昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―26

2017年04月11日 | 日記
翌朝。しかし、とっちゃんは思いの外元気だった。 「おお、グリグリ~~。お帰り~~。宵山よかったの~~」 配達が終わって帰ってきた僕に、いつもの場所から大きく手を振ってくる。 「宵山、何かええことあったんか~~?」 カウンターから首を出したおっちゃんの顔がにやついている。どう応えていいかわからず黙って微笑む。 「きれいなネエチャンいっぱいおったもんなあ。なあ、グリグリ~~」 その快活さを . . . 本文を読む