今日は朝のうち雨がパラつきましたが、昼前後からは陽も差すようになりました。昼休みには運動場の水溜りも乾いてきて、子どもたちが元気に駆け回ることができました。
さて、そんな小学校の勤務を終えて小田原駅へ向かっていると、道すがらにあるお寺の境内に

緑色の桜が咲いていました。これは『御衣黄(ぎょいこう)』という品種の八重桜で、咲き始めは鮮やかな緑色をしていますが、そこから徐々に黄色味がかってきます。
この御衣黄は江戸時代に京都の仁和寺で栽培されたのが始まりとされていて、後に荒川堤で栽培されていた品種です。江戸時代に日本を訪れていて、紫陽花などをヨーロッパに紹介したドイツ人の医師で博物学者でもあったフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)が持ち帰った標本の中にも、この御衣黄が現存しています。
『御衣黄』の名は、上流階級が身に纏う御衣の萌黄色を思わせる色合いからつけられたものです。オオシマザクラを元に日本で栽培されたサトザクラの一つで、珍しい品種ではあるものの、実は沖縄県を除く日本各地で見ることができます。
この時期には様々な八重桜の花を見ることができますが、御衣黄も意外とあちこちに咲いているものです。もしかしたらお近くにも咲いている場所があるかも知れませんので、ちょっと周りを御覧になってみてはいかがでしょうか。