鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

きもの日和 ~港町の町家を巡る~

2009-10-12 | ぐるぐる町家巡遊
10月11日のこまちなみフェスタの時だけに、
大野町のふだんお住まいの町家を拝見できたので、
その日にあわせて「きもの日和~港町の町家を巡る~」を行いました。



大野の町家は醤油・味噌を代々作ってこられたお宅のほか、
回船問屋、材木商、穀物商を商ってこられた、
築100年前後のお宅が残っています。
金沢の中心部に見られる町家とは趣が違い、
外観の袖うだつや木虫籠の2段構のほか、
内部も吹きぬけに農家に見られるような大きな梁が組まれていたり、
建具も帯戸があったりと興味深く拝見。
それぞれのお家に伝わってこられた品々も飾られ、
歴史を感じさせていただきました。
お写真は午後の部ご参加の皆様。(約2名写真はご遠慮)



紺市醤油の酵母が香る蔵のなかでは山本基さんの塩によるアート作品。
チベットの曼荼羅のように指で塩を撒いて、
波紋のような文様を形作っています。

直源醤油さんの重厚なオエの間では、
フローキャンドルが灯され幻想的な雰囲気を楽しみました。
ここで午前に巡ったときに、カシャカシャ写真を撮られ、
これがHK新聞に載っておりました・・・、不覚。

きもの日和の午後の部の締めは、
ヤマト醤油さんのひしほ藏にある大正浪漫ホールで、
お醤油ソフトや甘酒ラテ、甘酒パフェなどを頂き、
美味しい一休みをいたしました。



参加者の皆様には大野の町の魅力、
町家に代々大切に住まわれていることの素晴らしさなども
感じとっていただけました。

ご参加いただいた皆様、
ありがとうございました。
またいつかお会いしましょう。





町家巡遊09&金沢大野こまちなみフェスタ

2009-10-12 | ぐるぐる町家巡遊
町家巡遊、こまちなみフェスタの間、
かたかご庵も少々いつもより花を多くしつらい、
道をいく方々に楽しんでもらいました。



町家ショップの目印は、水引き細工の飾り。
赤、橙、緑、黄色の4色がそれぞれのお店の軒先を飾っていました。



かたかご庵の土間には、お月見のしつらい。
十三夜用にお団子は13個を盛り、お出迎えいたしました。



町家巡遊09 金石・大野エリアの見どころ。

2009-10-06 | ぐるぐる町家巡遊
10月10日~12日は、金石・大野エリアが町家巡遊ウィークです。
かたかご庵もその間、開庵いたします。

企画展ほどではありませんが、
眼福に値するやもしれない品を並べております。

セミナーなども立案しておりますが、
かたかご庵の存在を知っていただければ十分、
というスタンスで今回はおります。


さて、今日は金石と大野両町のことをすこしお話しましょう。
二つの町の歴史は、鎌倉時代に遡ります。
陸路より海路が発達していたころ大野荘という荘園で、
港町の繁栄を誇っていました。
地内にある大野湊神社には、かの義経一行が1泊したとされています。

現金石はその昔は、宮腰(みやのこし)と呼ばれ、
江戸時代には北前船の寄港地としても賑わいをみせ、
藩の木材を扱うなどして隆盛を極めました。
そして大野町は醤油の5大産地として栄え、
金石と同じく北前船の寄港地でもありました。

二つの町の魅力は、藩政時代とあまり変わらぬ道の作り。
せまい路地が続き、迷いこんで思わぬところに出るのも酔狂。
大野には庄町、茶箋町など旧字名の石碑が町内に建てられ、
それを巡るのもまた楽しかりきです。

そしてこの界隈の町家の特徴は、
2階の両側に見られる袖卯建(ソデウダツ)。
木虫籠(キムスコ)は東山などの町家と比べると、
かなり太めの格子で明かり取りの役割をしています。

一階軒下の先端に設けられている「下がり」も金沢の町家ならではの意匠。
風雨や雪をしのぐためのものですが、
繊細でやわらかな曲線がいかにも金沢ごのみといえるでしょう。

窓の格子は、荒格子から細い出格子と連なっており、
2段構成の木格子はめずらしいそう。
大野町ではこれら町家に加え、
醤油の醸造蔵や大きな板張りの土蔵も見どころです。

そして屋根を覆う黒瓦も、古いものだと100年は経ているのでは?
1枚ずつその色合いが異なり、
奈良元興寺の天平時代の瓦のように(ちょっと褒めすぎ?)美しいです。

どれだけ美しいかはその目で確かめに、
3連休、ぜひご来遊ください。
町家カフェ、現代アートの展示、コンサートなどの催しが花を添えています。
町家巡遊09 詳細はこちら

