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■中国製EVは,どうなる。

2024-05-16 | ●中西語録

■■■■■■■■中国製EVは、どうなる■■■■■■■■

 
中西英樹
タイ王国チェンライ市在住 ・ ロングスティヤー

■■観察」
🔵民俗学者宮本常一さんに「父の10箇条」がある。


15歳の彼が周防大島を出るときに父親から贈られた言葉という。
その第1条は次の通り
汽車に乗ったら窓から外をよく見よ
田や畑に何が植えられているか
・育ちがよいかわるいか、
・村の家が大きいか小さいか、
瓦屋根か草葺きか
そういうこともよく見ることだ。
駅へついたら人の乗りおりに注意せよ、
そしてどういう 服装をしているかに気をつけよ
また、
駅の荷置場に どういう荷がおかれているか
をよく見よ。そういうことでその土地が富んでいるか貧しいか,よく
働くところかそうでないところかよくわかる。
フィールドワークを志したことはないが、この「父の10箇条」の
一部は心に残っている。だからどこに行っても目に入る風景, 光景か
ら なぜだろうと考え、根拠はともかく納得できる理由を探そうと い
う傾向がある。


慈円の「我には許せ、敷島の道」ではないが, 別に人に迷惑をか
けることでもないし。
でも 昨年93歳で亡くなった社会学加藤秀俊さんは、車窓から
見た風景の観察から1冊の本を書きあげている。書名は失念したが,
確か北陸や関西の家の屋根の比較から説き起こしていた記憶がある。
学者とはすごいものだ。プロとアマの格の差を感じる。

■■長閑な風景
🔵
車窓から北京の風景を眺めていた新緑が眩しく藤の花も見えた
晩春, あるいは初夏の一番いい季節だったかもしれない。
日曜の午前だったせいか、交通量もさして多くないし, 大型車両も少
ない。ベトナムのダナンからフエに向かった時は、大型トラックや、
バス,ミキサー車などが行き交っていた。
ダナンは国際貿易港だし,近郊には工業地帯があるから経済活動が活
発なのだろう。
北京空港に向かうバスからは、産業を思わせる建物はほとんどなく、
時折,中層のアパート群を見かけるくらい。道路の両側には緑の木立
が続く。
日本の田舎にあるような川が流れていた。2、3メートルおきに釣り
人が座っている。日本でも昔は川があれば釣りをしている人が 見ら
れた。北京の釣りはチェンライの釣り人と同じく趣味というよりは、
貴重な蛋白源を得ることが目的だろう。

昔、母が自分の釣ってきた川魚を焼いてくれたことを思い出した
数十年、もっと前になるのだろうか。
ガソリンスタンドをいくつか見かけた。自分の見た限りではEV充電
設備は無いようだった。EVはどれくらい走っているのだろうと 思っ
て並走する乗用車を見た。ベンツなどの外車には マフラーが付いて
いるのでガソリン車と分かる。EVには排ガスを導くマフラーはない。
でもバスの高さからは乗用車の後部がよく見えない。車高が低い 車
はEVだろうと思うことにした。

電気自動車(EV)はどうなる
  ●国家権力の長、習近平主席

■■中国製EVが8割以上
チェンライにも中国のBYD社のショールームがある。1号線に面して
おり、通りすがりに見ただけだが, 人目を惹くデザインの乗用車が展
示されていた。BYDは2023年1月に日本に進出したが同年中の売り上
げ台数は1446台に過ぎない。
タイにおけるEVの動向はというと 2023年のEV販売台数は 6万8千台
新車販売台数に占めるEVの割合は8.6%と日本の1.46%に比べると非
常に高い。BYDはラヨーンに年産15万台規模のEV生産工場を 建設中
で、2024年に稼働させるとしている。

