世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

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タンポポの種が

2024-04-12 03:52:49 | 月夜の考古学・第3館

太り過ぎた牛のような孤独の
かく脂汗を毎日のようになめ
いたずらに魂を傷めていました

世界は閉じた自分の中にだけあると
決め込んでいたことに
気づきもしませんでした

空は高かったことに気づいたのは
飛べるようになってからです

すべての答えは自分の中にある
というのは本当でした
しかしそれを理解するには
自分だけの力ではできませんでした

私達は愛を必要としていました
この世に一人でも憎むものがいることが
どんなに命を傷めるかを
学ばなければなりませんでした
そのためにこそ全ての過ちがありました
憎悪も 悲哀も 不幸も
戦争も

失ったものは再び得られるでしょう
死を恐れさえしなければ

タンポポの種が
地に落ちることを
恐れさえしなければ



(2003年)





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