肉豆腐と酒いっぱいではお店も迷惑する。 次に席を譲ろう。
ここは俺が情報収集する場所だ。
朝は仕事を終えた水商売のお姉さん達お兄さん達 昼は年金生活者 夜はサラリーマンと雑多な人の集まる場所だが人と人が近いので思わず 貴重なネタが耳に入って来る。
場を荒らさないように印象を良くしないといけない。
「吉田さん そろそろ腰を上げましょう」
話を切り上げるのにも良い機会だったようだ 専務も立ち上がられた。
「良い所へ連れて来て貰いました 楽しかったよ」
「さあ次はチョイ悪オヤジ御用達のサウナでも行きますか?」
「いや 今日は行くところがありますので このくらいにしましょう」
「それではお送りします」俺は小松を電話で呼んで 車の入れる場所まできてもらった。
専務は送り先を会社ではなく 途中にある病院を指定された。
途端に朝の違和感を思い出した。
行きは駐車場から 帰りは病院まで なんか引っかかるものがある。もう一度渡された名刺を見ながら 考え込んでしまった。