■■■■■■■■■「老いるとは,今を生きる事」■■■■■■■■■
■「齢の取り方」
🔵私どもが若い頃には,日本のお年寄りは,いつも家族の中核だった。
お風呂に入る時も, 食事の時も 「お爺ちゃんから,どうぞ」
これが古くからの日本の麗しい習わしだった。今の日本に,もうそん
な情景はない。
戦後、日本の老人は,いつしか家族から守られる立場から,終生,自立し
なければ,生きていけない立場に変わってしまった。理由は様々ある。
日本の家族制度の崩壊を唱える人もいる。世の中が様変わりしたせい
だという説もある。
🔵何はさておき、高齢化による日本の人口構図を見ると、その実態
がよくわかる。この20年間でより高齢化が進み,社会構造的に益々
難しい局面が予測される。
日本の高齢化率は、全ての団塊世代の高齢化入りで既に29%を超
える。
年寄りという呼び名が、いつしか「老人」になり「高齢者」になり、
その一部が「後期高齢者」に格上げされた。 最近では「百歳時代」
の到来などと喧伝されるが、殆どの高齢者が,百歳まで生き残れるよ
うな誤解を与えかねない風潮でもある。
🔵岸信介元首相の有名な「老いの三則」がある。
・ころぶな、
・風邪ひくな、
・義理を欠け、
🔵作家の外山滋比古さんは ,著書「老いの整理学」の中で,歳の取
り方にはふた通りあると記している。
・「うまい年の取り方」
・「つらい年の取り方」
思い当たる節として、老人が,生きる自信を喪失したせいか、
・「絶えず人の欠陥を批判し攻撃する」
・「ほめる事をしない」
・「誉める事を知らない」
という高齢者が、増え続けている。
にも拘らず, 殆どの高齢者の拠り所は 「ほめてくれる友」を持つ
事だという。その確証として,たいていの老人は,ホメられると途端に
元気になる。
このような高齢者の二律背反的な行動は, 我儘勝手なものとしかいい
ようがない。しかしながら,お互い心から褒め合う事が出来れば,とん
だ馬鹿力が生まれる事もあるという。俗にいう「老人力」である。
捨てたものではない確証といえるだろう。
これは高齢者が多い「マンション管理組合の役員会」や,老人グループ
活動の運営を仕切る秘訣でもある。
■「キレる老人」
●最近「老人の逆切れ」が大きな社会問題になった。少し古い話
題で恐縮だが、元大企業の社長の妻への暴力による逮捕案件である。
この元社長は,疲弊した企業を立て直す時代の寵児だった。たちまち
マスコミが動き,あっという間に悪行の寵児と化した。そして折角の
経済界の名声が藻屑と消えた。まさに「老害の極み」である。
戦後生まれ, しかも戦後昭和が華開いたころに社会デビューした戦争
を知らない「団塊戦後派」の典型的な世代である。
しかもこの世代は、俗に約800万人とも言われ 企業戦士としての競争
意識が強く、バブル期の恩恵を色濃く受けた人達である。
近頃,増え続ける「老人クレーマー」は,比較的この団塊世代に多
い。その理由について識者は、戦中派と異なり、彼らが戦後の再建
苦労を知らずに贅沢に育った挙句、定年後、老後の孤独社会に耐え
きれなくなって引き起こす社会現象と見る。
🔵(ごく最近のマスコミの老人記事の見出し)
・「自分勝手なシニアの醜態」
・「暴走する老人に大迷惑」
・「老人は権利意識が強い」
・「過信が生む高齢運転の悲劇」
・「心の衰えが老人をキレさせる」
・「忖度する社会がキレる老人を生み出す」
・「人生100年時代の老後設計」
🔵もう一つの大きな理由に,高齢者世代の格差問題がある。
かつて戦後昭和の日本は, 平和で豊かな中庸層(中間層)が大部を占め
る理想的な生活者社会と言われた。
スエーデンやデンマークなど 北欧諸国が、いつも世界の生活先進国
と言われるが、いずれも人口が百万人台の中小国である。
その10倍を越す人口の日本が,戦後の荒廃から再興のハンデキャップ
を背負いながらもGDPで世界第2位に躍り出た時, 世界の注目を浴び
た。
それも束の間, 少子高齢化が進み,いま後退局面にある。その顕著な
弊害として見えてきたのが、高齢者が引き起す「老害」である。
⚫️どうあれ暴走する老人には、世の中は大迷惑である。
暴走老人には「いたわられて当たり前」という自己中心的な思
いが多い。
そして共存する社会の利益よりも, 自分の利益を優先する意識が強い。