町家巡遊09 東山エリアへ。

2009-10-04 | ぐるぐる町家巡遊
町家巡遊09(10月3日~11月3日)がはじまりました。

富山からの帰り、今週末お世話になるムシャリラ・ムシャリロさんへのご挨拶をしようと思い、
巡遊の第1週エリアの東山・主計町へ行ってきました。
ご存知ない方のために申し上げると、ムシャリラ・ムシャリロさんは、
国産のお野菜を使った無添加のお弁当を作っていらっしゃいます。


まずはともあれ、ムシャさんが食事を提供している木糀店を目指してテクテク。
するとその途中の町家の玄関から、
7月の企画展のおりにご来店いただいたMさんがひょこんと出てこられてご挨拶。
「いま、ここで家内が案内していますから」と仰るので中へお邪魔すると、
Mさんの奥様と息子さんがいらっしゃり、奥様は町家巡遊のスタッフとして来客の応対、
そして息子さんがまるでそこのお家の子みたいになって、
町家のおばあちゃまと折り紙をしていて、思わず笑みがうかびました。
この家は箱階段や竃、井戸がそのまま残っていますが、
使われていない所はやはり傷みがみられ、
おばあちゃまの「やっと住んでますわ」との言葉にもうなづけました。
これを住みやすく改装するとなると・・・。


色々と思いをめぐらしながら目的の木糀店へ。
すでに板の間で食事をいただいている方が大勢。
奥で忙しく立ち働いていらっしゃるのを申し訳なく思いつつ、
表までお出でいただいてご挨拶。
ムシャさんのお弁当は何度かいただいたことがあるのですけど、
ご本人にお会いするのは実は初めて。
この方があのお弁当を作っていらっしゃるのだと感動~♪。
戦場のように忙しいお台所のようすが伝わってきて、ご挨拶もそこそこで店を出ました。
(ムシャさん、お忙しいところすみませんでした。11日の日、宜しくお願いいたします。)


観光客でにぎわうメインストリートを横目に続いて向かった先は観音院前の町家。
ここでは「古道具と暮らす」という催しが行われていて、
加賀市大聖寺でセンスの良い古道具や雑貨を扱うタユタフさんと、
大阪八尾市のチアブ家具さんがコラボ。
四万六千日のときに通る道をテクテク、
観音院につづく階段を二十段ほどのぼるとそこが目指す町家です。
実はこの家、ほんの数ヶ月前までは葛の絡まる空家でして、
金沢R不動産のHPにものっていたりした、個人的にもとても心惹かれるお家でした。
2階に玄関があり、入るとすぐ目の前にバーンと浅野川界隈が開ける、
抜群のロケーション。
手入れをすれば、化けますよ、このお家♪
さてまだ化ける前の家の中、タユタフさんの目に選ばれた時間をまとった古道具が、
すっかりこの家に馴染んでありました。
チアブさんのリペアされたちゃぶ台たちも愛らしく。
陶製のサイコロ、お薬の匙にも心惹かれるも、
連れ帰ることにしたのはバターナイフ。いい味わいでしたもの。
(タユタフさん、ありがとうございました。)

観音院の前の町家を後にして向かったのは、東茶屋街とは対面側の奥の細道。
ブックカフェあうん堂さんを過ぎて30メートル、
つい先日開店されたばかりの「月天心」という和菓子屋さん。
もともとは昨年の町家巡遊のおりに公開された町家に、
新しい息吹が吹き込まれての誕生。町家巡遊実行委員会の本懐ともいえるでしょう。
オーナーは三重から引越されてきたご夫婦。
いつか和菓子職人になるきっかけを与えてくれた金沢で、
開店したいという夢を実現されました。
「栗蒸しはじめました」の張り紙につられ、ホクホクの栗がたっぷりはいった栗蒸し羊羹を購入。
店内には喫茶スペースもあり、お店でお抹茶と一緒に美味しいお菓子を味わえます。
皆さま、ぜひともご贔屓に!

