試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

グリーンマックス製TR-180床板 床下操作式ライトスイッチ台枠試作 ※試作継続:TNカプラーSP干渉対策再検討

2018-03-12 21:41:26 | その他
不完全。

グリーンマックス製京成3150形では点灯機構を持つ車両の4+2編成,2+4編成,4+4編成逆組成を休止している。
自身の取扱い方法にも問題があると思われるがTR-180床板用座席部品センターピン部の破損を招いた。
TR-180床板はライトスイッチが床板内側にあり分解を要するためセンターピン部に余計な負荷を掛けたと考えている。


京成3150形3182F 新赤電色+3194F 現行色 前期仕様。
3182F-2:[3182]-[3181]+[3194]-[3193]-[3192]-[3191]。
2+4編成:3182F-1+3194F-1。

組成休止となった2+4編成には3182F新赤電色(3182F-1),3194F現行色前期仕様(3194F-1)も含まれる。
各々4両編成を基本に上野寄へ非動力車の半ユニットを増結する2+4混色編成が組めた。
現在休止中だが行先表示類は何れも[B31 津田沼]を存置し2+4編成の復活へ向け各種検討していた。
混色編成は各々3182F-2(2+4編成),3194F-2(2+4編成)となり他形式でも再現出来ない。
後に増備した3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口(3174F-2)は4+2編成で補填には至らなかった。


3174F-2 (3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口)。

全てはTR-180床板のライトスイッチ操作が壁と言える。
どうにか床下側からの切替を可能にすべく部品取車から供出したTR-180床板用台枠での試作を行う。
原形のままではTNカプラーSPマウントとの競合が避けられない。
しかし3150形運転台付車はTNカプラーSPの前進取付を行っており多少猶予が生じると考えた。
ただ現車での試行に踏み切るには危険が多く保管品を起用した。


部品取車から持ち出した3700形M1車用台枠。

ライトスイッチの床板操作化を試行する台枠はビス締結へ変更された後の京成3700形塗装済キットが出自である。
基本構造は完成品のTR-180床板と同等で手を加えるには相応しい。
床下機器部品は強固に接着されておりこのまま転用は行えない。
先ずTR-180床板用台枠を加工しライトスイッチを反転可能にする。
現車確認で問題無ければ本格採用を検討する二段構えとした。


要開削部を罫書いた台枠。

床下操作化はライトスイッチを反転させる単純な発想である。
座席部品のライトスイッチスリットに相当する台枠へ同様の溝を設ける加工から開始した。
台枠と座席部品を重ねライトスイッチスリット部から台枠の切除を行う箇所に罫書きを行った。
Φ1.5mmのドリルで複数の孔を貫通させた後に開削している。
開削部周囲にはリブが残った。
切除するか迷ったがひとまず現状を維持させている。
この時点ではライトスイッチの動きに問題は無かった。


ライトスイッチスリットが新設された台枠。

グリーンマックス製導電板は持ち合わせておらず台枠加工予定のある3150形前尾灯点灯車から拝借する。
最終的に現車での動作確認を要する事から試作台枠は3150形の導電板及び座席部品との組み合わせに変更した。
試験車にはモハ3194(3194F-1)を抜擢している。
モハ3194は2+4編成組成時のライトスイッチ操作対象車だった。
ライトスイッチ部品組込試験を含め将来的にも都合が良い。
台枠以外はモハ3194装着部品を使用し製品仕様との差異を極力減らしている。


モハ3194現行色前期仕様(3194F-1)。

ところが試作台枠装着前に余計な作業が舞い込んでしまった。
3194Fは1stLOT品で台車集電板と導電板にはグリスが塗布されていないと思い込んでいた。
いざKS-116非動力台車を撤去すると集電板が重力に逆らった。
導電板は台車集電板との接触部に目立つ変色が生じており気になって仕方がない。
試験では通電系統の確認が伴うため先に台車集電板と導電板のグリス除去と研磨を行った。