🔵中国のEV車
欧米ではやめたが タイでも日本と同じくEV購入に関して国の補助が
あり,その額は1台当たり日本円にして60万円ほどだ
タイでは輸入車に対して関税がかかる。ホンダ  シティを購入した時、
日本の倍の価格だったことを覚えているが、現在, 中国製EVへの輸入
関税はゼロ。こんなところにもEV普及の速さがあるのかもしれない。
それでチェンライでEVを見ることがあるかというと全く見ない。
充電設備はセンタンや 大きなホテルにあるが、充電中の車を見た事
がない。
タイではまだ充電設備、特に急速充電設備の普及が 遅れていると言
われ、国道沿いの充電設備にお目にかかったことがない。
まあ北タイは田舎だから、EV普及はバンコクなど都会だけの現象な
のかもしれない。タイ政府は2035年までにガソリン車ゼロの政策を
掲げているが実現できるのだろうか。



■■核となるバッテリー技術も発展途上
🔵タイでEVが売れている理由としてタイの電気価格がガソリンに比
べて安いから があげられる。欧州ではウクライナ戦争の影響で原油、
ガス価格が上昇し、EVの走行コストはガソリン車より割高となって
いるという。
またEVは気温の低下によりバッテリー性能が著しく低下する。車内
暖房を入れれば尚更だ。北欧では バッテリー切れのため道路で立ち
往生するEVが続出と報道されていた。零下の道路でエンコすれば命
に関わる。

EVについては欧米や中国と日本の開発に関する考え方の相違が明ら
かになったように思う。特に中国は走りながら考える、だ。多少の
不備があってもとにかく市場に出して先行利得でシェアを取り、そ
の過程で利益を上げ、改良を進めていく。あまり報道されていない
が中国のEVが爆発したというニュースはネットでよく見る。
昨年7月、オランダ沖で3783台の車を積んだ日本の車両運搬船が 火
災を起こし1週間燃え続けた。この火災の原因は積載していた498台
のEVの1台から発火したからと言われる。リチウムイオン電池は 発
火すると高温となり消火が難しい。

中国では1日に1台のEVが発火炎上しているというし、充電中の電動
2輪車、電動自転車が発火して, マンションが 焼け落ちたという報告
もある。運転中の急加速, ブレーキ故障など CPU 上の不具合は 改良
できるのかもしれないが、バッテリーそのものの不具合, 危険性が解
消されたという話はまだ聞いていない。

 
■■日本潰しの悪だくみ
🔵EVはCPUでコントロールされる。テスラは諦めたようだが, 当初
は人が乗れば,  何もしなくても目的地の前まで運んで 行ってくれる
EVを目指していた。車内いたるところにCPUがあって、外部からも
コントロールできる。
中国ではブレーキを踏むと,急発進するというクレームを再々メーカ
ーに申し立てたが 埒のあかなかった ユーザーが、このクレームを
SNSに投稿したところ、メーカーは 遠隔操作で当該車のドアの開閉
ができなくしたという。

欧米では中国製EVの締め出しを図っている。それは今のAI技術だと
誰が何処を走って何処に行ったか、誰が車内で何を話したかまで 中
国に筒抜けになる可能性があるからという。日本では 締め出しどこ
ろか まだ中国製EV購入に対して国民の税金である補助金を出してい
るが、いい加減やめたらどうかと思う。

🔵補助金を出さなければ売れない車は、そもそも市場競争力がない。
日本のエンジン技術に どうしても敵わないと悟った 欧米と中国が、
トヨタを始めとする 日本車潰しのために 編み出した「悪だくみ
それが「環境にやさしいEVの促進」だ。


産、廃棄、発電時のCO2排出を考えれば環境に有害, バッテリーの
爆発、早期の劣化、短い走行距離、充電設備の不足、長時間の充電,
高価な車両本体,高修理価格、これらの理由により欧米と中国が 結託
した悪だくみは瓦解しつつある。
世の中,正義は勝つとは限らない、多々あるけれどもEVに関する限り、
正しいことは正しいが実証されつつある。個人的には大変うれしい

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