その足で来た道を戻り、あうん堂さんでコーヒータイム。
尼崎の白子ちゃんを話題に奥さんとおしゃべりしているところにお客様が一人。
あうん堂の本多さんから、観音院前のお宅のオーナーKさんだと紹介されました。
今はまだ建築家の方と思案の途中だそうで、
いずれはカフェにしたいな~と。
あのロケーションでカフェなら、それだけで行く価値ありです。

町家巡遊のエリアをあとにしての本日の締めは、
医王山のふところ俵町の喬屋さん。
毎朝5時からご主人が石臼で挽いた蕎麦は絶品。
町家巡遊のパンフレットを置いていきがてらお蕎麦を頂こうと思っていたのですが、
伺った時間が遅く、残念ながらお蕎麦は売り切れ! 
登山大好きのナツエさんが「ごめんね~、御膳ならできるよ」と仰るので、
御膳(写真)を頂きました。

麦飯にとろろ、出し巻き玉子、かぼちゃと海老の焚き合わせにお豆腐のたれがたっぷりかかったもの、
なた豆と厚揚げの煮物、香の物に、特別に蕎麦湯をつけていただいて満足。
幕末から明治前後の器でいただけて600円はお得です。

喬屋のご夫婦とも、もともとは日本で3本の指に入る
広告代理店でばりばり働いていましたが、
早々と退職されてお蕎麦屋さんに転進。
そんなお二人からは人生の先輩としても学ぶことが多いです。
この日も心のメモ帳にメモメモいくつか。
喬屋前に広がる稲刈りの終わった田んぼからは、
心地いい風が入ってきてすっかり寛ぎました。

今日も一日、好日でした。



町家巡遊09 公式ブログのご案内

2009-09-22 | ぐるぐる町家巡遊
シルバーウィークも終盤、いかがおすごしですか?

職場が主催する某コンクールのブロック大会準備で、
またまたまたまた、ぎっくり腰になったため、
心身ともに、シルバーな連休にあいなっております・・・。


さて、微力ながら「かたかご庵」も協力させていただく
「町家巡遊09」の公式ブログがアップされました。
ブログはこちら

金沢市内4エリアが週替わりで舞台になります。

かたかご庵は金石・大野エリアにあたり、
町家deタノシムとして、十三夜のしつらい遊び、きもの日和などの催しを
10月10日~12日にかけ行います。

参加お申込みは、
金澤町家研究会の事務局まで、
お電話、ファックス、メールでどうぞ。

 TEL&FAX 076-253-3517
 メール kanazawa-machiya@nifty.com


ご参加お待ちしております。


「 町家巡遊09」に参加します。

2009-09-07 | ぐるぐる町家巡遊
金沢市大野町にかたかご庵を結んだことで、
10月は町家巡遊というプロジェクトに協力することになりました。

このプロジェクトは「金澤町家研究会」が主催するもので、
昔ながらの町家がまだ多く残る金沢市内4エリアを会場に、
ふだんは見る事のできない町家の一般公開や、
町家での現代アートのインスタレーション、
音楽会などが行われるものです。

今年は10月10日(土)~11日(月)の3日間。
わが大野町では商工会が中心に行ってきた「こまちなみフェスタ」も
同時開催することになり、賑やかな3日間になりそうです。

現在、町家巡遊のパンフレットの製作が急ピッチで進められており、
お世話いただいている研究会のKさんに写真やコピーをお送りし初校をチェック。
後はパンフの出来上がりを待つのみ!

が、編集者くずれの私としましては、
もうできあがっていないと遅くない?とやきもき。
実行委員のご苦労を知りつつも、以下にフライング告知いたします。


「金沢大野湊かたかご庵」では、
町家巡遊中に下記のもよおしを行い参加協力します。

*******************************

「月に遊ぶ 十三夜のしつらい遊び」

10月10日(土)午後1時半~4時
10月12日(月)午後1時半~4時
定員各10名 
参加費2,000円(材料費込み・茶菓付き)

*栗名月ともうたわれ愛でられてきた旧暦9月13日の月を想うしつらい遊び。
月見の由来を学んだ後、お団子作り、
古いお道具を使って月見のしつらいを行います。
そしてしつらいの後はお月様に因んだお菓子でゆったりしたひとときを。

持ち物:エプロン、月にちなんだ物で飾ってみたいもの

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「きもの日和In大野 着物で巡る港町の町家」

10月11日(日)午前の部 10時20分集合 10時半~12時+ランチタイム*
            (*ムシャリラムシャリロさんのお弁当) 
       午後の部 13時20分集合 13時半~15時+おやつタイム*
            (*お醤油の町・大野ゆかりのスイーツ) 

午前の部はランチ実費 午後の部はおやつ代実費 共に千円前後?

こまちなみには着物がよく似合ふ♪
着物姿で大野町を散策しながら、
ふだんは中まで見ることのできない町家を拝見しませんか? 
町家に展示されたアートにもふれ、
午前の部はムシャリラムシャリロさんのお昼、
午後の部はお醤油の町ならではのおやつをご一緒に。

*****************************

お申し込みは、
金澤町家研究会の事務局まで、
お電話、ファックス、メールでどうぞ。

TEL&FAX 076-253-3517
メール kanazawa-machiya@nifty.com
①催し名 ②参加日時 ③お名前 ④人数などお知らせください。

とり急ぎご案内まで。