世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

猫女・2

2024-06-20 02:11:22 | 詩集・こどもたちへ

不幸のにおいを
香水のように振りまきながら
猫女が歩いていく

自分の影を
しっぽのようにひきずり
裏切りの月が照らす
一本道を
とぼとぼと歩いていく

本当は
あんなことをしてはいけなかった
白い猫の毛皮をはいで
自分がそれをかぶることなど

白い毛皮が欲しかった
澄んだ瞳が欲しかった
神様に愛される
無垢な魂になりたかった

こんな
臭い血の匂いがする
自分など
暴れるほど嫌だった

逃げることはできない
自分の影をひきずりながら
猫女が歩いていく

永遠の不幸の庭を
ぐるぐる回りながら
歩いていく




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