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■戦争経済から環境経済へ

2024-04-08 | ●北條語録

■■■■■戦争の経済から,環境の経済へ■■■■■
 
 北條俊彦
 ●経営コンサルタント・前 住友電工タイ社長

    鎌倉を 驚かしたる 余寒あり 高浜虚子
🔵三寒四温の候、本日、無事に株主総会が終了。
     
最近, 各社株主総会で 独立社外取締役に対し, 発言を求める
機会が増えており、想定問答として
(Q)「独立社外取締役としての役割と,経営監督の立場とし
         て意見を聞かせて欲しい

   
(A) 「株主様共通の価値や利益を代弁する立場から業務執行
に対する実効性の高い監督を
本分とし, 当社の経営目標に役
立つことが
重要だと認識
重要決定事項について 自身
の経験と見識に基づき, 取締役会
などで中長
期的で幅広く、且つ多様な視点から、市場や産業
構造の変化と 現状を見据えて活発に意
見を述べさせて頂くと
共に, 最終的な経営判
断について監督してまいりました。

🔵前期は, 様々な問題で市場や産業構造は大きく変化し, 当
社事業に一時的とはいえ 影響
を与えるものでありましたが、
市場での技術要
求レベルの 高度化により、当社の競争優位
はグローバルに拡大してきております。

当社の成長戦略は, 環境問題や社会問題して企業責任を
国際基準で捉え, 本業を通じ
その対策や貢献に資することを
基本とし、ビジ
ネスチャンスやターゲットを正しく捉え, そ
れらを
確実に獲得するロードマップと 戦略も 具体的に描か
れており、実現に向けて確実に進んでおり
ます。

また, 今期は成長戦略のフェーズ1である 中期経営計画達成
年度であり、結果が楽しみです。

次に企業風土や企業文化という目に見えないもの、則ち従業
員のやる気やエネルギーと
なり, そして 経営戦略に直接影響
を与える大
切なものとして, 人財育成と共に 確実にマネジ
ントされて行くよう監督して行きたいと考えて
おります。

因みに, 企業風土とは職場の人間関係や組織の機能、社員一
人一人から見た労働環境。
企業文化とは, 経営戦略の実行の
仕方や目
的達成の為のルールやしきたり, そして行動規範で
す。

最後に,当社は社外取締役に対し常にオープンで議論の前提
となる正しい情報を 提供しよう
とする姿勢があり、情報を
共有の上議論を尽く
すようになっており、コーポレート ガ
バナンスはしっ
かりと効いていることをご報告致します。
引き続きまして, 株主の皆さまのご理解とご支援をお願い申
し上げます。』

しかし, 議長の的確で真摯な総会運営で円満、且つ建設的な
意見交換の場として 実に有意義に総会
を終えることができ
想定問答は不要となった(笑)。

🔵株主総会で環境問題や持続可能な成長についての取り組
みが、頻繁に議論されるようになって久しい。

環境経済対策の目玉である電気自動車(EV)普及の伸びが  最
近頭打ちのようだ。自動車メーカー各社
との競争激化と  市
場価格の低下でテスラー社の
業績は不調,  中国でも大きく影
響を受け 景気の
低迷が続き中国自動車メーカーの経営を 圧
迫し
ている。
世界的に見てEV化の潮目が大きく変わってきているようだ
元々, 日系自動車メーカー潰しの戦
略として欧米が仕掛けた
ものの、中国の一人勝ち。

また, 環境、エネルギー供給、インフラ整備、EV自身の品質
・技術・環境対策(バッテリーの大量廃棄
からリサイクル化)
等多くの問題を抱え、欧州では従
来方針(2035年全面EV
切り替え)を軌道修正
しようとしているのだ。

米国・中国では,EV在庫が積み上がり、特に中国都市部では
膨大なEVの放置、廃棄が大問題と
なっている。EVは消費者
の求める安全性や走行
距離, そして充電インフラ、商品価格
等の要求を
満たしておらず, 自動車メーカーは『死の谷』を
迎え
ているようだ。

 ●(CO2のシンボルキャラ)
🔵「多くの日本企業が、今,何故CO2削減を目標として行動
するのか?」
それはパリ協定など世界の環境問題として 地
球温
暖化が外せないということである。


「パリ協定では 産業革命以降、化石燃料の大量消費により
温室効果ガスを大気中に排出、産業
革命以降 100年間で
平均温度は0.74℃上昇
し,  近年になるほど温度上昇の傾
向が加速して
いるとして、産業革命前を基準に 平均気温の
昇を2℃よりも低く抑え1.5℃以下を目指すことを目標
に掲げている。

地球の温度は、大きく考えれば太陽からの放射エネルギー
(地球が受け取るエネルギー)と地球
からの放射エネルギ
ーが均衡するところで決まる。

物体が放射するエネルギーは物体の表面積が一定ならば、
その表面温度(絶対温度)の4乗
に比例するという ステン
フアン・ボルツマンの計算
式を使えば、地球の温度は マイ
ナス18度であり、
実際の地表温度はそれよりも 33度も
高い15度
となっている。その差が 温室効果ガスによる放
制限の影響として考えられ、放置すれば地球全体が 熱帯
化し氷河が溶けて海面は上昇、多くの
陸地が水没する」
いうのがパリ協定の主張する根拠だ。



