1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―28(最終) 2017年04月18日 | 日記 「もうええやろう。みんな、そのくらいにしとき」 奥からおっちゃんが出てきた。僕たちのやり取りを耳にしながら、顔を出すタイミングを計っていたようだ。 玄関の引き戸が開き、カズさんが入ってくる。カズさんもまた、入るタイミングを待っていたようだ。とっちゃんからは、玄関の擦りガラスに映るカズさんの姿が見えていたのかもしれない。 「もうええか?みんな。夕刊、頼むで」 カズさんのいつもの大人の笑顔が、 . . . 本文を読む