MVKのいろいろ

残り少ない人生、その楽しい余生のあり方を目下研究中

撫子(なでしこ)

2011年10月26日 | Weblog
この撫子は、秋の七草の一つである。これまで、秋の七草の幾つかを此のプログに紹介してきたが、この撫子については、紹介するのを忘れていたような気がする。そこで遅ればせながら、知人のところに咲いていた鉢植えの撫子を此処で紹介したいと思う。この写真の撫子は、多分に園芸品種だと思うが、遅咲きの種類のようである。
この撫子は、万葉詩人に良く詠われている。それは、花そのものは勿論、いろんな譬えにも用いられている。何故斯くも引用されているのか不勉強で良くわからない。何れにしても、詩に詠まれるような貴重な花のようである。



撫子(なでしこ)・撫子(なでしこ)科。
・学名 Dianthus superbus var. longicalycinus
(河原撫子)
Dianthus : ナデシコ属
superbus : 気高い、堂々とした
Dianthus(ダイアンサス)は、ギリシャ語の
「Dios(ギリシャ神話の神、ジュピター)
+ anthos(花)」が語源で、
”ジュピターの花”の意味。

・6月頃から8月頃にかけて開花。
・ピンク色の可憐な花。
縁がこまかく切れ込んでいる。
我が子を撫(な)でるようにかわいい花で
あるところからこの名前に。

・早咲きと遅咲きがある。
・よく見られるのは
「河原撫子(かわらなでしこ)」。
河原に生えるとも限らないがなぜかこの名前。
野、山、高原どこででも見かける。
どちらかというと日当たりのよい草原・・。

・この撫子を代表とするダイアンサスの花には
英名で「ピンク pink」の名前があり、
「輝く目」の意味がある。
ピンクという色の語源はこの花にあるらしい。

・中国から平安時代に渡来した、
唐撫子(からなでしこ:石竹)に対して、
在来種を大和撫子(やまとなでしこ)と呼ぶ。
日本女性の美称によく使われる。

・秋の七草のひとつ。
・4月25日の誕生花(美女撫子)
8月11日の誕生花(河原撫子)
・花言葉は「長く続く愛情」(美女撫子)
「貞節」(河原撫子)

・「野辺(のへ)見れば 撫子の花 咲きにけり
わが待つ秋は 近づくらしも」 万葉集 作者不詳

「秋さらば 見つつ偲(しの)へと
妹(いも)が植えし 屋戸の撫子
咲きにけるかも」 万葉集 作者不詳

「わが屋戸に まきし撫子 いつしかも
花に咲きなむ なそへつつ見む」 万葉集 大伴家持

「久方の 雨は降りしく 撫子が
いや初花に 恋しきわが背」 万葉集 大伴家持

「うら恋し わが背の君は 撫子が
花にもがもな 朝な朝(さ)な見む」 万葉集 大伴池主

「草の花は、なでしこ。
唐のはさらなり、大和のもいとめでたし」 枕草子 清少納言(せいしょうなごん)

「ゆかしくば 行きても見ませ 雪島の
巌に生ふる 撫子の花」 金槐和歌集 源実朝

「御地蔵や 花なでしこの 真中に」 小林一茶

  (季節の花 300から引用)

  今日の誕生日の花:イヌタデ、赤のまんま   花言葉:あなたのために役立ちたい

  今日の一句:我が心やさしくなりぬ赤のまま   山口青邨

  (NHKラジオ深夜便から引用)

山茶花(さざんか)

2011年10月26日 | Weblog
この山茶花は、我が家の前を流れている柳瀬川の河岸に咲いていた花である。いま、一斉に咲き誇っていて、丁度見頃といったところ。此の山茶花は、奇特な方がいつも樹木を美しく剪定してくれるお陰で、斯様に見事な花を咲かせるのである。この山茶花の花は、感謝の意を込めて此処に紹介するものである。



山茶花(さざんか)・椿(つばき)科。
・学名 Camellia sasanqua
Camellia : ツバキ(カメリア)属
sasanqua : サザンカ(日本名)
Camellia は、17世紀のチェコスロバキアの
宣教師「Kamell カメル」さんの名にちなむ。

