共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

ヴィヴァルディの《ラ・フォリア》

2013年07月17日 16時30分33秒 | 日記
来年の横浜の教室の発表会にかけてみようかな…と思って先日発注した楽譜が、今朝神戸から届きました。言わずと知れたイタリアバロックの巨匠アントニオ・ヴィヴァルディ作曲のトリオソナタOp.1-12《ラ・フォリア》です。

「あれ?」と思われた方もおいでかと思います。通常《ラ・フォリア》と言えば、スズキバイオリン教本にも載っているアルカンジェッロ・コレルリのヴァイオリンソロと通奏低音の作品があまりにも有名です。しかしそれとは違って、この作品はトリオソナタ、つまり2台のヴァイオリンと通奏低音のための作品です。

元々《ラ・フォリア》という音楽そのものはコレルリが創造したものではなく、スペインやポルトガルのあるイベリア半島辺りで15世紀末頃に発祥した舞曲の種類の名前です。『フォリア』とは「狂気」とか「常軌を逸した」という意味があり、元来は騒々しいダンスの音楽でしたが、やがて洗練された舞曲に変化していきました。

コード進行が非常にシンプル(イ短調で書くとAm-E-Am-G-C-G-Am-E-Am-E-Am-G-C-G-Am-Dm-E-Amとなる)なため変奏曲が作りやすく、特に17世紀頃にイタリアでこのテーマが大流行してやがてヨーロッパ中に広まっていきました。

コレルリも、そのテーマを基にして変奏曲を作曲している一人…というわけです。ですから、ウィキペディアか何かでただ単に『ラ・フォリア』と検索ワードを入れると、このテーマに基づいて作品を作った作曲家の名前がズラ~っと出てきてしまいます(勿論、筆頭はコレルリですが)。

話が逸れましたが、来春の発表会で中学生に演奏させる曲について『どうせコレルリはイヤでも練習するのだから、その手前の段階でコレルリとは違うものをやってみよう』と思いました。そしてピンときたのがヴィヴァルディの作品でした。当人にもCDを聴かせてみたところ結構気に入ってくれたようでしたので、早速楽譜を手配したというわけです。

とりあえず1st.ヴァイオリンを生徒に弾かせて、2nd.ヴァイオリンを私が受け持とうと思っております。伴奏をどんなかたちで付けるかについては目下悪企み中です…ψ(^皿^*)。

因みにワルシャワの王宮で行われたコンサートで、ヴィヴァルディの《ラ・フォリア》を実際の舞踏の伴奏として演奏し、それに合わせて古装束の男女が踊っている面白い動画がありましたので載せておきます(いくつかの変奏がカットされているので、実寸よりも若干曲が短くなっています)。

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