世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

つゆくさ

2024-09-07 03:09:40 | 詩集・ひとつの星

今朝 私がここで咲くために
神さまは
夏の青空の 小さなかけらを
ひとつ私に下さったの

あなたのその ほほえみは
きっと今朝一番の
おひさまの
にこ毛のような ひとひかりを
いただいたのね

今日 私がここで眠るために
神さまは
透明な風の 小さなふとんを
ひとつ私に下さったの

あなたのその まなざしは
きっと空のてっぺんの
おつきさまの
ミルクのような ひとひかりを
いただいたのね





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貝の中に

2024-09-06 02:24:45 | 詩集・ひとつの星

路地裏のちいさなものかげに
だれかがなくした
じぶんじしんが落ちていました

それは半分土に埋もれ
ひろいあげてみると
少し欠けていました

うちに持ち帰り
きれいに洗ってみましたら
それは深い色をした悲しい珠玉でした

秘密の水槽の中に
そっと落とし込み
小さな貝の中にかくしました
いつか だれかが
とりもどしにくるでしょう
そのときまで

だれにもいわずに
そこにかくしておきましょう





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みみをすます

2024-09-05 02:57:04 | 詩集・ひとつの星

真夜中に ばらは
笛の音で目を覚ます
ふくらんだ実の奥で
水晶のように歌い続ける記憶の
静かに語り始めるのを
聴くために
星も風も海も山も
息をひそめて
ばらがこぼすため息に
耳を澄ます





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガラスのゆり

2024-09-04 03:11:55 | 詩集・ひとつの星

わたしの窓辺に
小さなガラスのゆりを
おいてくださったのは
どなたですか

星の光を編み
大地のささやきをこめ
夜明けの光に染めた
ちいさなそのゆりを

つかれはててまどろむ
わたしの床の窓辺に
そっとおいてくださったのは
どなたですか





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとつの星

2024-09-03 03:15:40 | 詩集・ひとつの星

総合タイトルのページです。

詩はまだ始まりません。

受胎告知の図を描いた切り絵ですが、あまり深い意味はありません。

ただ天使を描きたかっただけらしい。

写真が少々歪んでますが、ご容赦ください。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絵と詩・南野珠子

2024-09-02 03:45:15 | 詩集・ひとつの星

最初に、こういうページがあります。

カードサイズの小さな切り絵に、月や日や星、樹木に天使などの要素が盛り込んであります。

南野珠子は、当時使っていたかのじょの筆名です。

南の国に秘された珠玉という意味で、北国に住んでいる友人を意識して、自分は南の田舎に住んでいる真実の人だと言いたかったらしい。

詩はまだ始まりません。

一日に一ページずつめくっていくので、まどろっこしいでしょうが、ご容赦ください。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詩集・ひとつの星

2024-09-01 03:23:07 | 詩集・ひとつの星

これは、かのじょが生前に作った、小さな詩集です。

装丁も製本も自分でやった、世界でこれ一冊しかない、手作りの小さな本です。

これからしばらくの間、この本に書かれた絵や詩を発表していくことにします。

今までにも本館や別館で発表したことがあるのですが、ここで一つのカテゴリにまとめてみたいと思ったので。

しばらくの間、おつきあいください。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薔薇の雲に乗る天使たち

2024-08-31 02:42:06 | 花と天使・第2巻

天使を三人描いてみました。

白い服の天使をたくさん描くと、なんだかまぶしい気持ちがしますね。

簡単な絵ですが、けっこう面倒なとこもあるんですよ。

特にバックの空を塗るのなんか。

できるだけむらなく塗るのは、けっこう難しいんです。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黄金の十字架

2024-08-30 03:45:13 | 詩集・こどもたちへ

漫画のような幸せの中に
ふわふわ浮かびながら
心は灰色の闇に
吸い込まれていく

蒼い嘘が
冷たく心臓を濡らし
全身をめぐる血の中に
しびれる孤独を混ぜてゆく

いつまで耐えなければ
ならないのか
いつまでやらなければ
ならないのか

燃える藁でできた
偽物の人生を生きながら
マリオネットのように
踊る手足が
最高の幸せという
地獄をさまよってゆく

大空に飛んで行く
人間たちの幸福を
遠目に見ながら
馬鹿者は
自分で自分を釘打った
黄金の十字架にしばられて
身動きもできない




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

智者の言葉・5

2024-08-29 03:14:49 | 詩集・こどもたちへ

こどもたちよ
もう帰ってきなさい

自分のことだけを考えて
馬鹿なことばかりしていれば
どういうことになるか
もうわかったろう

嘘で作った自分を
生きすぎていけば
愛がない砂漠の舞台で
一生踊っていなければ
ならなくなるのだ

つらいのに
つらいといえない
苦しいのに
苦しいといえない

誰にもわかってもらえない
激しい孤独の中で
自分の魂を
ぎりぎりと噛む
むごい地獄を
見なければならないのだ

だからこどもたちよ
もう嘘はやめなさい

愛が
幻の向こうに消えてしまう前に
正直な本当の自分に戻り
本当の自分の人生を
生きなおすのだ




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする