26日(土)の第二面に載った次のような見出が目が留まり、句のイメージができました。
諫早湾堤防「開門」は無効
福岡高裁差し戻し審 国勝訴、判断統一へ
長期闘争 怒りと疲労感 漁業者ら
国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門を開けるように命じた確定判決の無効化を国が求めた訴訟の差し戻し控訴審で、福岡高裁は25日、開門は許されないとする国側勝訴の判決を言い渡しました。
堤防閉め切りから4月で25年、干拓を巡る法廷闘争が長期化している状況を「泥沼」とし、見出しの「疲労感」を「徒労感」に変えたのは、ドロとトロウで韻を踏む効果を狙ったものです。
国の主張、漁獲量が増加傾向で開門の必要はない、開門すれば水害と塩害の恐れがあり営農に支障が出る、を高裁が認めたものですが、漁業者は頼みとした司法に裏切られた思いで「海に潜りにきてみろ」と怒りをあらわにし、干拓地の営農者は手放しで喜べず漁業者側をおもんぱかる声も多いそうです。
有明海をご覧になられたことがありますか?
私は九州にいた時に何度も湾の周囲を通りました。
潮が引いた海はまさに泥沼のようでした。
諫早湾はその有明海の湾ですから、さぞかし泥々していたと思います。
堤防が締め切られて25年ですか。早いものです。
もう息子たちの世代ですね。
今更開けろと言われても、難しいでしょう。
時間がかかりましたが、時間の重みが出した判決のようにも思います。
実際に有明海を見たことはありませんが、テレビで泥まみれのムツゴロウがキョロキョロしている様子、それを引っ掻けようと釣竿を振る姿を見たことがあります。
あと、ギロチンと呼ばれる鉄板で締め切る様子も見てますが、25年間もめていることは今回知りました。
これまで投入した事業費を考えれば、今さら開ける訳に行かない、面子にこだわる国に、地元の漁業者と営農者が迷惑している、そんなふうに感じました。