もはや 「高齢者イコール弱者」という日本本来の考えが,成り立たな
くなってしまった事が残念でならない。
識者によると,高齢者は歳を重ねるごとに 脳が退化するため自己中心
的になるのはごく自然な現象だという。だからと言って 老人の横暴
や暴走が許されるはずはない。
心豊かな老人は謙虚だ。心なきもののように威張ったりしない。
たれしもいつかは老人になるのだから、心して自覚するしかない。
⬛️「他山の石」
⚫️いま日本では,親子の絆の喪失など,社会問題が続出している。
かって美徳とまで言われた,あの日本の家族制度がことごとく崩壊し
跡形もない。戦後の日本では,農村に至るまで殆どの家庭で,自立と言
う名のもとに核家族化が進んだ。
子どもは,家庭を持ち健在するにもかかわらず、親の「高齢者お一人
さま家庭」が急増している。
⚫️国を挙げて麗しい親子の絆を保ち続ける 伝統国家がある。
タイ王国である。いつもタイを訪れると羨ましく思うのは、お年寄
りを大事にするタイの家族に出会う事だ。
タイには, 伝統的な風習と,現代的な習慣が混在するにも拘わらず,独
自の家族の形が作られてきたという。
典型的な事例として,タイでは古くから男が婚出し,女性が生家に残る。
そして末娘が親を扶養する習慣がある。そして親族は,日常の仕事と
生活を相互に扶助しながら,子供を躾け老後は子供が親の面倒を見る。
そして親は,子供のためにできるだけ財産を残すと言う。
かつて伝統的な日本の農村でも、同じような風習と風俗が あったと
聞いたが、今や微塵もない。
●タイの都会地では,女性のほぼ8割が、就労する共稼ぎ家族が多い。
しかし古くからの家族制度は厳然と守られ 企業や行政の幹部には、
女性が多い。
去る24年前、私どものNPO団体「日タイ国際交流推進機構」が活
動を開始するにあたり,所轄官庁のタイ通産省(バンコク)を表敬訪
問した。担当局長、部長、課長など 対応した人達8人全員が女性だ
った。
女性の就業が多いせいか タイの家庭には台所がない。家庭では調理
をしない。だから殆どの家庭では,朝から家族全員での外食が習慣化
している。これも生活のための賢い知恵といえるだろう。
ようやく日本でも 女性の地位向上をめざす動きが盛んになってきた
が、企業でも, 女性が幹部に起用されるケースが増えつつある。
幸いにも日本では,コンビニや食品スーパーが全国に普及し,女性就労
を助けている。
🔵この10数年,産業構造の進展でタイ経済は激変した。自動車や食
品産業が盛んで、ASEAN の中進国として経済は上向き, 軍政から民
政への回帰も実現した。
好調な自動車生産など、タイ経済は確実に伸展しておりタイ現地企業
の幹部(部長)給与は、日本の幹部給与を上回わるとも言われる。
■「心への回帰」
●ながらく国際交流事業でタイと関わってきて、感じることがある。
言葉は違うが,生活習慣や風土などでタイと日本が、極めてよく似か
よっていることに驚く。折しも来年の関西大阪万博開催の機会に際
し,タイやアジアの人たちとの民間交流を深めてゆきたい。
そして,日本人としての「心への回帰」を取り戻しつつ、いま当面
する腐敗政治の行方を正して,老後の毎日を有意義に過ごしていきた
い。 (Yama)
■■■■■■■■■■■関連資料■■■■■■■■■■■
■齢を重ねる秘訣
「黄帝内経](東洋医学の古典)(出典:漢方医学研究所)
・男性は8の倍数・女性は7の倍数
これが年齢の節目、自身の体に変化が起きやすいと,注意を促す。
常に体の変化を知り、老化を防ぎ、齢を重ねることを推奨する。
🔵「男性」 (8の倍数) 🔵「女性」 (7の倍数)
・32歳(筋肉逞しくなる) ・35歳(肌の色つやに陰りが)
・40歳(疲れが取れにくい) ・42歳(白髪が混じり始める)
・48歳(白髪が目立つように) ・49歳(閉経を迎える)
・56歳(トイレが近くなる) ・56歳(冷えを自覚)
・64歳(筋肉が衰え始める) ・63歳(トイレが近くなる)
・72歳(目が見えにくくなる) ・70歳(目が見えにくくなる)
・80歳(物忘れがひどくなる) ・77歳(腰痛や膝痛を感じる)
・84歳(物忘れしやすくなる)
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