昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   39.夏美さんの豹変

2013年03月21日 | 日記
夏美さんの豹変   風呂敷包みを預かった翌朝、桑原君はその存在の重さを思い知らされる。簡易宿泊所に隠し場所はなく、持ち歩いていては仕事にありつけない。持って外に出てみたが、どうしていいものやら、まるで思いつかなかった。 風呂敷包みを小脇に、朝まだ早い路上に立ち尽くしていると、三々五々宿泊所から出てくる人たちの眠そうな目が、必ずと言っていいほど風呂敷包みに止まるのも気になった。 小 . . . 本文を読む