ヽ(´▽`)/
地元じゃやっていなかったので、ちょっと離れたところの映画館に行ってきたんですが、周りを見れば「みんなご高齢の方ばかり」(・・;)。たまたまだったのかどうかわかりませんが、大正~昭和初期の話なので、ご高齢の皆さんにとっては体験したかたもいらっしゃるでしょうし、特に宮崎監督が力を入れている飛行機(※あえて「戦闘機」とは言わないでおきます)の描写がすごく細かく鮮やかでリアル!なので、男性のご高齢の方が皆、前に乗り出してみていましたから、やはり好きな方々なんでしょうね。
感想ですが、これから見に行かれる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんので、以下反転しておきます。
率直な感想としては素直に「感動しました!」。今までのジブリアニメが好き、という方にはもしかしたら受け入れがたい人もいると思います。ジブリ=ファンタジー性が強い作品を生み出していましたから、逆に過去に現実起きたこと、しかも大正~昭和初期の非常に歴史的にも苦しい時代なので、決して明るくはありません。また、関東大震災~世界恐慌~第二次世界大戦という流れをたった二時間で描き出しておりますから、ストーリーも展開が早く、ちょっと詰め込みすぎ感は否めないですね。
あと、『枕頭鋲(※『ちんとうびょう』:頭の部分が凹んでいる鋲。へっこんでいる分だけ空気抵抗が少なくなる)』とか『引き込み式脚(※堀越二郎さんが作るまで、飛行機はどれも地上滑走用のタイヤが出っぱなしが普通でした)』みたいな専門用語が出てくるし、目まぐるしい時代の流れがあるので、予備知識がない人だとちょっとわかりづらいかも。カストルプ(ユダヤ人)と出会ったことで、『特高(※特別高等警察)』に目をつけられたり、大人はともかく小学校に入るかはいらないかぐらいの子供には理解しづらいでしょうね。
でも全くリアルのままの展開ではなく、終始主人公の憧れの存在であるカプローニと夢の中で対話するという、ファンタジーな主軸があり、それが次郎の飛行機への不動の情熱を支えていきます。試験機が墜落したとき、ゼロ式戦闘機を開発したものの、「一機も帰ってきませんでした・・・」と嘆く次郎。しかし既に結核で亡くなってしまったであろう、妻:菜穂子とカプローニが、「次郎の夢」=「美しい飛行機」、「みんなが笑顔で空を飛ぶことができる飛行機」を作る夢を捨てないで「生きて」作っていって欲しい・・・その思いに支えられ「生きねば」と歩き出す次郎の姿にもう涙ボロボロでした(感涙!)
戦争の道具となった飛行機の開発の話でありながら、戦闘の描写が全くされていないところに、逆に宮崎監督の強い反戦意思を感じましたね。「紅の豚」のように、零戦で亡くなった人達は、飛行機とともにずっとずっと高いところへ上がっていき、地上には無残な姿となった山ほどの戦闘機の残骸。セリフも説明も全くないのに、ひと目で戦争の悲惨さを伝えられる描写。こういうところが宮崎監督のすごいところだなぁ・・・と感嘆してしまいました。
加えて宮崎アニメならではの、「周りの人達の支え」がいつも心に染みいりますね。どの作品にも登場しましけど、今回も菜穂子のお父さん、三菱重機の服部課長、上司の黒川さんと奥様・・・みんなもしかしたら自分にも実害が及ぶかもしれない場面で、次郎&菜穂子さんの気持ちを汲んで、守ってくれる。こんな暗い時代の中で、それでもこうして支えてくれる人がいるって、暖かく明るくなりますね。こうした支えとなる人たちまで細かく描かれるのもやはり宮崎作品ならではかな。
あと凄いのは音響監督さんですね。事前から言われていましたが、今回の効果音は全て人の声。最初のエンジン音とか地震の地鳴りとかは「あ~人の声だな~」と判るところもありましたが、飛行機の錐揉み音とか蒸気音とか、途中から全く「人の声」ということ忘れるくらい、リアルでした!(・0・)
あえて「う~ん・・・」と閉口してしまうところといえば、声優さんかな・・・。やっぱりきちんとした声優さんだったらもっと良かったんじゃないかと、ついつい思ってしまいます。瀧本さんとか風間さんとか俳優陣は違和感なかったですよ!西村さんも黒川上司の声すごい似合っていましたし! なんでやっぱり庵野さんは・・・(涙) 「朴訥としたところがいい」、と宮崎監督曰くですが、本庄さん役の西島さんがまたいい演技をしていらっしゃったので、ついつい並んで聞いてしまうと・・・(哀) かもした的にはそこだけがやっぱり気になりました。
多分一回見ただけじゃなく、何度も見るともっといろんなことが発見できそうです!できればもう一回見たいな~。
もう公演期間ギリギリだから難しいかもしれないけど、そうしたらテレビ放送したらガッツリみよう!(^^)
<追記>
見てきたばっかりの今日の夕方、宮崎監督が長編アニメから引退宣言されたそうで・・・
コミケスタッフさんとかと、「鈴木Pさんが「この作品は監督の遺言」と言っていたし、初号試写で泣いていたりしていたので、引退するんじゃないか」と話していたんですが、まさか本当にその通りだったとは。
ともかく「お疲れ様でした。素晴らしい作品たちをありがとうございます」<(_ _)>
