MVKのいろいろ

残り少ない人生、その楽しい余生のあり方を目下研究中

梔子(くちなし)の実

2012年02月19日 | Weblog
散歩の途中、道ばたの植木の木陰に何か赤い物が見えたのである。近寄ってよく見たところ、それが、この山梔子(くちなし)の実であった。今頃、山梔子の実がよく枯れないで原形をとどめていたものだと感心した次第である。
山梔子は、そのネーミングの通り、実をよく観察すると、口らしいものが見あたらないのだ。先達は、よくも旨いこと山梔子と名をつけたものだ思う。此の山梔子の実は、栗きんとんの着色用に用いられる貴重品。でも、栗きんとんを造るとき探し回ったことがあるが、中々見つけることが出来ず、やむなくお店で買ってきたことがあった。

梔子(くちなし)・茜(あかね)科。
・学名 Gardenia jasminoides(クチナシ)
Gardenia radicans (コクチナシ)
Gardenia : クチナシ属
jasminoides : ソケイ属(Jasminum)に似た
radicans : 根を生じる
Gardenia(ガーデニア)は、
18世紀のアメリカの医師かつ博物学者の、
「Garden さん」の名前にちなむ。

・開花時期は、 6/15頃~ 7/ 末頃。
一重ものは早咲きで八重ものはやや遅咲き。
・いい香り。遠くからでも香ってくる。
・実(み)はオレンジ色で薬用・染料になる。
無毒なので、布以外にも、
きんとん、たくあんの着色料にもなる。

・八重咲きものは実がならないが
一重咲きものは実がなる。
・実の口が開かないところから
”口無し”の名になった。
また、実にある突起部分をくちばしに
見立てた「クチハシ」からの変化、
という説もある。
・「梔子」の漢字は漢名に由来。

・「小梔子(こくちなし)」は八重で
「梔子」より少し小型。形はほぼ同じ。
・5月6日、7月2日の誕生花
・花言葉は「洗練、優雅」
「喜びを運ぶ」
・別名「せんぷく」

・「口なしの 淋しう咲けり 水のうへ」 松岡青蘿(まつおかせいら)

「薄月夜 花くちなしの 匂いけり」 正岡子規(まさおかしき)

「山梔子(くちなし)や 築地の崩れ
咲きかくし」 堀麦水(ほりばくすい)

  (季節の花 300から引用)

  今日の誕生日の花:ミツマタ   花言葉:壮健

  今日の一句:三椏の花三三(さざん)が九三三が九    稲畑汀子      

  (NHKラジオ深夜便から引用)

菊(きく)の花束

2012年02月19日 | Weblog
とあるスーパーの店先で菊の花束が沢山展示、発売していた。今どき季節はずれの菊の花を、と思ったとき、古い話で恐縮だが東京オリンピック開催当時のことを思い出したのである。そのときは、何故か日本をイメージするため沢山の菊の花が町中に飾られたのであった。オリンピック開催時は、菊のシーズンではなかったが、菊の花を開催時期に間に合わせるため、昼夜の時間調節をおこなって開花時期を早めたのだそうだ。この菊の花束も、もしかして、昼夜の時間調節をおこなって開花時期を遅くして咲かせたものではないかと思ったのである。

菊(きく)・菊(きく)科。
・学名 Chrysanthemum morifolium
Chrysanthemum : キク属
morifolium : クワ属(Morus)のような葉の
Chrysanthemum(クリサンセマム)は、ギリシャ語の
「chrysos(黄金色)+ anthemon(花)」が語源。

・開花時期は、10/20頃~12/20頃。
・東洋で最も古くからある鑑賞植物らしい。
平安時代に中国から渡来。
改良が重ねられ多くの品種がある。
園芸品種としては「スプレーマム」や「ポットマム」
などがよく知られる。「マム」=「菊」、とのこと。
(「小菊」「スプレーマム」「ポットマム」の区別が
私にはよくわかりません。「スプレーマム」や
「ポットマム」の名前の看板がついているものは
その名前を、
路地ものなどで看板のないものは「小菊」と
表示したケースがあります。ご了承ください。
どれもきれいな、菊の花です)。

・「きく」は漢名の「菊」を音読みしたもの。
また、「菊」の漢字は、散らばった米を
1ヶ所に集める、の意で、菊の花弁を米に
見立てたもの。
漢名の「菊」は”究極、最終”を意味し、
一年の一番終わりに咲くことから名づけられた。
・大輪の菊はよく菊花展で見かける形で
11月の上、中旬頃が見頃。
菊花展で見られるのは
「厚物(あつもの)→ 大輪もの」と
「管物(くだもの)→ 細い花びら」に分けられる。

・中国では菊は不老長寿の薬効があるとされ、
陰暦の9月9日(重陽の節句)には菊酒を飲み
長寿の祈願をした。これがしだいに日本にも伝わり、
菊の花を酒に浮かべて飲み花を鑑賞する
「重陽の宴」が催されるようになった。
のちに菊は皇室の紋章になり、日本の国花になった。
(日本の国花は、この菊と桜の2つ)
・中国で呼ばれる「四君子(竹、梅、菊、蘭))」
の一つ。水墨画の画材にもよく使われる。

・花の盛りは11月だが、冬になっても「残菊、晩菊」
というサブネームで咲き続ける。これらはだいたい
小菊のことだが、野性味の濃い小菊は寒さには強い。
これらは冬になっても咲いているので「冬菊」とも、
寒気の中で咲いているので「寒菊」とも呼ぶ。
しかし、年を越える頃にはやはり枯れてしまう
→ 「枯れ菊」になる
・ことわざ。「春蘭秋菊倶に廃す可からず」、
(しゅんらんしゅうぎくともにはいすべからず)。
両者ともにすぐれており捨てがたい、の意。

  (季節の花 300から引用)

  今日の誕生日の花:ウグイスカグラ   花言葉:未来を見つめる

  今日の一句:春浅き木立の上の空のいろ    柴田白葉女

  (NHKラジオ深夜便から引用)