入工中のモハ3194。

各々の研磨を終え通電系統には瑕疵が無くなった。
早速試作台枠と座席部品の嵌合に取り掛かる。
ライトスイッチは位置を変更せずに反転させ凸形の操作部を床下側に向けた。
そしてKS-116非動力台車のビス締結を行っている。
上野寄,成田寄共に最後まで締結出来た。
しかし運転台側座席部品は僅かに浮き上がりが生じた。
台枠ライトスイッチスリット周囲のリブは切除した方が良いかもしれない。


床下側に移ったライトスイッチ操作部。

リブ存置の影響からかライトスイッチの動きも渋くなった。
ビス締結により座席部品の押圧を受けたと思われる。
取り敢えずスイッチ操作は可能だった。
現車確認を進めるためこのまま作業を続行した。
極力モハ3194用台枠の現状に近付ける。
前進取付を施したTNカプラーSPの代わりに加工失敗品を両面テープで貼り付けた。
現物合わせを廃止した直後であり仮設のTNカプラーSPの位置は容易に決められた。


両面テープで固定した加工失敗品のTNカプラーSP。

加工に失敗したTNカプラーSPは原形のマウント形状に近い。
台枠のライトスイッチ操作部との競合を確認するには十分だった。
しかしその結果は凶と出た。
既に2箇所ある凸形の操作部は半分がTNカプラーSPマウントに覆われている。
非点灯から点灯への切替えは可能な一方でその逆は難しいと判ってしまった。




VVVF制御化改造車となったモハ3194。

まだ確認項目にはライトスイッチスリット開削による漏光状況把握が残っている。
漏光次第によっては座席部品の一部を埋め込まなければならない。
試作台枠で取り入れた工法の正式採用は不可能である。
ただ新たな対策を要する追求を行う。
点灯試験のために組み上げたモハ3194はVVVF制御化改造車の様な出で立ちに変わった。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:消灯(試作台枠動作確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:前照灯(試作台枠漏光確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:尾灯(試作台枠漏光確認)。

点灯試験はライトスイッチが働くかの確認から開始した。
上下反転しただけのライトスイッチでも絶縁に至っている。
基本的な考え方は間違っていないようだった。
続いてライトスイッチを点灯に切替え漏光具合を確かめる。
予想に反し前照灯,尾灯に点灯関わらず全く漏光しなかった。
根本的な弱点を抱えるもののこの2点だけは収穫になっている。


ライトスイッチスリット周囲のリブを切除した台枠。

点灯試験が終わり次第モハ3194を原形に復する予定だった。
しかし明らかになった問題点を少しでも解消したい。
計画を変更し台枠ライトスイッチスリット周囲に残るリブを取り除きスイッチの動作改善を狙った。
リブはクラフトナイフで大雑把に欠き取り#400のペーパーで平滑に近付けている。
空振りに終わった試作台枠ではこの程度の処理で十分である。
本格採用時にもっと丁寧に仕上げるのは言うまでもない。


押し出しが解消された運転台側床板。

ライトスイッチスリット周囲の平滑化で座席部品の浮き上がりは生じなくなった。
従って運転台側床板の張り出しも抑えられている。
しかし渋い動きのライトスイッチは相変わらずだった。
スイッチ操作には支障しないがライト基板の集電スプリングを傷める可能性がある。
今後の課題はライトスイッチ部品に集約された。


ライトスイッチを再反転させたモハ3194用床板。

床下操作式ライトスイッチ化は惜しいところまで進められた。
スイッチ操作の渋さはどうにかなると思う。
しかしTNカプラーSPマウントとの競合は解決策が見当たらない。
前進取付を採用している関係でマウント後端部を短縮出来るTNカプラーSP擬3化は強度に不安がある。
しかも復心スプリング固定都合により連結器部品が下方向を向くため先頭車には使用し難い。
あと一歩が足りない状態で試行は中断となった。


抵抗制御車に復帰したモハ3194。

試作台枠は今後も試行に供される。
ライトスイッチ操作部とTNカプラーSPマウントの競合を防ぐ妙案が浮かぶまでは保管品とする。
今回は失敗でも成功でもない珍しい結果となった。
ライトスイッチ部品は大量に予備品を抱えており加工の各種試行が行える。
モハ3194VVVF制御化改造車の再出現は床下操作式ライトスイッチの完成形が見えた時になるだろう。

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