🔵次に、金融資本の働きかけが強いということである。
戦争と同じように“環境の経済“は, 資金の
需要と利益を産む
のであろう。
2006年にアナン7代目 国連事務総長が「責任投資原則
(PRI)」を提唱, 金融機関などが, 投資
の意思決定や株主とし
て行動する場合、環境、
社会問題、企業統治への 取り組み
を考慮すべき
というものであり、2015年には 「国連サ
ミット」で世界が社会課
題を解決して持続可能な発展を遂
げられるよう、
新たな国際目標「持続可能な開発目標(17
ゴールと169のターゲット) 」即ち「SDGs」が  採択
されている。


                   国連アナン第7代事務総長 出典:JIJI

SDGsの開発目標は異論を挟む余地のない素晴らしいものだ
が,実際に達成することはかなり
難しく「絵に描いた餅」に
なりかねない。
各目標の矛盾点も多く, 整合性とその前提が
本当に正しいのか冷静に検証する必要がある。
少なくとも, 各国の経済格差や達成環境が違う中で課題を共
有し、実現のための深い議論と具
体的なロードマップを策定
することが先決であろう。

美辞麗句を並べるだけで, 指導力のない政治の迷走を横目に
企業だけがその実行を求められる。

企業は本業と各目標との接点を棚卸しし, 冷静, 且つ 客観的
に本業を評価分析してみることが
大切で、逆にSDGsを技術
革新や成長の機会
と捉えて,成長戦略に繋げて行くことが大
切である。
そのためにも本業で貢献する内容を より定量的、
且つ, 計画的な指標として客観的に理解できるよう科学的ア
プローチに基づいた企業目標にする
ことが肝要である。  


🔵2019年に「責任銀行原則(PRB)」で, 131の銀行が 署名
宣言, ESG投資は金融機関の強く求め
るテーゼとなっている。
日本からもメガバンク3行と三
井住友トラストホールデイン
グスが署名しており、金
融機関が、SDGs達成と 気候変動に
向けた共同行
動を目指すとこととした。
  
PRIが提唱されて以降、確かに企業価値の評価基準は大きく
変わった。
これ迄の財務諸表を中心
に 短期で大きなリターン、即ち、
INCOME GAIN配当
CAPITAL GAIN株価変動益
   を求める投資から長期の運用で将来的な資産形成を図り,
且つ投資家自身がその投資を通じ

社会貢献(社会的責任投資:SRI)するように
なってきている。
この社会的責任投資がESG投資の基本である。
寄付を中心としてきた欧米企業の社会貢献とは 根本的に違
い、日本企業は長い歴史の中で「
業を通じ 社会貢献をす
る経営」を重ねてきた。

ために, 世界の投資家にとって日本こそ魅力あるESG投資市
場の一つであり、また日本企業に
とっても 安定的資金の確
保と 企業活動の持続性
が得られ、更に成長させる大きなチ
ャンスがやって
きたとも言えるだろう。
そのため企業は、投資家を含めたステークホルダーに対し,
ESGに関する中長期的な戦略や取り組
みについて 情報を提
供する必要がある。

情報開示のポイントは以下の4点、
成長戦略と中期経営計画のESGとの関係性 
マテリアルなESG課題とその特定プロセス 
トップのコミットメントとガバナンス体 
指標と目標値(数値の扱われ方は要注意) 
  
🔵将来, 地球温暖化対策として カーボンプライシングの導
入が考えられているが、化石燃料の枯
渇化による エネルギ
ー価格高騰など複合的にコ
ストを引上げ 企業の収益を 圧迫
するだろう。

カーボンプライシングとは、CO2に価格を付け, 企業や家庭
に排出量に応じた負担をさせる政策で

⑴化石燃料使用に伴うCO2排出量に応じて課税する「炭素税
   と、

⑵CO2の排出超過分や、不足分を国同士や企業間で取引する
    排出量取引制度がある。


(出典)環境省

パリ協定は政治的な交渉を経て合意されたものであるが、
温度目標とゼロ排出目標の整合性は
まだ、科学的にまだ十分
に検証されておらず甚だ
疑問である。空気中の約0.03%し
か占めない
CO2の濃度の上昇が、果たして地球の温度上昇
影響を与えるのだろうか?

公正公平, そして確証(科学的根拠ある正確なデータ)無き
政治的合意(国際ルール)は、一部の
者の懐を潤すだけの胡
散臭いものとしか思えない。

また地球温暖化は、単に地球の自然なサイクルだと 考える
科学者もいる。
地球の周期的な気候変動では, いつ氷河期に
入してもおかしくないと言われているが、パリ協定の 目
標が達成されれば氷河期の始まりは、更に
十万年も遅れる
そうだ。

🔵百年の議論も十万年の議論も “本質(真実)”は同じであ
り,本質を捉えることこそが未来への指標
となる
普遍のメカニズムの基本となる原理・原則
に基づく仮説を構
築し、真なる法則に近づけること
が重要である。

  
      ●美しくきれいな地球 (環境庁)
五百万年前アフリカに人類が誕生し、進化を重ねてきたが、
現代の文明社会の歴史は僅かに一万年
程度。何よりも人類や
現代文明社会は、更に進化
を続けていけるのだろうか?』
話が脱線してしまったが、少なくとも 百年後も,十万年後も
私はは存在していないのだが(笑)

   

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