コカブです。
さて、われわれにとっては非常に苦手な分野ですが、あなたがたにとってとても重要な問題に、性教育があります。
男女の違い、セックスの仕組みなど、生物的なことを教えることは簡単ですが、セックスにおいて何を重要なこととすべきか、それを教えるのは重要なことです。
男性のセックスと、女性のセックスには、ちがいがあります。男性はセックスでいつでも快楽を得ることができますが、女性にとっては、セックスは試練です。これがわかっていない男性が多すぎると思うので、ここで語っておきましょう。
女性にとって、セックスは痛いことを順々に乗り越えて行かねばならない、重要な問題です。処女喪失の時の恐怖感と痛さ。妊娠したときの様々な体の変化による苦しさ、最大の難関である出産の痛み、それよりももっとつらいのは、育児の苦労。授乳、襁褓の交換、夜泣き、気が変になって子供を放り出してしまいそうになることすらある、苦難の道です。
おまけに女性には、セックスによる快楽はほとんどありません。前に彼も言ったことがありますが、セックスによって女性がオルガスムスを得るのは、一生に一度あるかないかです。この真実を、知らない男性が、多すぎます。
女性は全身が性感帯だと言うのは恐ろしい嘘です。一体だれが言い出したのか知らないが、若干の侮蔑を込めて言われていることからして、そのものは多くの罪の借金を払わねばならないでしょう。
まあそういうことも、授業でそれとなく教えてあげてください。セックスという問題は、長い間タブー視されて闇の中に押しやられていたので、現実とは違う間違った伝説が、たくさんはりついています。古くからある伝説などは信じない方がいいと、子供たちに教え、そしてセックスのもっとも幸福な形を、教えてあげてください。
かのじょも言っていましたが、セックスは愛によって行いなさいということばを、子供たちの心に植え付けなさい。愛とはなんですか。自分の事より、相手のことを思いやることです。愛があれば、何でも人のためにしてあげたくなります。愛の中でセックスを行うと、不思議な魔法の花が開きます。それは何か。相手の女性、あるいは男性を、あまりにも愛おしく感じてしまうのです。まるで相手が、自分自身よりも大切なものになってしまったかのような幸福を、人間は、愛のセックスの中で経験することができるのです。
性欲だけのセックスはただ一瞬の快楽です。ほかにはなにもありません。だけれど、愛の中で愛する人と美しいセックスを営むとき、相手の人が一生を共にする美しい半身となるのです。もう他の誰も目に入らなくなる。自分の愛する人より美しい人はいない。そんな暖かな愛の中で、人は人生を生きて行くことができるのです。自分の妻や夫がだれにもわたしたくない宝物になるのですよ。それが本当のセックスの美です。
あまりむずかしいことは、子供たちにはわからないでしょうが、子供たちの体が大人に近づいてきたとき、必ず、セックスは愛で行いなさいと、教えてあげましょう。