今日のシネマ
2009年 ドイツ/オーストリア/フランス
世界的トップモデル、ワリス・ディリーのベストセラー自伝本 『砂漠の女ディリー』 を映画化した衝撃と感動のドラマ。
ソマリアの遊牧民家庭に生まれたワリスが世界的トップモデルになるまでの華麗なサクセス・ストーリーに秘められた波乱の半生を描き出していく。
主演は自身もトップモデルのリヤ・ケベデ。 監督はシェリー・ホーマン。
ソマリアの貧しい遊牧民の家に生まれた少女、ワリス・ディリー。
13歳にして、父親に無理やり結婚をさせられそうになった彼女は、都会に暮らす親戚のもとへ逃げ出し、やがてロンドンへと渡る。
その後、一流カメラマンに見出された彼女は、すぐにモデルとして頭角を現していくが・・・。(TSUTAYAより)
路上生活者から有名モデルに、という、いわゆるサクセスストーリーではあるのですが
そんじょそこらのものとは違います。
原作も含めてこの映画が作られた一番の目的は、彼女の成功ぶりではなく
その影に隠されていた衝撃の事実を世に知らしめるため。
FGM・・・「女性性器切除」の略語でアフリカを中心に2000年以上も続いている民族の伝統的な儀礼。
ワリスはこれを3歳の時に受けました。
それは映画の後半で語られるのですが、同じ女性として生れてきて、
こんな辛い目に合っている人がいる、という事実をどう受け止めたらいいのでしょう。
有名になったワリスはその知名度を利用して自分が受けたこの慣習について世界に発信しました。
その後、国連が根絶に取組むことを発表したり、廃止を訴える支援団体ができたりはしたものの
映画のクレジットを読む限り、これが決して過去のことではないことがわかります。
今もワリスは国連大使として世界中で啓蒙活動を続けているそうです。
彼女の勇気ある行動に拍手を送ると共に、一人でも多くの人がこの事実を知る事、
それが大切なのかな、と思いました。
是非、観て欲しい映画です。(但し、割礼を受ける辛いシーンあり)
ワリスを演じたリヤ(左) と 本物のワリス(右)