昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   37.終わりの始まり

2013年03月08日 | 日記
終わりの始まり 「本当は、誰も大事にしてへんねん!」 桑原君が、グラスを見つめながら声を上げる。いきなりの大声に、“ディキシー”に一瞬の静寂が訪れる。 「何言うてんの?!桑原君!」 夏美さんが滑るようにやってくる。止まっていた“ディキシー”の空気が、また動き始める。僕は、グラスに残っていたジンライムを一気に飲み干す。 「折角ここまで頑張って . . . 本文を読む