今日のシネマ
2020年 日本 / インドネシア
北朝鮮強制収容所の過酷な環境で生きていく家族とその仲間たちが成長していく姿を、
生存者証言を参考に描いた長編アニメーション。
1950年代から始まった在日朝鮮人の帰還事業により北朝鮮に渡ったヨハンの家族は、
両親と幼い妹とともに金正日体制下の北朝鮮で暮らしていた。
しかし、父親が政治犯の疑いで逮捕されたことにより、母子は強制収容所に入れられる。
極寒の収容所での苛烈な生活に耐え忍びながら、家族はなんとか生き延びていたが、
収容所内の食料確保によるトラブルによって母が殺害され、
自暴自棄となったヨハンは次第に追い詰められていく。
そんなヨハンは、死に際に母が遺したある言葉により、本来の自分を取り戻していく。
監督の清水ハン栄治が、収容体験をもつ脱北者にインタビューをおこない、
10年の歳月をかけて作品を作り上げた。
2020年・第33回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品。
(映画comより)
ブロ友さんが紹介されていて、とても気になったのでリスト入りさせていました(zooeyさんありがとうございます)
見終わった後、ショックでなんだか放心状態になりました
これ、アニメーションなのですが、実写だったら辛くて観れなかったと思います
↑青字のイントロダクション通り、
実際に収容所に入れられた脱北者などに取材し、それを元にストーリーを作ってあります
それは目を逸らしたくなるシーンばかり・・
日本人拉致被害者が収容所にいたという証言からの場面、
「赤とんぼ」の歌を聞きながら身体が震えました
絶望しかない場所・・・
連帯責任や密告制度により、人格が壊れていくのも恐ろしかった
強制労働や収容所の話は過去の歴史の中で散々語られてきたことだけど
何が問題かって、これが過去の話ではなく、私たちが住む同じ空の下で
今現在もこの強制収容所の中に多くの人がいる、という事実・・
現実を知っても何も出来ない、という無力さはあるけれど
まずは知ることから、だと思う
禁忌の場所で実際に起こっている惨事を是非、自分の目で確かめてください
一人でも多くの人が観るべき映画だと思います
「トゥルー・ノース」・・・北の真実
その直訳の意味とは別に、
「決して変わらない目指す方向、正しい方向」「生きる意味」という英語の慣用句もあるそうです
(自分がどの位置にいようともコンパスの針は常に北を指すことから)
2022-11