世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

こどものころ

2024-08-05 03:24:51 | 詩集・こどもたちへ

こどものころ
物乞いのような様子が
嫌いだと言って
飢えた野良犬に
石を投げたことがあった

大人になった今でも
あんなことをしなければよかったと
後悔の思いに
苦しむことがある

おなかが空いていたろうに
やさしくしてやればよかった
できないことではなかったのに
意地悪をして
追い返してしまった
どんなに悲しかったろう

こどもたちよ
こどものころというのはね
何も知らない風船のように
ふわふわしているものなのだ
おもしろいことも
いっぱいあるけれど
馬鹿なことも
たくさんしてしまうんだよ

今の自分が
完璧だと思って
苦い失敗を
してしまうものなのだ

いつか大人になったら
そんな失敗の数々に
思いを塗り重ねて
君たちの中に
やさしさが作られてゆくだろう

こどものころというのはね
自分の苦さを知る前の
たまごの中の夢のような
淡い光の時代なのだ




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 黒い卵 | トップ | ピンクタイガーアイ »
最新の画像もっと見る

詩集・こどもたちへ」カテゴリの最新記事