地元じゃやっていなかったので、ちょっと離れたところの映画館に行ってきたんですが、周りを見れば「みんなご高齢の方ばかり」(・・;)。たまたまだったのかどうかわかりませんが、大正~昭和初期の話なので、ご高齢の皆さんにとっては体験したかたもいらっしゃるでしょうし、特に宮崎監督が力を入れている飛行機(※あえて「戦闘機」とは言わないでおきます)の描写がすごく細かく鮮やかでリアル!なので、男性のご高齢の方が皆、前に乗り出してみていましたから、やはり好きな方々なんでしょうね。
感想ですが、これから見に行かれる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんので、以下反転しておきます。
率直な感想としては素直に「感動しました!」。今までのジブリアニメが好き、という方にはもしかしたら受け入れがたい人もいると思います。ジブリ=ファンタジー性が強い作品を生み出していましたから、逆に過去に現実起きたこと、しかも大正~昭和初期の非常に歴史的にも苦しい時代なので、決して明るくはありません。また、関東大震災~世界恐慌~第二次世界大戦という流れをたった二時間で描き出しておりますから、ストーリーも展開が早く、ちょっと詰め込みすぎ感は否めないですね。
あと、『枕頭鋲(※『ちんとうびょう』:頭の部分が凹んでいる鋲。へっこんでいる分だけ空気抵抗が少なくなる)』とか『引き込み式脚(※堀越二郎さんが作るまで、飛行機はどれも地上滑走用のタイヤが出っぱなしが普通でした)』みたいな専門用語が出てくるし、目まぐるしい時代の流れがあるので、予備知識がない人だとちょっとわかりづらいかも。カストルプ(ユダヤ人)と出会ったことで、『特高(※特別高等警察)』に目をつけられたり、大人はともかく小学校に入るかはいらないかぐらいの子供には理解しづらいでしょうね。
でも全くリアルのままの展開ではなく、終始主人公の憧れの存在であるカプローニと夢の中で対話するという、ファンタジーな主軸があり、それが次郎の飛行機への不動の情熱を支えていきます。試験機が墜落したとき、ゼロ式戦闘機を開発したものの、「一機も帰ってきませんでした・・・」と嘆く次郎。しかし既に結核で亡くなってしまったであろう、妻:菜穂子とカプローニが、「次郎の夢」=「美しい飛行機」、「みんなが笑顔で空を飛ぶことができる飛行機」を作る夢を捨てないで「生きて」作っていって欲しい・・・その思いに支えられ「生きねば」と歩き出す次郎の姿にもう涙ボロボロでした(感涙!)
戦争の道具となった飛行機の開発の話でありながら、戦闘の描写が全くされていないところに、逆に宮崎監督の強い反戦意思を感じましたね。「紅の豚」のように、零戦で亡くなった人達は、飛行機とともにずっとずっと高いところへ上がっていき、地上には無残な姿となった山ほどの戦闘機の残骸。セリフも説明も全くないのに、ひと目で戦争の悲惨さを伝えられる描写。こういうところが宮崎監督のすごいところだなぁ・・・と感嘆してしまいました。
加えて宮崎アニメならではの、「周りの人達の支え」がいつも心に染みいりますね。どの作品にも登場しましけど、今回も菜穂子のお父さん、三菱重機の服部課長、上司の黒川さんと奥様・・・みんなもしかしたら自分にも実害が及ぶかもしれない場面で、次郎&菜穂子さんの気持ちを汲んで、守ってくれる。こんな暗い時代の中で、それでもこうして支えてくれる人がいるって、暖かく明るくなりますね。こうした支えとなる人たちまで細かく描かれるのもやはり宮崎作品ならではかな。
あと凄いのは音響監督さんですね。事前から言われていましたが、今回の効果音は全て人の声。最初のエンジン音とか地震の地鳴りとかは「あ~人の声だな~」と判るところもありましたが、飛行機の錐揉み音とか蒸気音とか、途中から全く「人の声」ということ忘れるくらい、リアルでした!(・0・)
あえて「う~ん・・・」と閉口してしまうところといえば、声優さんかな・・・。やっぱりきちんとした声優さんだったらもっと良かったんじゃないかと、ついつい思ってしまいます。瀧本さんとか風間さんとか俳優陣は違和感なかったですよ!西村さんも黒川上司の声すごい似合っていましたし! なんでやっぱり庵野さんは・・・(涙) 「朴訥としたところがいい」、と宮崎監督曰くですが、本庄さん役の西島さんがまたいい演技をしていらっしゃったので、ついつい並んで聞いてしまうと・・・(哀) かもした的にはそこだけがやっぱり気になりました。
多分一回見ただけじゃなく、何度も見るともっといろんなことが発見できそうです!できればもう一回見たいな~。
もう公演期間ギリギリだから難しいかもしれないけど、そうしたらテレビ放送したらガッツリみよう!(^^)
<追記>
見てきたばっかりの今日の夕方、宮崎監督が長編アニメから引退宣言されたそうで・・・
コミケスタッフさんとかと、「鈴木Pさんが「この作品は監督の遺言」と言っていたし、初号試写で泣いていたりしていたので、引退するんじゃないか」と話していたんですが、まさか本当にその通りだったとは。
ともかく「お疲れ様でした。素晴らしい作品たちをありがとうございます」<(_ _)>