・開花時期は、10/10頃~翌2/10頃。
・花の少ない晩秋から初冬にかけて咲き出す。
長い間咲き、正月を過ぎても楽しめる。
・椿(つばき)の漢名(中国名)「山茶花」が、
いつの頃からかこのサザンカの名前として
間違って定着した。
読みは「山茶花(さんさか)」
→「茶山花(ささんか)」
→「さざんか」というぐあいに変化したらしい。
上記から、「山茶花」の漢字名も本当は誤用。
(どこかで椿とサザンカが混同されたのでしょう。
こういうのって、一度定着したら軌道修正は
ほとんど不可能ですね。みんな、その間違ってる方
を本物と思ってしまうから)

・日本が原産地。江戸時代に長崎の出島の
オランダ商館に来ていた医師ツンベルクさんが
ヨーロッパに持ち帰り、西欧で広まった。
学名も英名もサザンカ(Sasanqua)。

・花はとてもよい香り。
・花びらは1枚ずつ散る(「薮椿」は花ごと散る)。
開花時期は、薮椿は春になってから、
山茶花は秋から冬咲き、と異なる。
また、寒椿とは、葉っぱも花も開花時期もほぼ同じで
なかなか見分けがつかないが、背丈でおおよそ区別できる。 → 寒椿
(ただ、寒椿の中でも背の高い「獅子頭」などとはなかなか区別しにくいです)

・11月3日、12月4日の誕生花(山茶花)
・花言葉は「困難に打ち勝つ、ひたむきさ」(山茶花)

・「山茶花を 雀のこぼす 日和かな」 正岡子規

「山茶花の 花や葉の上に 散り映えり」高浜虚子

  (季節の花 300から引用)

  今日の誕生日の花:キク    花言葉:私は愛する

  今日の一句:白菊の雲の如くにゆたかなり   橋本鶏二

  (NHKラジオ深夜便から引用)

茜色の秋桜(コスモス)

2011年10月26日 | Weblog
近所に沢山の秋桜は咲いているが、このような茜色をした花を見るのは初めてである。茜色と言えば、人間が古いから、すぐ昔の詩が思い出されるのである「あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る  大海人皇子(天武天皇)」という詩である。コスモスと詩は、全然関係ないけれど、この茜色が大変珍しかったので、うれしさの余り、つい余計なことを陳べた次第である。


秋桜(コスモス)・菊(きく)科。
・学名 Cosmos bipinnatus
Cosmos : コスモス属
bipinnatus : 2つの羽状の
Cosmos は、ギリシャ語で「飾り」の意味。

・開花時期は、 7/25頃~12/10頃。
・原産地メキシコ。
メキシコから、1876年頃にイタリアの
芸術家が日本に持ち込んだのが最初、との説がある。
・秋の代表花だが、早いものは夏のあいだから
咲き始めている。
早咲き遅咲きあり。

・外来品種だが、日本の風景に合っている
・「秋桜」の字は、主に秋に咲き、花弁の形が
桜に似ているところからの和名。
・”コスモス(cosmos)”の語源は、ギリシャ語の
「秩序」「飾り」「美しい」という意味の
「Kosmos, Cosmos」の言葉に由来する。
このことから、星がきれいにそろう宇宙のことを、cosmosと呼び、
また、花びらが整然と並ぶこの花も cosmosと呼ぶようになった。

・台風などで倒されても茎の途中から根を出し、
また立ち上がって花をつけるというほど強い。
(弱々しい見た目とはだいぶ違うようです)
・葉は線のように細い。
・7月16日、8月14日、10月5日の誕生花
・花言葉「乙女のまごころ、愛情、たおやかさ」

・東京周辺の見どころ
<小岩菖蒲園>
江戸川の河川敷にある公園。
花菖蒲や菜の花、ポピーなども咲く。
コスモスもいっぱい。
江戸川区北小岩。
最寄駅 → 京成線江戸川駅
<昭和記念公園>
立川(たちかわ)の大規模公園。
花見頃9月中旬~10月上旬。
立川市緑町。
最寄駅 → JR青梅線西立川駅

  (季節の花 300から引用)

  今日の誕生日の花:アマゾンリリー    花言葉:気品、清らかな心

  今日の一句:硝子戸のすべる速さや冬隣    仁平勝

  (NHKラジオ深夜便から引用)