共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

小田原城址公園《御感の藤》

2017年05月08日 23時32分18秒 | 
暑い…ε~ι(´Д`υ)。

今日、関東地方は今年初の28℃の気温を観測しました。まだ5月なのに28℃と聞いて、具合が悪くなりそうです。

そんな中でもゴールデンウィーク明け一発目のレッスンですから、先生がウダウダ言ってもいられません。ということで、自分で自分に鞭打って小田原まで出ました。

教室が始まるまでには時間があったので、ちょっと気になっていることを確認しに小田原城址公園の南西にある御茶壺曲輪まで行ってみることにしました。

御茶壺曲輪に向けて堀を渡る橋の袂に、大きな藤棚があります。今年は全体的にちょっと早目に藤の花が咲いていたので『どうかな?』と思って来てみたのですが、思った以上にまだ花が咲いていました。

この藤の花は元々、あるお宅の庭に咲いていたものでした。かつて、その近くに逗留中だった皇太子明宮嘉仁親王殿下(後の大正天皇)が馬に乗っていた時、その馬が満開に花の咲いていた藤棚に、殿下を乗せたまま入っていってしまったのです。

何と恐れ多いこと…その場に居た人たちの間に緊張が走りました。しかし嘉仁殿下は

「見事な藤に心無いことよ」

と感じ入られ、関係者が責任を問われることもなかったのだそうです。

それ以降、この藤の花は《御感の藤》と呼ばれ、今日まで小田原市民の間で大切にされてきました。



それにしても見事です。写真の奥の方にある幹から棚を埋め尽くす程の蔓が伸び、そこから薄紫の花房をいくつも下げている様は圧巻です。



藤棚の中に入ってそこに据えられたベンチに腰かけると、時折吹く風の中にマメ科の花特有の甘い香りが混じって、何とも言えない心地よさに包まれます。さすがにピークは過ぎてしまっているようではありますが、それでももう2~3日は楽しめそうです。

小田原城址公園にいらしたら、この藤棚にも足を運んでみては如何でしょうか。
コメント
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