昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―27

2017年04月13日 | 日記
翌朝、とっちゃんに掛ける言葉を考えながら、いつものように新聞を配り終えた。 そっと販売所の引き戸を開けると、とっちゃんの顔が真正面にあった。とっちゃんは、いつものようにいつもの場所に腰掛け、いつものようにタバコを咥えていた。 「グリグリ~~。お疲れさん~~」 その声もまたいつものように明るく、大きかった。 階段下には、珍しくみんなが揃っている。 何かを考えている顔の大沢さんの横に桑原君。 . . . 本文を読む