昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   40.それぞれの清算

2013年03月25日 | 日記
それぞれの清算 桑原君がドアを開けると同時に、柳田が身を屈めて忍び寄ってきた。僕達をすり抜けるように外に出て、唇に指をあてる。それを合図に、三人は額を寄せて輪になった。 「どうもすんませんでしたねえ、ママの件では。ちょっと、これだけはお知らせさせといてください。実は、その風呂敷包み、ママ開けはったんですわ。中にもう一つ風呂敷包みがあって、それ開けると木の箱があったように見えたんですが、その上に . . . 本文を読む