昨日と比べると少し涼しいものの、今日もいいお天気となりました。私は今日は出勤日ではなかったのですが、今日から小学校では給食がスタートしているはずなので、もしかしたらその時にも一悶着あったかも知れません。
ところで、今日4月10日はニーノ・ロータの祥月命日です。

ニーノ・ロータ(1911〜1979)はイタリアの作曲家で、クラシック音楽と映画音楽で活躍しました。本人は
「本業はあくまでクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味にすぎない。」
と言っていたようですが、なんと言っても映画音楽の分野で多大な業績を挙げていて、死後クラシックの作品も注目を浴びるようになりました。
北イタリアのミラノで生まれたニーノ・ロータは、11歳でオラトリオ、13歳でオペラを作曲し、ミラノ音楽院、サンタ・チェチーリア音楽院で学びました。その後米国に渡ってカーティス音楽学校に学び、帰国後ミラノ大学に入学して文学と哲学を並行して専攻しました。
大学卒業後は音楽教師となり、その傍らクラシック音楽の作曲家として活動を開始したニーノ・ロータは、1942年以降、映画音楽の作曲も始めました。1951年、

当時新進映画監督として注目を集めたフェデリコ・フェリーニ(1920〜1993)と出会い、その後自身が亡くなるまで、フェリーニの映画音楽を数多く手がけることになりました。
フェリーニ監督以外の映画音楽も多数手がけ、1968年にはフランコ・ゼフィレッリ(1923〜2019)監督の『ロミオとジュリエット』の音楽を担当しました。更にフランシス・フォード・コッポラ(1939〜)監督の『ゴッドファーザー』の音楽はロータの代表作となり、「愛のテーマ」は多くの人々に親しまれました。
ニーノ・ロータは1975年と1976年の2回来日しており、1976年の来日時には、国内11か所で自作を取り上げたコンサートを開催し、自ら指揮棒も振りました。その後1979年の4月10日に、心臓発作によりローマで死去しました(享年67)。
ニーノ・ロータといえば『太陽がいっぱい』『ロミオとジュリエット』『ゴッドファーザー』といった映画音楽が圧倒的に有名ですが、前にも書いた通り本人はあくまでもクラシック音楽の作曲家だという認識が強く、3つの交響曲や
オペラ『フィレンツェの麦わら帽子』(1946年)
木管五重奏のための『小さな音楽の贈り物』(1943年)
オーボエとピアノのための『エレジー』(1955年)
弦楽のための協奏曲(1964年 - 1965年)
トロンボーン協奏曲 ハ長調(1966年)
ファゴット協奏曲(1977年)
といった様々な作品を遺しました。また、あまり有名ではありませんがヴィオラ・ソナタを2曲書いていて、ヴィオラ奏者の貴重な近代音楽レパートリーとなっています。
そんなニーノ・ロータの祥月命日である今日は《フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、ハープのための五重奏曲》をご紹介しようと思います。
この曲は1935年にされた作品で、3つの楽章からなっています。特に第2楽章の美しいメロディは、『ロミオとジュリエット』の名旋律を彷彿とさせるような美しさに満ち溢れています。
そんなわけで、今日はニーノ・ロータの《フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、ハープのための五重奏曲》をお聴きいただきたいと思います。映画音楽に多大な功績を残したニーノ・ロータの、クラシック音楽作曲家としての一面を御覧になってみてください。